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2020/10/14 18:30

人類の犠牲にーーワクチン開発で25万匹のサメが危機に

新型コロナウイルスのワクチン開発が進むなか、専門家が警鐘を鳴らしているのがサメへの影響。ワクチンの開発でサメが危機に瀕しているそうなのです。一体どういうことなのでしょうか?

 

ワクチン製造に使われるサメの肝油

↑サメとワクチンの関係とは?

ワクチンの開発には、サメの肝油から抽出される「スクアレン」という原料が「アジュバント」として使われる場合があります。アジュバントとはワクチンの効き目を高める働きのある物質で、これまでに製造されたいろいろなワクチンにも採用。

 

また、アジュバントにはワクチンに含まれる抗原の量を減らして、免疫力の低い乳幼児や高齢者への効果を改善することなども期待できるそう。それに加えてワクチンに必要な抗原量を少なくできるため、一度に大量のワクチンを製造しなければならない場合でもワクチン数を増やすことにもつながるそうです。

 

保護団体Shark Alliesによると、1トンのスクアレンを抽出するためには2500~3000匹のサメが必要とのこと。そして地球上のすべての人に1回ずつ接種できる量のワクチンを製造するためには、約25万匹のサメが必要となるそう。もし2回分のワクチンなら、50万匹のサメが犠牲になる計算です。

↑保護かワクチンか

 

薬事規制専門家協会とWHO発表のデータによると、現在開発が進んでいる176種のワクチンのうち17でアジュバントが使用され、そのうち少なくとも5つのアジュバントにサメ由来のスクアレンが使用されているとのこと。実際、イギリスの製薬会社グラクソ・スミスクラインは、インフルエンザのワクチンにスクアレンを使用しており、新型コロナのワクチン開発に10億回分のアジュバントを製造すると発表しています。

 

今後のワクチン開発の状況と世界の需要次第で、実際にどの程度のスクアレンが必要となるのか不明ですが、人のために特定の種族の魚を必要とするというのは、なんだか矛盾する話に聞こえるかもしれません。

 

ほかの魚に比べてサメは繁殖が遅く、なかには個体数が減っている種類もあります。またこれまでに、フカヒレを目当てにしたサメの乱獲が問題になったこともあり、新型コロナのワクチン開発によって、再び乱獲が起きることも不安視されるでしょう。

 

もちろん新型コロナに対して有効で安全なワクチンができることは待ち望まれることですが、植物由来の原料などスクアレン以外を使ったアジュバントの製造が進むことにも期待したいですね。

 

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