仕事に遊びにグルメにと、さまざまな経験を重ねた中年男性。それくらいの歳にもなると大なり小なり健康に関する悩みが出始め、健康診断を受ければ数値の高低に一喜一憂する人も少なくない。なかでも血圧は、健康状態を知るうえで大切なバロメーターのひとつ。だが血圧を測るのは年に一度の健康診断くらいで、“専用機器も必要なため、頻繁にチェックするのは難しい”というのが一般的なイメージだろう。
ところが、だ。最新の血圧計はそんなイメージを鮮やかに覆してくれる。軽くてスタイリッシュ、しかもスマホ連携機能までも備えており、習慣化すら容易にしてくれる。その筆頭が、オムロンの「上腕式血圧計 HEM-7600T」である。
そこで今回、当サイトや雑誌『GetNavi』で連載をもつほどのラーメン好きミュージシャン、サニーデイ・サービスの田中 貴さんを招聘! 年間600杯以上のラーメンを平らげる田中さんが、これからもおいしくラーメン生活を送れるよう、まずは血圧計を進呈。これが田中さんのラーメン生活にどんな作用を及ぼすのか、全3回で検証してみることにした。
【プロフィール】
田中 貴
サニーデイ・サービスのベーシスト。年間600杯以上を食べ歩くラーメン好きとしても知られ、TVや雑誌などでそのマニアぶりを発揮することも多い。バンドとしては2016年8月にリリースした通算10枚目のアルバム『DANCE TO YOU』に続き、2017年6月にはニューアルバム『Popcorn Ballads』を配信限定でリリース。Apple Music J-POPチャート第1位を獲得するなど話題となっているが、12月25日にCDとアナログ盤でリリースすることも決定。しかも同日には、今夏行われた日比谷野外大音楽堂公演の模様を収めたライブDVD「サニーデイ・サービス in 日比谷 夏のいけにえ」も発売。また12月18日には東京・LIQUIDROOM、12月21日には大阪・梅田CLUB QUATTROでワンマンライブが開催される。
新宿駅至近にある手間暇かけた珠玉の一杯が480円!
さて、なにはなくともラーメンである。だがラーメンといっても、ジャンルは多彩。数あるなかから、まずはオーソドックスな味わいの店に的を絞り、田中さんの著書「Ra:」で“東京を代表する大名店”と紹介されている店を訪れた。創業は1948年という老舗「若月」である。
店の立地は、乗降客数世界一を誇る新宿駅のすぐ近く。巨大ターミナルの再開発の波に飲まれず、店がひしめき合う遺産的なスポット「思い出横丁」の中にある。界隈には焼鳥店や大衆食堂など、多ジャンルの飲食店が軒を連ねる。そこにあって“自家製麺”と書かれた看板と、通り沿いに設置された鉄板から放たれる芳醇な香り。このただならぬ魅力に、多くの通行人が吸い込まれていく。そんな「若月」で、長年愛される名物が「ラーメン」である。
最大の特徴は自家製であること。いまや多くのチェーン店では、機械やセンターキッチンにより、原料費や人件費を抑えて量産されたラーメンが低価格で提供される。決して悪いことだとは思わないが、その何倍もの労力をかけ、スープや麺はもちろん、チャーシューやメンマもベテランの職人が丁寧に仕込む。これだけ真摯に作られた一杯が、チェーン店に引けをとらない480円。それが「若月」なのだ。
「最初に訪れたのは、上京してすぐの二十歳そこそこの時。西新宿から大久保に延びる『小滝橋通り』はいまでこそラーメン店が乱立していますが、当時は飲食店すらまばらでした。ただ、ビルの一角に中古レコード店が多くあって、連日のように通っていたんです。で、空腹になったらちょっと勇気を出して『思い出横丁』へ。そこで出合ったのが『若月』でした。オーソドックスな中華そばスタイルにしては太麺ってのが珍しく、妙に惹かれたんですよね」(田中さん)
機会があるごとに立ち寄っては食べて、時には飲んで。やがて田中さんは店主の竹内次作さんとも顔見知りになり、話すうちに独自のラーメン哲学に感服したという。
