大量購入、大量消費のイメージが強いアメリカですが、この国の人々は買い物に対して意外にシビア。だからこそスゴイのが、フロリダ発のスーパーマーケット「Publix Super Market」です。このお店は全米顧客満足度指数(ACSI)で12年連続全米1位。Publixはなぜ多くのアメリカ人に選ばれているのか? その理由をご紹介します。
Publixとは?
Publixとは、1930年代にフロリダ州で創業されたスーパーマーケットチェーン。現在では、アラバマ州、フロリダ州、ジョージア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、テネシー州の6州、アメリカ南部へ1172店舗展開しています(2018年4月1日現在)。Publixのスローガンは「Publix: Where Shopping Is a Pleasure(買い物が楽しい場所) 」。このスローガンのもと、Publixでは買い物をより楽に、より速く、そしてより快適にできるよう様々なサービスを提供し、全米No.1のASCIを12年連続で獲得しています。2016年こそTreture Jo’sに1位を明け渡してしまいましたが、17年の最新調査では再び1位に返り咲いています。
選ばれる理由①:快適さの追求
いつも行くスーパーと違うところに行ったとき、欲しい商品の場所がわからず、余計な時間を取られることってありますよね。しかし、Publixでは、ほぼすべての店舗がまったく同じレイアウトになっているので、たとえ違う店舗に行ったとしても、迷うことなく買い物することが可能。
また、多くの方はスーパーで最初に野菜コーナーに行くと思いますが、私たちは野菜の鮮度や値段で、そのスーパーの良し悪しを判断することもありますよね。Publixは、競合スーパーでは取り扱いが少ない「オーガニック野菜や食品」が新鮮で、豊富な種類を取り揃えていることが特徴。価格も良心的です。さらに、そのほかのプライベートブランド商品も質が高く、安心して買い物ができます。
選ばれる理由②:作りたてが最高においしいデリとサブ
Publixはデリとサブが有名です。デリでは、「チキンテンダー」と呼ばれるアメリカ南部名物のフライドチキンが大人気。少量ずつ揚げて、常にでき立てを提供しているのですが、最初は私も「たかだかスーパーマーケットのデリだろう」というぐらいにしか思っていませんでした。しかし実際にいただいてみると、チキンはジューシーで、衣もスパイスが絶妙に効いていてビックリ。一度食べてやみ付きになりました。
サブは、店内のベーカリーで焼かれたパンを使ってサンドイッチを作ってくれるコーナー。パンの種類、具材、ソースを選んでオーダーし、こちらもできたてで提供されます。ベーカリーでは、パン以外にもクッキーやパイ、マフィン、デコレーションケーキなどがあり、ここを素通りするのは至難の技かもしれません。
選ばれる理由③:BOGO
「BOGO」とは「Buy One, Get One(1つ買ったら、1つ無料)」の略で、つまり半額セールということ。Publixでは毎週「BOGOセール」の商品が変わります。食品や日用品などスーパーのありとあらゆるものが対象。安さが売りのWalmartよりも、質の良いものが安く手に入るBOGOセールはとても「お得」です。ネットやアプリで何がBOGOになっているかが見ることができるので、お目当ての「BOGOセール」のために買い物に行くと言っても過言ではありません。
選ばれる理由④:顧客サービス
商品の質もさることながら、Publixはサービスの質も高く評価されています。子どもには無料でクッキーをくれたり(おかげで子どもが静かになるので集中して買い物できます)、買い物したものをクルマまで運び、積むのを手伝ってくれたりと、子育てママやお年寄りに優しいサービスもいろいろあります。そのうえ、フレンドリーな接客で対応してくれるわけですから、リピーターが増えるのは当然かもしれません。
競合スーパーでは見られない、きめ細やかなサービスを徹底的に提供するPublix。お客様目線でおもてなしをすることが顧客満足度を高め、リピーター客の増加につながっているように思います。アメリカ南部で買い物をする機会があれば、ぜひPublixにも足を運んでみてください。