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2016/12/28 18:00

2016年絶好調だった”東大卒アイドル・桜雪”誕生の理由に迫る! 「もともとアイドル志望ではなかった」

もうすぐ2016年も終わりですが、年の瀬は音楽番組などでアイドルを見る機会も多くなるもの。紅白出場を決めた正統派清純アイドル「欅坂46」や、海外でも話題となった衝撃のメタル系アイドル「BABYMETAL」など、今年も新しいアイドルが躍進しました。

 

そのなかでも、じわじわと活躍の場を広げているのが、最強の地下アイドル(※)、「仮面女子」に所属する桜雪さん。彼女は、高校生時代より「受験生アイドル」として活動を始め、学業とアイドル生活を両立しつつなんと東京大学に合格。東京大学を卒業した後も、アイドルとして活動を続けています。

 

その頭脳を生かした鋭いコメントに加えて、真冬の川に容赦なく飛び込むなど、何事にも体当たりの姿勢が話題に。今年は「クイズプレゼンバラエティー Qさま!!」(テレビ朝日系)や「踊る! さんま御殿!!」(日本テレビ系)などの番組に続々出演し、さらにはインターネットテレビ局の「Abema TV」では報道番組「Abema Prime」のコメンテーターを務めています。

 

そこで、今回は絶好調だった2016年について桜さんに直撃! 今年1年を振り返るとともに、東大卒というキャリアを持ちながら、なぜアイドルになったのか? なぜアイドルという道を選び続けるのか? という彼女の「アイドル道」にも迫りました!

※地下アイドル:ファンと直接触れ合うライブ活動を中心として活動するアイドルのことを指す

Profile●桜雪(さくら・ゆき) アイドルグループ・仮面女子所属。 1992年生まれ。三重県出身。東京大学文学部卒業。高校3年生の夏、受験生アイドルとしてブログ「桜雪の東大一直線」(現・「桜雪の東大のすすめ」)を開設。1日10万PVを突破し、アメブロ受験カテゴリーで1位を獲得するなど一躍人気ブロガーに。2012年、東京大学文科Ⅲ類に合格し、アイドルユニット「OZ」のメンバーとしてデビュー。14年より「仮面女子」に所属、常設劇場「P.A.R.M.S」でのライブ活動などを精力的に行っている。16年3月、東京大学文学部卒業。

【Profile】

桜雪(さくら・ゆき)

アイドルグループ・仮面女子所属。

1992年生まれ。三重県出身。東京大学文学部卒業。高校3年生の夏、受験生アイドルとしてブログ「桜雪の東大一直線」(現・「桜雪の東大のすすめ」)を開設。1日10万PVを突破し、アメブロ受験カテゴリーで1位を獲得するなど一躍人気ブロガーに。2012年、東京大学文科Ⅲ類に合格し、アイドルユニット「OZ」のメンバーとしてデビュー。14年より「仮面女子」に所属、常設劇場「P.A.R.M.S」でのライブ活動などを精力的に行っている。

 

最初目指したのは「アイドル」じゃなかった!?

――そもそも、アイドルとしてのスタートは「受験生アイドル」だったということを伺ったのですが、アイドルを目指したきっかけを教えてください。

 

桜雪(以下、桜):もともと、アイドルを目指していたわけじゃなかったんです。学生のころ、ずっとNHK東京児童合唱団に所属していて、歌うことが大好きでした。その合唱団の引退後も、どうにかしてそのあとも音楽に関わりたい強い思いがあって……。そんなとき、いまの事務所の「音楽事業・タレント育成」の募集を見て、応募したのがきっかけでした。だから、いまの地下アイドルで活動している状況なんて、まったく考えてなかったですね。(笑)

 

――そこからどうやってアイドルの道に?

 

:事務所の方とお会いしたときに、「東大を受けようと思ってるんです」っていうことを話したら、「受験生アイドル」としてプロデュースしよう、っていうことを提案されたんです。「何をやるにもファンがいないといけない。まずアイドルからはじめて、ファンを掴みましょう」っていう説得に心を動かされて、アイドルとして活動することを決めました。

 

――そういう経緯で始まったアイドル活動ですが、今年で6年目を迎えました。活動をするうえで、戸惑ったことはありましたか?