「時間をかけて手作りしているのは、味へのこだわりはもちろん、原価を下げるためでもある。メンマひとつをとっても、乾燥メンマから4日もかけて戻して手で裂くという労力を惜しまずやってるんだから、頭が下がる思いですよ。業務用の水煮メンマより、食感も風味もケタ違いにいいですし。また、最初は麺を業者に注文していたみたいなんですけど、小規模のお店だと細かいオーダーに応えてくれなかったので自家製を決意したんだとか。そこで、知り合いの先輩に習いに行って製麺を覚えたそうなんです。できるものは何でも手作り。昔は当たり前だったことをちゃんと続けて、その丁寧さから生まれる珠玉のラーメンが480円。新宿駅のすぐ近くにあってこのコスパのよさは、もう奇跡ですよ」(田中さん)
自家製麺を始めた当初は、その太さに「こんなのラーメンじゃない」、「うどんじゃないんだから」など散々の言われようだったとか。ところが、いまとなってはこの太麺こそが「若月」の“売り”。半世紀以上続く老舗も、昔は新進気鋭の挑戦者だったのだ。そしてその情熱は絶えることなく、日本はおろか海外のラーメンファンをもトリコにしている。
焼きそばと餃子で飲んで締めにラーメンというフルコース
「若月」には、もうひとつの看板メニューがある。それが序盤で軽く触れた、鉄板で作られる焼きそばだ。
狭小の空間ながら鉄板を備えており、抜群においしいラーメンに加えて絶品焼きそばも楽しめる。そんな魅力も、「若月」が奇跡の店といえる理由かもしれない。今回は卵入りを注文してみた。
「『若月』には“フルコース”といえる楽しみ方があります。それが、焼きそばと餃子をつまみながら酒を味わい、締めでラーメンという流れ。ただ、あんまり酒を追加注文しすぎると、『うちは飲み屋じゃないよ!』って女将さんにたしなめられちゃうかもしれないのでご注意を(笑)」(田中さん)
さて、ひと通り食べたあと、おもむろに血圧計を取り出す田中さん。「こんな場所で?」と思われるかもしれないが、この最新の血圧計は、一見してそうとわからないデザインをしており、さして違和感はない。
「僕は毎日ラーメンを食べているので、栄養バランスは大丈夫かなーって思ってたんです。でも血圧計があれば数値で体調管理できるので、この企画はありがたいお話ですね。最初は続けられるかなって思ったんですけど、数週間使ってみてすっかり慣れました。なんといっても軽くてコンパクト。操作も簡単だから、計ることへの面倒くささがまったくないんですよ」(田中さん)
テーブルなどに置いていても邪魔にならないので、血圧が気になったときにすぐ測定することができるのだ。
ちなみに、血圧と同時に測れる脈拍は、この日90前後とやや高め。食事をした直後に計ったことが影響していたのかもしれない。このように、一日のバイオリズムを知れるのも定期的に測っているからこそ。健康管理は、日々の自分と向き合うことが大切なのだ。毎日黙々と打ち続ける自家製麺が特徴の、「若月」のラーメンのように。
オムロン ヘルスケア
上腕式血圧計 HEM-7600T
血圧計本体とカフが一体化した、チューブレスタイプの上腕式血圧計。本体に腕を通して装着し、測定ボタンを押すだけで簡単に数値をチェックできる。腕に巻いたとき、正しい測定位置から多少のズレがあっても正確に測れるうえ、装着の向きを気にせず、左右どちらの腕でもスムーズに装着が可能。健康機器には珍しい、スタイリッシュなデザインや、有機ELによる視認性の高さも魅力だ。
http://www.healthcare.omron.co.jp/
【店舗情報】
若月
・住所:東京都新宿区西新宿1-2-7 思い出横丁内
・電話番号:03-3342-7060
・営業時間:11:00~翌1:00
・定休日:日曜
・アクセス:JRほか「新宿駅」西口徒歩3分
※同店は2018年1月に閉店しました。記事はすべて営業時の情報です
撮影/三木匡宏