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2018/5/29 19:00

電動スクーターのシェアリングがわずか1週間で利用中止!「Lime」に一体何が起こった?

2018年5月、オアフ島ホノルルで電動スクーターのシェアリングサービスが始まりました。ホノルルでは約1年前に自転車シェアリングサービスが始まり、利用者が着実に増加しており、電動スクーターも自転車と同じように人々の間に定着するかと思われました。しかし、サービス開始から1週間たらずで、ホノルル市長が電動スクーターの利用者に罰金または拘留の罰則を課すことを発表したのです。

 

アメリカで拡大中のドックレスシェアリング「Lime」

今回、ホノルルで電動スクーターのシェアリングサービスを開始したのは、アメリカ生まれの「Lime(ライム)」。Limeは自転車と電動スクーターのシェアリングサービスを行っており、「ドックレス」であることが特徴。一般的な自転車シェアリングは、街中に自転車ステーションが設けられていて、利用者はそこで自転車を貸りたり返却したりします。

 

しかしLimeの場合は、借りるときのロックの解除も、返却時のロックも、専用アプリで行えるため、自転車ステーション(英語ではDock)がないのです。利用したいときは、アプリを使って自分の近くで空いている自転車がどこにあるかチェックして、乗り終わったら自分の好きな場所に駐車するだけというシステムです。

2017年に設立されたばかりの同社ですが、ロサンゼルス、シアトル、ワシントンDC、マイアミなど30以上の都市に進出。さらに大学のキャンパス内でも次々と採用され、アメリカのなかで一気に拡大しています。

 

サービス開始後すぐに利用中止へ

Limeがハワイで導入したのは、自転車ではなく電動スクーター。しかし、このサービスは、始まってからたった1週間ほどで「利用中止」に。その理由は、電動スクーターはモペッド(原付自動車)とみなされ、歩道に駐車することが法律で禁止されているからというものでした。

 

そのため、ホノルル市はすでに街中で利用されている約200台の電動スクーターのうち、100台あまりを没収。同社に対して、電動スクーターを歩道に停めた場合、所有者であるLimeであろうと、一般利用者であろうと、最大1000ドルの罰金または30日間拘留の罰則を課す考えであることを通達したのです。これを受けて、同社は電動スクーターのサービスを中止することを発表しました。

ホノルルのシェアリングサービスは今後どうなる?

ホノルルでは、ちょうど1年前に自転車シェアリングサービス「Biki(ビキ)」が始まったところ。30分3.50ドルの利用料金で、順調に利用者が増え、自転車ステーションの増設が計画されています。一方、Limeの電動スクーターの利用料金は、ロックを解除するのに1ドルで、1分あたり15セントが加算される仕組み。Bikiより安く、コンパクトな大きさで気軽に乗れるLimeの電動スクーターは、Bikiと同程度に利用者が拡大する可能性は十分あると言えるでしょう。

 

歩道などに停められているLimeの電動スクーターや自転車については、ホノルル以外の都市でも問題となっている場所があるようです。今回の中止は「一時的なもの」と発表したLimeは、市と協力しながらこの電動スクーターにそった規則の制定に期待しているようです。規制緩和とロビー活動が同社の今後の大きな課題と言えるかもしれません。