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2020/2/25 18:30

注射針がうまく刺さらないことによる損失は年4400億円! 「採血ロボット」が注射のイメージを変える

健康診断でも行われることがある採血。さまざまな病気を診断する際によく行われている医療行為ですが、そんな採血を自動で行ってくれるロボットが開発されました。注射は人間の看護師が行うのが当たり前でしたが、将来はロボットが担うようになっていくのかもしれません。

 

注射針がうまく刺せないと巨額の損失を生む

↑ロボットに注射してもらうほうが痛くない?

 

採血や点滴で時々起きるのが、静脈がうまく見つからず何度も針を刺すことになるようなケース。腕にはっきりと静脈が浮き出ればわかりやすいのですが、血管が細い人などは採血や点滴がスムーズにできず、繰り返し針を刺されて痛い思いをしたことがある方も多いかもしれません。そんな失敗事例は、静脈が腕に見えない患者では27%、触っても静脈がわからない患者の場合は40%、やせたり衰弱している患者では60%にのぼるというデータもあります。

 

うまく静脈に注射針が刺さらなければ患者は痛い思いをして、注射恐怖症になりかねません。また看護師にとっても処置に時間がかかってしまうとその分だけ他の患者さんのケアなどができないこととなり、その損失額はアメリカだけで年間40億ドル(約4400億円)になると算出されています。

 

そこで、 米ニュージャージー州にあるラトガース大学の研究チームは採血ロボットの開発に取り組みました。開発されたロボットには超音波画像誘導装置が搭載され、その画像から静脈の場所を確認し狙いをつけて針を刺します。

 

このロボットで採血を試したところ、静脈がはっきり見える患者25人については成功率は97%、静脈が浮き出ていない患者31人についても87%の成功率と、人間の看護師が行うのと同等の結果を出すことができたのです。

 

ちなみに、看護師によって痛みをほとんど感じないで採血してもらえる場合と、痛みを感じる場合がありますが、このロボットでのそのような細かい感想については明らかになっていません。

↑「採血ロボット」のプロトタイプ(Photo: Unnati Chauhan)

 

ただ今後はこのロボットに使われているAIをデータによって改良し、血管が見えにくい患者の採血や点滴も含めて、その精度を上げていくそう。どんなときもほとんど痛みを感じることなく採血や点滴してもらえるようになれば、患者としてはさらにうれしいものです。

 

採血や点滴をロボットが行うとなると、恐怖心や冷淡なイメージを抱く方もいるかもしれません。しかし、正確かつスムーズに採血や点滴ができるロボットが実現すれば、注射嫌いの方も減っていくかもしれまんせんね。

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