慈善活動もする国民的ヒーロー
そんなジョーの爆発的な人気にテレビ局も注目。BBCとチャンネル4の2局から「PE with Joe」の番組放送打診が舞い込みました。しかし、ジョーはその魅力的な依頼をキッパリと断っていたことが4月半ばに判明。テレビ局の枠にとらわれず、世界中の子どもたちにエクササイズを届けたいという思いからの決断だったそうです。
さらに特筆すべきは、ジョーがYouTube動画によって得た 9万1000ポンド(約1216万円)にものぼる広告収入などの利益を、イギリスの国民医療機関NHSへ寄付したことです。このニュースはイギリス国内だけでなく、アメリカのメディアでも大きく取り上げられました。
マスクや医療用防護服などの深刻な品不足で英国政府の責任が問われているなか、国民の間では医療従事者に対する感謝が大きく広がっています。イギリス人はもともと慈善活動に熱心なこともあって、ジョーがNHSに贈ったこの「善意」は人々の心に深く響いたようです。
ジョーはロックダウン前からフィットネスインストラクターやタレントとして活躍し、エクササイズと健康に関する活動をいろいろ行ってきました。すでに多くのファンを獲得していましたが、コロナ禍における社会貢献によってその知名度と影響力はますます高まり、いまではイギリスの国民的ヒーローのような存在になったといえます。
日本とイギリスにはこの時期8時間の時差があるため生配信は日本時間の夕方になりますが、アーカイブ動画には公式チャンネルからいつでもアクセスできます。日本の皆さんも本場イギリス英語の勉強を兼ねつつ、リモートワークによる運動不足解消や子どもとのコミュニケーション手段としてPE with Joを試してみるとよいかもしれません。
執筆/ハモンド綾子