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2020/9/9 20:30

「痛みがわかる人工皮膚」の開発に進展! 人間の感覚に一歩近づいた

これまで人工皮膚がなかなか再現できなかったのが、痛みを感じる力です。病気やケガで人工皮膚を実際に身につける人が痛みを感じることができなければ、身体に危険が及ぶことも。しかし、人工皮膚の研究者たちはそんな状況を変えつつあります。最近、オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学研究チームが痛みに反応する人工皮膚のプロトタイプを開発しました。

↑熱や痛みがわかる第二の皮膚

 

皮膚は強く押されたり、熱いものや冷たいものに触れたりしたときに痛みを感じます。そこでこの研究チームは、圧力と熱を検知する人工皮膚の開発に挑戦。そこで利用されたのが、これまでに同研究チームが開発し特許を取得した次の3つの技術です。

 

(1)熱に反応して変形する素材

(2)シールのように薄く破れにくく透明の電子機器

(3)昔の情報を記憶して思い出す電子記憶細胞

 

圧力を感じる人工皮膚には(2)と(3)の技術を組み合わせ、熱を感じる人工皮膚には、(1)と(3)の技術を組み合わせ、痛みを感じる人工皮膚には(1)(2)(3)のすべての技術を応用しました。これらの人工皮膚は、圧力や熱、痛みが一定の値に達すると反応する仕組みになっています。しかも、見た目にも人の皮膚とほとんど変わらず違和感のない薄さで、人の手に張り付けたときも皮膚と一体化して見えます。

 

刺激の大きさを判別可能

これまでにも痛みを感じる人工皮膚の開発は世界各国で行われてきましたが、痛みの度合いごとに電気信号を使用するものが多かったそう。しかし、今回開発された人工皮膚は圧力や温度などに対して反応するもの。例えば、とがったものに軽く触れる程度なら痛みは感じませんが、強い力で触れたら痛みが生じるというように、刺激の大きさによって痛みの有無を判別するように設計されています。実際の生活で起こり得る場面に即して応用できる技術になる可能性があります。

 

私たち人間は、物に触れてその温度や質感、材質などを想像することができますが、人工皮膚にはそんな感覚的な技術も求められていくのでしょう。今回の開発は、義手や義足などの技術に応用されるものと期待できそうです。

 

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