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2023/3/24 19:30

米国で3倍以上も値上がりした「卵」。欧米人は卵ショックにどう対応している?

さまざまなものの価格が上がっているなか、身近な食材で値上がりが特に激しいのが卵。日本と同様にアメリカでも卵の価格が高騰しています。

↑食料危機の象徴

 

先日発表されたアメリカ農務省の報告書によると、カリフォルニア州では卵1パック(12個入り)の小売価格が、7.37ドル(約960円※)。1年前は2.35ドル(約306円)だったので、1年間で3倍以上に値上がりしていることになります。

※1ドル=約130.6円で換算(2023年3月24日現在)

 

ニューヨークのあるデリでは、以前は120個入りの卵の価格が40ドル(約5200円)たったのに、いまでは100ドル(約1万3000円)以上もするそう。ここでも卵の価格が2倍以上になっていることがわかります。

 

そんなアメリカにおける卵の価格上昇の原因は、サプライチェーンの崩壊や労働力不足。さらに2022年に5000万羽以上が死滅した鳥インフルエンザの発生も大きな影響を及ぼしています。これらの要因に加えて、ウクライナ侵攻による穀物のコスト上昇で、卵の飼料の価格が上がっていることもあります。

 

飼料の高騰は、主にロシアによるウクライナへの侵攻が影響を与えているとされており、これはアメリカに限らず、日本を含めて世界中で共通すること。さらに、鳥インフルエンザは2022年から欧州をはじめ世界各地で発生しており、新たに世界的な流行(パンデミック)が起きているとも言われています。

 

卵の代替案

そんな卵価格の高騰のなか、欧米では卵以外の食材で代用するアイデアも生まれています。例えば、イギリスのあるレストランではスクランブルエッグの代わりに豆腐を使って、スクランブルエッグ風に仕立てているそう。同じように、ひよこ豆をすりつぶして、野菜などと一緒にオムレツ風にして提供している店もあるのだとか。

 

また、お菓子づくりにも欠かせない卵ですが、マフィンやパンケーキではバナナをつぶして卵代わりに使うほか、プレーンヨーグルトやコンデンスミルク、牛乳なども卵の代用品になります。

 

ガソリンや電気などのエネルギー価格の世界的な高騰に加え、各国で起きている卵の価格上昇。これまでは冷蔵庫に「当たり前に」ある食材だっただけに、日常生活にとって大きな痛手ですが、さまざまな情報を参考にしながら、できる範囲で対策を始めていくことが大切かもしれません。

 

【主な参考記事】

CNBC. Egg prices increased 70% over the last year—here’s why. March 3 2023
The Gurdian. Egg swaps: a guide to plant-based alternatives amid UK avian flu crisis. November 8 2022
Southern Living. The Best Egg Substitutes For Baking. March 21 2023