ヨシムラヒロムの一階通信 第十五階 株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ
連載「一階通信」ではエントランス部分から見える企業の顔を取り上げる。一階にエントランスがない企業も多々あるが、それはご愛嬌。受付や入口があるフロアを総じて「一階」と呼び、エントランスから企業を紐解く。今回はKDDIウェブコミュニケーションズを一階通信させてもらった。
草木が満載のリラックス空間――ネタ不足?と思いきや悪魔のささやきが
外苑前から徒歩1分のビルが今回の目的地。そのザ・南青山的な洒落た建築物の10階に、KDDIウェブコミュニケーションズはあった。プロ野球シーズンともなれば、神宮球場からナイターの声援が聞こえるだろう。
本連載では、毎回、名の知られた一流企業を取材させていただく。案内してくださるのは広報の方々なのだが、一流企業の広報に選ばれるだけあって、それはそれは人当たりの良い方ばかり。毎回気持ちよく取材をさせていただいている。
しかし、今回は広報室の川上さんとともに、史上初、なんと代表取締役社長・山崎 雅人さん自らが案内役を務めてくれた。ここからもサービス精神旺盛な社風が感じ取れる。
最初に会議室に通され(これも史上初!)、会社概要を説明していただいた。「CPI」というレンタルサーバー事業を中心に、無料でウェブサイトが作れる「Jimdo」、クラウド電話API「Twilio」、「g.o.a.t」といったブログサービスも取り扱っているとのことで、KDDIグループのなかでもベンチャー気質溢れる社風のようだ。また、今年9月に麹町から現在のビルに移転し、ハード、ソフトともに変革の最中。まさに、取材日和と言っても過言はない。
その後、早速エントランスを見学。が、正直書きどころがなかった……。草木が満載で客人がリラックスできる空間であることは間違えないし、曇りガラスから透けて見えるサーバーもクールだ。しかし、エントランスから企業の素顔に迫る本連載の立場からすると、見所が少ないというのも偽らざる本音である。
「受付は社内でシステムを作ったオリジナルのものです」とのことで、確かにスゴい。スゴいんだけど、ネタ不足感は否めない。そんな僕の表情に気づいたのか、山崎さんから悪魔のフレーズが。
「社内見ますか?」
社内を見ること、それはエントランスを特集する一階通信ではご法度。「エントランスだけで如何に面白く書けるのか」という縛りが、ライターとしての小さなプライドでもある。
「お客様には申し訳ないけど、新しいオフィスはエントランスよりも社内に力を入れたんですよ。“社員が気持ちよく働ける場所”がコンセプトなんです!」と誘う誘う。で、見事に僕はその誘惑に負けたのだ。
ということで、社内へ潜入。すすめるのにはそれだけの理由があった。
“働きやすい環境”に偽りナシの充実施設
最初に、入り口すぐ横にあるリラックススペースを拝見。毎週月曜日、隔週木曜日にカイロプラクティックの先生が来社し、30分1000円で社員の疲れを癒してくれるそうだ。「いつでも身体をほぐせるように」ということでマッサージチェアもあるとのこと。うらやましすぎる!
仕切りのないメインフロアに入ると、中央に電話ボックスが2つ。このスマホ全盛の時代、もちろんなかに公衆電話があるはずもなく。それではいったい何のために? と思ったが、集中して電話をしたい場合に入るそう。
続けて、駄菓子エリアを見学……って駄菓子エリア!? 少々驚いたが、小腹が空いた時に社員が買って食べるそう。「流石、KDDIグループだなぁ」と思ったのが、ビットコインで清算できるところ。他の企業も、ビットコインを導入しているのかが気になった。
社内を巡り、最後に見せてもらったのが新オフィスの目玉、通称「TEDスペース」。敷居で仕切られていない開放的な会議室だ。扇型に形成された空間の頂点が一段上っており、そこが舞台。周りを囲むように計40人ほどの席が配置される。左右には1台づつモニタが並び、それこそ「TEDスペース!」の名前に恥じない空間が演出されている。
山崎さんは「壁がないから、ここで誰かが発表していると自然と耳に入るでしょ。色んな部署のことを知ってもらうために作ったんですよ」と話す。
夜遅い時間など使ってない時はモニタで映画を流す時もあるそうで、あの“MAD MAX:FURY ROAD”が流れることも! 僕は確信した。「“MAD MAX:FURY ROAD”を社内で流すKDDIウェブコミュニケーションズは信用できる!」と。
社内の隅々まで案内してくださり、お世辞ではなく「働きやすい環境だな」と素直に思った。机を1つばかり間借りしたいほど、僕は気に入ってしまった。
【KDDIウェブコミュニケーションズの一階通信見どころまとめ】
1. 緑生い茂るエントランス
2.ビットコインが使える駄菓子エリア
3.TEDスペース