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2019/1/4 17:30

最先端のアメリカでは何が流行った? 「サブスクリプションサービス」5選

2018年、アメリカでは「サブスクリプション」サービスが流行しました。17世紀に出版社から始まったこのビジネスモデルは、今日では数多くの業界やウェブサイトが採用しています。今年アメリカでは、どのようなサブスクリプションが人気を集めたのでしょうか?

 

サブスクリプションサービスとは?

サブスクリプションサービスとは、定期購入・配送サービスのこと。日用品からやファッション、ゲーム関連など価格も約$10〜と手軽なうえ、不要ならすぐに解約できます。サブスクリプションが一躍人気を博したのは、2010年「Birch Box」という化粧品サンプルの定期配送。これがきっかけで色々な企業がこのビジネスに乗り出しました。最初は女性向けばかりでしたが、最近ではメンズ系アイテムも勢いを増しています。

 

サブスクリプションサービスにおける市場全体は、2014年以来890%成長しており、17年には前年比で10%増加。18年の4半期では、すでに前年の同時期より4%増加していると言われています。そして、利用者の多数は「ミレニアル世代」。ネットで新しいものを求めるこの世代の人たちは、サプライズ感を手軽に得るためにこのサービスを始める人が多く、そのきっかけとなっているのは、FacebookやInstagram、Pintarestなど、SNSの存在が大きいようです。

 

このサービスには2種類あり、1つは同じ商品の定期配送。もう1つはユーザーの趣味嗜好やサイズなどのニーズに合わせ選んでくれるもの、あるいは自ら選んだものが配送されます。サブスクリプションを使うことで、時間を節約し、消耗品を買い忘れることも減ります。

 

サブスクリプションサービスは、以前は同じ商品の定期配送ばかりでしたが、最近では個人のニーズに対応したものが増加中。今回取り上げる5つのサービスはそのトレンドを反映しており、パーソナルなサービスを提供していることが共通しています。また、フリーミアム・モデルをもとに、最初はお手ごろな価格で試してみて、気に入れば価格の高いサービスにアップグレードできる一方、気に入らなければ返品や交換、サービスの解約ができる設計になっていることも見逃せないポイント。フレキシブルな使い方で楽しめるのが魅力的です。

 

1:Dollar Shave Club

「Dollar Shave Club」は、Facebookで360万を超えるフォロワーを持ち、2018年に最も選ばれたサービスの一つです。$1( 1ドル+送料)でカミソリが定期的に届くサービスで、洗顔料やローションのようなスキンケア用品も取り揃えています。髭剃りのスターターセットは6枚刃カミソリ1丁と替え刃が4枚、シェービングクリーム1本が入って5ドル。

 

定期購入としてはお手ごろ価格、かつ買う手間も省けます。Dollar Shave Clubは2012年創業のスタートアップ企業ですが、16年7月Unileverに10億ドルで買収されるニュースが大きな話題となりました。

 

2:The Tie Bar

男の勝負服であるスーツ。でもネクタイは、いつも同じものばかり……。そんな悩みを解決するために、ネクタイを配送するのが「The Tie Bar」です。このサービス、アメリカ人男性が大好きなフットボールの試合の放送中にアナウンサーが同サービスを紹介したことから、一気に人気が出ました。ネクタイの幅、長さ、柄、素材を自分の好みに合わせて選びます。

 

ネクタイのサブスクリプションサービスは2種類。6か月の間に6本届くもの(最初に3本、3か月後に残り3本を配送。99ドル)と1年に12本(3か月ごとに3本配送。199ドル)届くものがあります。1本あたり99~199ドル(約1万円~2万円)程度なのでプレゼントにも○。The Tie Barは冠婚葬祭用のネクタイも幅広く取り揃えており、1本から購入も可能。シャツや靴下、パンツ、ポケットスカーフなども販売しており、トータルコーデイネートもできます。

3:MeUndies

見えないところのオシャレにこだわるなら「MeUndies」という下着のサブスクリプションサービスがあります。Instagramでユニークあふれる下着姿やパジャマ写真が多く投稿されるようになって人気が上がり、28万人を超えるフォロワーを集めています。初回の注文ではタイプ(ボクサーブリーフ、トランクス、ボクサー、ブリーフの4種類)やサイズ、色、柄を選択。次回以降は再度初回と同じものを選ぶか、初回の注文を参考にMeUnidiesが選んだものを届けてもらう仕組みです。

 

デザインも豊富なうえ、季節限定のアイテムも取り扱っているので、パンツ選びが楽しくなりそう。価格は1か月あたり16ドル。サブスクリプションのメンバーは通常よりも低い価格で製品を購入できるほか、次回の注文を停止したり、定期購入をキャンセルしたりすることもできます。下着以外にも靴下やパジャマ、さらに女性用のアイテムもあるので、カップルや家族でお揃いのものを買うのもいいかもしれません。

 

4:Hopsy

ビール好きの家飲み派には「Hopsy」が人気です。SNS広告でのチュートリアル動画から知名度と人気が出て、再生回数も5万回超え。こちらは初回にビールと「SUB Home Tap」と呼ばれるドラフトサーバーが送られてきます。あとは専用ビールタンクをマシンに設置し、チューブを入れて、グラスに注ぐだけ。特別なメンテナンスも不要なので、届いたその日からフレッシュな生ビールを自宅で簡単に楽しめるんですね。

 

醸造所と直接契約を結んでいるおかげで、HopsyにはIPA、ラガー、スタウト、ピルスナーなど多くの種類のビールが用意されています。これらは自分で選ぶことも、好みに合わせてチョイスしてもらうことも可能。価格はサーバー1台とビールタンク(約2L)2本とグラス2個がセットで$239.99(100ドルの値引きをするセールがお得)です。

5:Try the world

「旅行に行きたいけど、休みが取れない」というビジネスパーソンの間で人気を集めているのが「Try the world」。好みのテーマで、いろいろな記事や動画が見られる「Pinterest」のアプリ広告で火がつきました。世界の国々から毎月1か国にスポットを当て、その国独特の食材や調味料が7〜8個、雑誌と一緒に届きます。雑誌にはその国や食材、おいしい食べ方などが掲載されており、Try the worldのサイト  ではバックナンバーも読めます。価格はスナックのみで1か月19ドル、ほかは35ドルから。

 

まとめ

日本でも昔から新聞や雑誌の定期購読などはありますが、この分野で先を行くアメリカではメディアや通信、医療、ヘルスケア、金融業界などにもサブスクリプションサービスが広まる一方、定期購入を新たな趣味探しのきっかけとして定期購読を使う人も出てきています。サブスクリプションサービスが欧米や日本でこれからどのように発展するのか。来年もここから目が離せません。