死体から作られた人造人間、フランケンシュタイン。これまではホラー映画や怪奇小説に出てくる空想のキャラクターでしたが、最近では科学者たちが本気でその実用化を提案しているのです。

先日、「予備の人間の身体が医学に革命をもたらす」という記事が米マサチューセッツ工科大学の科学誌「MITテクノロジーレビュー」で発表され、世界を駆け巡りました。
この記事の著者は米スタンフォード大学の科学者3名。この研究チームが提案しているのは「ボディオイド(bodyoids)」と名付けられた物です。「オイド(oid)」とは「~のような」や「~もどき」という意味であり、ボディオイドとは「人間の身体のような物」を指します。
ボディオイドは人工的に作られた人間の身体で、生理学的に本物とそっくりに作るものの、意識や痛みは感じないように設計するとのこと。医学の実験に使われたり、臓器移植が必要な人に移植用の臓器を提供したり、さまざまな用途があるようです。
医療の研究や医学生の技術訓練のためには実際の人間の身体が必要で、本人と家族の同意のもと、亡くなった後の遺体を「献体」してもらい、医学実験や研究に活用する方法があります。しかし、献体の数が十分でなければ人間以外の動物を使うなど、別の手段を考えなければなりません。また、臓器移植が必要な患者は世界に数多くいて、待機リストに名前を載せても、提供される臓器は限られるために、移植の順番がまわってくる前に命を落とす人も少なくないと言われています。
そのような理由で、この科学者たちは、非常に初期に形成される「幹細胞」という特殊な細胞を活用してボディオイドを作ることを提案しているのです。実際、彼らの研究チームは人の初期の胚のような組織の形成に成功しているそう。
当然ながら、ボディオイドに対しては倫理的な側面から反発の声が上がると考えられます。しかし、数十年後の医学界は今日とは大きく変わっているかもしれません。さらに、ボディオイドは不老不死の研究を進める可能性もありそうです。
【主な参考記事】
Daily Mail. The real Frankenstein’s lab: Scientists want to grow ‘spare’ human BODIES – and claim they could ‘revolutionize medicine’. March 27 2025
※この記事は本サイト(GetNavi web)でご覧になるとアフィリエイト広告が掲載されています。リンクから商品を購⼊すると、売上の⼀部が販売プラットフォームからGetNavi webに還元されることがあります。 ※価格などの表示内容は掲載時点のものです。在庫切れなどによって変更の可能性もありますので、詳細は商品ページを確認してください。