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2020/7/21 18:30

ペンギンの糞から「笑気ガス」。環境的にはそんなに笑えないかも……

南極に生息するペンギンの糞から大量の笑気ガスが排出されている——そんなユニークな論文が先日発表されました。しかもこの研究を行うため現地に行った研究者たちは、笑気ガスのせいで、頭痛になったり若干おかしくなってしまったのだとか。笑気ガスとはいったい何なのか? そしてなぜペンギンの糞からな笑気ガスが排出されるのでしょうか?

 

医療現場で使われる笑気ガス

↑「ねえ、オナラした?」

 

笑気ガスとは亜酸化窒素のこと。このガスを吸った人はリラックスして、心地よくうっとりする気分になると言われています。その効果を利用して、医療現場では麻酔用として使われており、特に歯科医院でよく利用されているそう。

 

そんな笑気ガスが南極沖に浮かぶサウスジョージア島で群れをなして生息するオウサマペンギン(別名キングペンギン)の糞から大量に排出されていることを、デンマークのコペンハーゲン大学の研究チームが突き止めました。現地で数時間にわたって調査を行っていた研究チームのメンバーは、大量のペンギンの糞に囲まれていることで気分が悪くなったり頭痛になったりした人もいたそうです。

 

ではなぜ、オウサマペンギンの糞から笑気ガスが排出されるのでしょうか? 研究チームによると、ペンギンが主食とする魚やオキアミには窒素が多く含まれており、これが糞にも含まれ、そして土壌のバクテリアによって窒素が亜酸化窒素に変換されるとのこと。

 

環境問題とも関連

この笑気ガスが話題を集めている理由のひとつには、それが環境破壊につながるということもあるでしょう。亜酸化窒素はオゾン層を破壊する温室効果ガスのひとつであり、環境への負荷は二酸化炭素の300倍にもなると言われています。しかも今回見つかったオウサマペンギンの糞から排出される笑気ガスはとても濃度が高いそうです。

 

ペンギンの糞から排出されている亜酸化窒素の量は、地球全体のエネルギーから考えれば少ない量かもしれないですが、今回の発見が地球環境に与える影響を今後調査するうえで役立つと期待されます。

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