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2022/1/28 6:00

手術後の死亡確率が32%も高い! 実は危険かもしれない「男性外科医×女性患者」の組み合わせ

もし女性の患者が外科手術を受けるなら、男性の医師ではなく女性の医師にお願いしたほうがいい? そんなことを考えざるを得ない研究が、最近発表されました。性別の組み合わせで、外科手術の結果が異なるというのです。

↑ひょっとして危険な組み合わせ?

 

カナダのトロント大学医学部の研究者たちは、患者と外科医の性別の組み合わせにより、手術の結果に違いがあるのかどうかを調べました。対象としたのは、同国のオンタリオ州で過去12年間に耳鼻咽喉科、形成外科、泌尿器科などの外科手術を受けたおよそ132万人。

 

まず、医師と患者の性別を調べると、患者と医師の性別が同じケースは約60万件(男性外科医×男性患者は約51万件、女性外科医×女性患者は約9万件)あった一方、患者と医師の性別が異なるケースは約72万件(男性外科医×女性患者は約67万件、女性外科医×男性患者は約5万件)ありました。

 

その中で、外科手術後に合併症などを発症したケースの数は、全体の14.9%となる約19万件。そして、この“異変”が起きた確率を医師と患者の性別で調べてみると、「男性外科医×女性患者」の組み合わせが多かったのです。

 

女性外科医が同じ手術を女性患者に行った場合と比べてみると、合併症が起きる確率は16%、再入院の可能性は11%高まっていました。しかも手術後30日間に死亡する確率は32%に上っていたのです。

 

女性外科医を増やせ

今回の結果を受けて、調査を行った研究チームは「あくまでも集団レベルの結果であり、特定の男性外科医を否定するものではない」と慎重にコメントしています。性別の組み合わせと手術結果の因果関係はそれほど単純ではありません。実際には複雑な要因が絡んでおり、例えば、医師と患者のコミュニケーションや手術前後のケアなど、多面的な分析が必要。

 

ただ、今回の研究成果は、多様性の観点からも意義があります。研究対象となった医師は計2937人で、そのうち82%が男性医師、18%が女性医師でした。外科医の8割が男性で占められており、今回の研究結果は女性医師を増やすことの重要性も示しています。

 

性別による違いが手術結果に影響を及ぼすことはあってはならないことだけに、医学界はこの事実から目をそらさずに研究を続けることが大切だ、と本調査を行ったトロント大学の助教授は述べています。

 

【出典】Wallis CJD, Jerath A, Coburn N, et al. Association of Surgeon-Patient Sex Concordance With Postoperative Outcomes. JAMA Surg. Published online December 08, 2021. doi:10.1001/jamasurg.2021.6339 

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