デカトロン社製品のコスパのよさは、以前にも350円リュックでお伝えしましたが、今回ご紹介するのは「フリーズドライの携帯用インスタント食」。近年、フランスではフリーズドライ食品市場が成長を続けています。本製品はトレッキング用に開発されているので、携帯性や利便性が抜群なうえ、エネルギー補給もしっかりできるのが特徴。しかし、実際にはどんな味がするのでしょうか?
「メイド・イン・フランス」を謳うデカトロンのフリーズドライ食
夏のバカンスシーズン到来で、スポーツウェア・用品専門店のデカトロン店内も、レジャー用品を買い求める人々で賑わいを見せています。日本の甥や姪にプレゼントしようと、リュックサックを買いに足を運んだのですが、そのとき、ふと目に入ったのが同社のフリーズドライ食品でした。
デカトロンのエネルギー食品シリーズにはシリアルバーやスナックなど、ひと通りの携帯用食品が揃っています。フリーズドライ食品には、今回試食した「レンズ豆とハム(の煮込み)」のほか、「鶏肉とショートパスタのカレーソース」、「ショートパスタの挽き肉ソース」、「牛挽き肉入りじゃがいものピュレ」など、エネルギー補給に良さそうなメニューが揃っています。
レンズ豆とハムの煮込みを食べてみた
試食に選んだのは、インスタント食品として味の想像がつかなかった「レンズ豆とハム(の煮込み)」。5ユーロ(約650円)です。トレッキングなどの山への携帯食には炭水化物が欠かせないと以前に読んだことがあったのですが、レンズ豆(植物性タンパク質)とハム(動物性タンパク質)の組み合わせで、そのあたりをどうクリアしているのかが気になったという理由もあります。
上の写真は、お湯を入れて袋の中を捉えたものです。目盛り6(約280ml)まで湯を注ぎ、チャック式の袋口を閉じて5分間待ちます。お湯が入って食材が水分を含んだ途端、あの軽かった袋(130g)がずっしりと重くなりました(水分を含むと410g)。食べ応えが十分ありそうな重量です。
お湯を入れて5分経ち、袋を開けてみました。乾燥状態の時に白っぽいフレーク状のものがたくさん見えていたのですが、これはじゃがいものフレークでした。つまり、このメニューもじゃがいもを使っているので、炭水化物の補給はしっかりクリアできているわけです。
味付けはやや濃い目ですが、ピュレ状になったじゃがいもが程よい食感を残したレンズ豆やにんじんなど、ほかの野菜とよく馴染み、おいしくいただけました。山で歩いた後などに、これを食べたら最高だろうなと思わせる味です。
最近は、フランスでもカップ入りインスタント食品などを頻繁に見かけるようになりましたが、このレンズ豆とハムはフランス家庭料理の定番メニューでもあり、フリーズドライとして登場したのは新鮮でした。日ごろからこのメニューを食べ慣れているフランス人にとっては、このフリーズドライ食のレンズ豆にはまだ改善点があると感じている人もいるようですが、たいていの人はこの製品に合格点をつけています(デカトロン公式サイトレビューより)。
近年伸び続けているフランスのフリーズドライ市場
仏フィガロ紙によると、「サバイバリズム(生存主義)」が台頭している近年、防災用の食糧ストックを意識する動きが世界中で起きているとのこと。同様の動きが2012年あたりから始まっているフランスでは、フリーズドライ食品の需要が順調に伸びており、同市場は毎年200~300%にも成長していると同紙は伝えています。元々トレッキングなどのアウトドアスポーツの人気が高く、フリーズドライ食品も携帯食品として愛用されていますが、その一方で、近年販売されたフリーズドライ食のうち約40%は、保存用の非常食として購入されている一面もあるのです。
フランスにおいて、フリーズドライ食の平均販売価格は一食に付き、4,5~6,5ユーロ(約600~850円)と、インスタント食品として考えると決して安いとは言えません。しかし、同国のフリーズドライ食品販売サイト・リオフィリズの代表によれば、「フランスのフリーズドライ技術は、10〜25年間保存できる食品が製造可能」になり、数年分をまとめ買いする人もいるのだとか。確かに、今回のようなお湯が必要な製品とお湯が要らないシリアルバーなどをストックしておくと、いざというときに役立ってくれるかもしれません。