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2022/3/7 6:30

40歳で変えれば10年も違う! 食べ物で「寿命」はどれくらい変わるのか?

「脂っこい食事より、野菜中心の食事のほうが健康に良い」ことは常識ですが、実際に健康的な食べ物は寿命にどれくらいの影響を与えるのでしょうか? この問題を調べるノルウェーの大学が先日、論文を発表し、新しい計算機を開発したことが明らかになりました。

↑食べ物で寿命はどれくらい変わる?

 

ノルウェーのベルゲン大学の研究チームは「世界の疾病負荷研究(Global Burden of Disease Study: GBD)」を使って、食べ物がどのように寿命に影響を与えるかを簡単に試算できる計算機を開発しました。このデータは、152の国や地域にある1100以上の大学・研究所・政府機関に勤務する5600名以上の研究者たちで構成されたグローバルネットワークにより作成され、さまざまな国や地域における死因や疾病、傷害、リスク要因を分析しています(※)。ベルゲン大学の研究チームによれば、食事と健康に関する先行研究では、さまざまな食べ物や食事の仕方がばらばらに調べられており、有機的につながっていなかったそう。彼らはそんな課題を乗り越えようとしました。

※世界の疾病負荷研究については、保健指標評価研究所(IHME)の資料(以下リンク)を参考。

https://www.healthdata.org/sites/default/files/files/Projects/GBD/GBD-2019-News-Release_Japanese.pdf (2022年2月24日閲覧)

 

この計算機は、これまでの食事の内容とこれからの食事の内容を設定することで、どのくらい寿命が増減するかを調べます。例えば、最も寿命を延ばす食べ物の1つである豆類は、男性なら平均2.5年、女性は平均2.2年延びるとプログラムされています。寿命を延ばすほかの食材には、全粒穀物・ナッツ・果物・野菜・魚などがあるそう。逆に、寿命を縮める食べ物には肉類・加工肉・卵・砂糖入り飲料、精製された穀物などが挙げられています。この計算機では、豆類を摂取する量を多くすれば寿命が増え、加工肉を摂取する量が増えれば寿命がマイナスになり、それらをすべて差し引きして、寿命がどのくらい増減するかを弾き出すのです。

 

この計算機では場所を設定しますが、同研究チームはアメリカ、ヨーロッパ、中国を選んでリサーチしました。すると、肉や乳製品の摂取が多い欧米型の食生活だった人が、20歳から肉や加工肉の摂取量を減らして、豆類・ナッツ類・野菜・魚を食べる量を増やせば、男性は13年、女性なら10.7年も寿命が延びると算出されます。食生活を変える年齢が遅ければ遅いほど、寿命への影響は小さくなりますが、それでも60歳で食事を変えれば、男性は8.8年、女性は8.0年延びるそう。40歳で変えれば、約10年も長生きできるようです。この調査はヨーロッパや中国でも行われ、同様の結果が得られたとのこと。

 

もちろん、寿命には食事以外に運動や生活習慣など、さまざまな要因が関係するもの。今回の調査は食べ物の健康への効果を有機的につなげたものですが、食べ物の変化が寿命に与える効果について手軽に数値化できるのは、食生活を見直すうえで役に立つかもしれません。

 

【出典】Fadnes LT, Økland JM, Haaland ØA, Johansson KA (2022) Estimating impact of food choices on life expectancy: A modeling study. PLOS Medicine 19(2): e1003889.https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1003889

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