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2020/5/16 21:00

スタートアップ聖地と言われたベルリンの最新テックは今どうなっている? 「eスクーター」の話

みなさんはじめまして。ベルリン在住の脱力系イラストレーター、ニッパシです! 本記事ではスタートアップ都市ベルリンのテック事情と、そんなテクノロジーを僕が日常で見て空想した「ちょっとした未来」をイラストとともにお届けします。

 

まず最近のベルリンについて。新型コロナウイルスの感染ピークを越したということもあり、市民の気がかなり緩んできているように見えます。例えば100人規模の集団デモがあったり、公園にもかなり人がいるそうです。とはいえ感染者はまだ0ではない状況なので、必要最低限の外出で「ステイホーム」を心がけたいと思います!

 

今回は昨年の今頃、外出が当然だったドイツで流行した「eスクーター」について懐かしさを感じつつ、振り返っていきます。

 

ヨーロッパでの導入は後発だったものの、やはり最高だったeスクーター

電動キックボードことeスクーターに初めて乗ったのは昨年の4月、ベルギーのブルージュへ旅行をした時でした。乗車した感想を一言でいうと、ドラゴンボールの「筋斗雲」に乗っているような感覚…! 滑らかにスイスイと移動できる感覚は、サーフィン、スケボーをやる身としてかなりツボな乗り心地でした。

 

そんな最高なeスクーターですが、ドイツでは法律的に認可されることが難しく、実はヨーロッパの他の都市に比べると導入がかなり遅れていました。そして旅行から一か月後の5月後半、ぼ~っと地元紙を眺めていたら「eスクーター導入可決」という見出しを発見。

 

「つ、ついにベルリンにもeスクーターがくるのか!」とテンションはブチ上がり! しかも導入されるのは割と直近の6月中旬ということで6月20日を過ぎたあたりからは、ずっとソワソワしてましたね(笑)いざ導入されれば、ベルリンでは空前のeスクーターブーム! 季節もちょうど良い時期だったので、市民も旅行者もみんな乗り回していました。一時は路上にeスクーターが置いてあると、「オッ!あったぞー!」と言わんばかりに若干取り合いの状態にも(笑)

 

みんなが待ち望んでいたeスクーターですが、その後ベルリンでは「ある変化」が起きていきました。その様子をイラストにしたものがこちら!

 

eスクーターは大好評のはずなのに、なんだか不穏な様子が見えますね。このイラストで描かれている様子をお話していきます。

 

ぞんざいな扱いを受ける悲しいeスクーターたち

そして夏も終わり10月頃になると、なんと街中に倒れて放置されているeスクーターがちらほら目立ちはじめました。

↑道端で倒されたまま放置されているeスクーター

 

これはeスクーター反対派の市民の仕業でしょうか? というのも導入されてすぐの話ですが、クルマとの接触で死亡事故があり、設置に反発しはじめた市民がいたのです。あとは最近、トンデモなところに置かれたeスクーターも発見しました。

↑これなら路上駐車にはならない…なんて考え方なんでしょうか?

 

飽きられるの、ちょっと早すぎじゃないですか? 冬になり極寒でeスクーターに乗る人が激減したのも、放置車両が目立つ要因の一つだと思います。数か月前まであれだけ人気者だったのに、こうも虐げられている姿を見ると、なんだか悲しいものがありますね。そして春になりやっとまた活躍する季節がやってきたのに、コロナでダブルパンチ。eスクーター普及の道はますます厳しそうです。

 

未来のeスクーターを勝手に空想!

そんな悲しい感じになっているベルリンのeスクーターですが、今後はこんなスクーターが出たらまたフィーバーが起きるんじゃないかと思います!

最初に乗った時に筋斗雲に乗った感じがしたので、空気で浮くこんなスクーターが出て欲しいな~と思いました! というのもヨーロッパって、路面が石畳なことが多く、そこを通るとけっこう腕がもってかれるんですよ…。あとこれはベルリン限定ですが、路上に犬の“お土産”やゴミが散乱しているので、回避がほんと大変! なのでこんな空中移動ができて、しかも勝手に充電兼収納場所に戻ってくれるようなeスクーターが一般化したら、これまでの問題も解決できるんじゃないかな~と思います!

 

他にも、道に倒れたまま放置されて危ない状態を避けるためにコンパクトに駐輪できたらいいかなとか! 駐輪所が充電ステーションを兼ねていて、万が一乗り捨てられてもロボット掃除機みたいに自動でステーションに戻っていくとか便利じゃありません?

 

イラストで描いたのは空想ですが、こういった未来感あるモノを生み出す可能性があるのもスタートアップが集中しているベルリンではないかと思います。eスクーターを爽快に乗れる日が待ち遠しいです!