雑貨・日用品
2020/12/19 6:30

「無印良品 東京有明」は単に広いだけじゃない。「暮らし」に寄り添う魅力を徹底解説!

【その5】街づくり。街全体を“自分の住まう空間”と捉えた空間に

また、無印良品 東京有明では【家づくり】だけでなく、地域と共創することを軸にした空間づくりも提案。主たるカテゴリーは「家(空き室)」「オフィス」「商業施設」「公共」の4つです。

家(空き室)

主に賃貸住宅に対して行うサービス。老朽化や過疎化、生活スタイルの急激な変化で増加する空き室に対し、リフォームを中心にした「場の価値」を高める空間活用方法を提供するもの。

 

オフィス

リモートワークや在宅ワークに合わせたオフィス拡縮など、「働く場」を根本から見直したい方に向け、オフィスリノベーションを提供するサービス。無印良品 東京有明には、実際にスタッフが働いている様子を直に見られる「見えるオフィス」のモデルもあります。

 

商業施設

商業施設をより居心地が良い環境に改善したい法人に向けてのリノベーションサービス。人々が集い、憩いたくなるイートインなどの共用スペース、ベビールームや従業員に向けた休憩スペースの設計も提供。

 

公共

駅、廃校、社宅、集合住宅共用部といった自治体や法人が所有する公共の遊休スペースを活用し、地域の人々が使うことができるコミュニティスペースを提案するサービス。これらに加え、無印良品 東京有明では【街づくり】の一環で、江東区と連携し環境に関する取り組みを積極的に行うほか、地元で活躍するさまざまなジャンルの人々と連携し、マルシェやイベントを開催していくとのことです。

 

店長に聞いた!これからの無印良品

ここまでの紹介を見てわかっていただける通り、無印良品の従来のサービスに対し、かなり大がかりな新サービス・商品が加わった無印良品 東京有明。最後にここに至った思いと経緯を、店長の松橋 衆さんに聞きました。

ーー「無印良品 東京有明」には、従来の無印良品に、大掛かりな新サービス・商品が加わったように思います。

 

松橋 衆さん(以下、松橋) 「感じ良いくらし」をテーマにしていますが、それは単に「居室が快適」という話ではありません。暮らしや街づくりと密接に結びついてこそのもので、スプーンから家まで、あるいは働く場から街のコミュニティまで、毎日の自分の“生活行動”を大きく捉えた住空間と、インテリア相談から収納・掃除のお手伝いまでを含めたものだと思っています。こういった理由から【暮らしのサポート】【家づくり】【街づくり】といった3つのテーマで、地域の役に立つ店舗にするため新サービス・商品を展開しています。

 

ーー特にこれまでの無印良品には「サポート」というサービスはなかったものです。なぜこのようなサービスを取り組むことになったのでしょうか。

 

松橋 少子高齢化、人口減少、地球環境の問題など現代の様々な課題に加え、新型コロナウイルス感染拡大で生活様式、働き方、消費行動には変化がありました。これらを踏まえると、これからの「小売り」というものは「単品商売」だけではなく「暮らし方」「働き方」を快適にするよう提案していく必要があると思っています。また、地球や社会が良い方向へ向かう空間全体、暮らしの提案もしていく必要があると考えています。

 

ーー特に近年、叫ばれているSDGs、サステナビリティへの意識はありますか?

 

松橋 無印良品が誕生した40年前、日本には「サステナビリティ」という言葉は浸透していませんでしたが、すでに当時から「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」という3つの視点を守り、実質本位の商品を作り続けてきました。その点では自然とSDGs、サステナビリティを実践していたと言えるのではないでしょうか。

 

最近の取り組みとしては、地球資源の循環化・廃棄物削減に向け、全店でのプラスチック製ショッピングバッグ廃止。プラスチック製が一般的な靴下やストールの陳列用フックを紙製に変えるなどをおこなっています。また、無印良品 東京有明で行っている食品や洗剤の“量り売りサービス”や、古着を回収した“リサイクル”、余った食品の回収を行う“フードドライブ”はゴミを減らすためのものです。自然とのより良い関係を目指す無印良品は、地球資源の循環化および廃棄物削減に向けて、これからもできることからすすめていきたいと思っています。

 

ーー40周年を迎えた2020年ですが、今後の取り組みについてお聞かせください。

 

松橋 無印良品では全国津々浦々で生活者に寄り添った地域での出店を加速するかたわら、東京や大阪などの「都市部の人口密集地」での大型店を展開しています。この目的は地域を超えた交流やコミュニティづくり、物販を超えたサービス提供や環境活動の推進です。生活者や企業・行政との共創を軸にしながら、地域や環境に役に立つプラットフォームになることを目指していきたいと思います。

↑無印良品 東京有明は、今年8月より開業したばかりの大型副業施設・有明ガーデンの中にあります

 

筆者は熱狂的な“無印ファン”ではありません。しかし、「無印良品 東京有明」の店内をめぐり、今まさに時代の境界にいるようなワクワクする気持ちを抱きました。無印良品の新しい試みから、今後の時流を感じることができるかもしれません。ぜひ一度足を運んでみてください

 

<SHOP DATA>

無印良品 東京有明

住所:東京都江東区有明2-1-7 有明ガーデン モール & スパ棟1-3F

営業時間:10時〜20時

定休日:不定休

※Cafe&Meal MUJI東京有明のラストオーダーは19時30分

 

撮影/我妻慶一

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