 

:「ファン」という、人間関係のカテゴリーにすごく戸惑いました。私は自分を過小評価する癖があるんですけど、活動を始めた当初はそういう性格をファンの方にあからさまに言ってしまい、悲しませてしまうことがあって……。私はファンの方に支えられているけど、弱音や愚痴は言っちゃいけないんだ、っていうことが当時は衝撃でした。

やっぱり、アイドルである以上は誰よりも自分が輝いてるところをみせなきゃいけない。「ファンがいても、いなくても、わたしが一番ステージで輝いているんだ。プロのアーティストで、エンターテイナーなんだ!」という自己暗示をかけてステージに上がっています。でも、ライブ帰り道の電車のなかではいつも心の中で“ひとり反省会”状態なんです……。

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夢は叶う、叶えられる

――2016年は様々な地上波の番組に出演するなど、飛躍の一年になったと思います。これまでのアイドル活動を振り返って、特に印象深い出来事を教えてください。

 

:「仮面女子」の活動として印象深いのは、オリコン1位を取ったことですね。活動初期はお客さんがまばらなところでライブをすることも多かったんですが、スタッフやファンのみなさんから、こうやってライブをしていれば、いつかは1万人の前でライブができるようになるよ、って声をずっとかけて頂いていたんです。そしたら、とうとうそれが現実になった。夢って叶うんだ、叶えられるんだって。本当に貴重な体験をさせてもらえました。

 

個人としては、「踊る!! さんま御殿」に出演できたことが嬉しかったですね。憧れの、一流の芸能人の方と並んでトークをする、っていう経験に恵まれて、「ついにここまできたんだ……!」って。まさに感無量でした。

 

――今年は念願の著書、「地下アイドルが1年で東大生になれた! 合格する技術」(辰巳出版)も刊行されましたよね?

 

:そうなんです! 私の受験生時代を振り返りながら、自分なりの目標に向かって頑張るコツとか、考え方や工夫の仕方を詰め込んだ本なので、受験生だけじゃなく、社会人の方にも読んでほしい内容に仕上がっていると思います。受験のテクニックなども書いてありますが、私の幼少期からの話も書いたので、自分のルーツを再確認するキッカケにもなりました。

 

 

「東大卒」のアイドルだからこそ、できることがある

――また、今年は東京大学を卒業されましたが、卒業後もアイドルで活動することを選ばれたひとつの“転機”の年になったと思います。東大卒アイドルとして活動し続ける理由はなんでしょうか?

 

:私だからこそ、芸能界でできることがあるんじゃないかって考えていて。東大では、「理系が世界を作り、文系が世界を動かす」ということを言われる機会が何回かあったんですけど、私は理系でも文系でもない、「世界を楽しませる」という立ち位置で活動したいと思ってます。東大での経験を活かして、難しいことをエンターテインメントに混ぜて、みんなにわかってもらう、わかりやすく伝える……。そういう形で国際貢献できればいいなと思います。

 

――アイドル活動と並行して、就職活動もされたと伺ったのですが……。

 

:家族を幸せにしたい、親孝行しなきゃ、っていう気持ちや使命感はいつもありました。だから、就職活動もしてみたんですけど、ずっともやもやしていました。でも、いま自分にできることで、アイドル以上のものはない、と思って、アイドルを続けることを選びました。

元来、人を楽しませることが好きだったので、目の前で人の笑顔が見られる仕事ができているのは本当に幸せです。また、きっとどの職業についても思う気がするんですけど、「何が起こるかわからない」のがアイドルなんです。バラエティ番組に出演するとか、ライブするとかだけじゃなくて、すごくいやなバンジージャンプを飛ばされるとか、虫を食べさせられるとか、川に飛び込まされるとか!(笑)

普通なら絶対にしない体験をさせてもらえている毎日が本当に、本当に楽しくて……。こんなに自分の経験を面白く人に話せる職業はほかにないじゃないですか。だから、アイドルとしてできることがあるうちは、ずっと続けていきたいです。

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10月からは小池百合子東京都知事が塾長を務める政治塾、「希望の塾」にも参加するなど、芸能界を飛び出し、政治界にまでその活躍の場を広げている桜さん。いったいどんな「彼女にしかできないこと」を我々に見せてくれるのか、来年もその活躍から目が離せませんね!

 

写真/飯田かずな