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2023/6/24 20:00

大きいフィアットに魅力はある?「ドブロ」、兄弟車や国産ミニバンとの違いは?

力強いトルクが生み出すスムーズな加速。コーナーでの安定度も抜群

日本仕様のパワートレイン系は、1.5Lのターボディーゼルと8速ATの組み合わせで、最高出力130ps/3750rpm、最大トルク300Nm/1750rpmを発揮します。リフターやベルランゴと共通のもので、パフォーマンス面でも満足いくレベルにあることは容易に想像ができます。

↑パワートレイン系は1.5リッターのターボディーゼルと8速ATの組み合わせのみ

 

この日はあいにく雨天での試乗となってしまい、路面から湧き起こる“シャーッ”というノイズが室内に進入し、エンジン音すらかき消してしまうほど。そのため本来の静粛性をチェックできませんでしたが、リフターやベルランゴの経験からすると、高速域でも十分な静粛性を保っていたことは確かです。

 

走りはというと、アクセルを踏み込むと同時に力強いトルクが車体をスムーズに動かしてくれました。しかしながら、決してトルクが出しゃばることなく、自然な雰囲気で加速してくれます。速度の伸びも良好で、少なくとも試乗コースとなっていた都内の道路上で不満はまったく感じませんでした。

 

一方で、サスペンションはしっかり感を伝えるフィールで、コーナーを曲がるときも後輪が路面にちゃんと追従して雨天走行でも不安感はまったくなし。MPVながら走りも楽しめそうな印象でした。

 

最後にドブロで見逃せないのが、安全装備や先進運転支援システムです。オートハイビームや自動緊急ブレーキ、車線維持支援機能を搭載したのはもちろん、ロングドライブで重宝するアダプティブクルーズコントロールを装備。レーンチェンジの安心をサポートするブラインドスポットモニターや、便利な電動パーキングブレーキも搭載しています。実用性のみならず、ドライブの安全性と快適性を両立しているのもドブロのポイントと言えるでしょう。

↑ロングドライブで役立つアダプティブクルーズコントロールを装備。先行車に追従して速度を自動的に加減速してくれる

 

【まとめ】

ドブロは、電動スライド系機構がない点は、日本車並みの至れり尽くせりな装備になっていないのは確かです。しかし、安全装備、運転支援機能を備え、収納スペース、荷室アレンジは十分。広大なスペースを活用して、自分らしい使い方をアレンジするところに魅力があり、存在意義はそこにこそあるのです。家族や仲間と一緒に、そんな新しいイタリア車の世界観を楽しんでみてはいかがでしょうか。

↑ドブロでイタリア車らしい、自分流の楽しみ方を見つけて欲しいと話す、Stellantisジャパン 代表取締役社長 打越 晋氏

 

SPEC【フィアット/ドブロ】●全長×全幅×全高:4770×1850×1870mm●車両重量:1660㎏●パワーユニット:ターボチャージャー付直列4気筒DOHC(ディーゼル)●最高出力:130ps/3750rpm●最大トルク:300Nm/1750rpm●WLTCモード燃費:18.1km/L

 

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