本・書籍
料理
2016/6/9 0:00

サボっても、なぜか美味しくできちゃうオーブン料理

美味しいものが食べたいが、作るのは面倒くさい。
大きな声では言えないが、心の中ではいつもそう思っている私である。
趣味の欄に「料理」と書くほど、かつては料理が好きだったというのに、いったいどうしたというのだろう。
とくに最近、朝・昼・晩と3回食事を作る日が続いている。
「おはよう、眠いね~~」と、言いつつ、朝ご飯を食べ、スーパーに買い出しに行くと、すぐに昼ご飯で、片付けて、仕事していると、もう夕飯だ。実に、面倒くさい。
けれども、まずいものを食べるのは、絶対に嫌だ。
あぁ、この矛盾をどう解決すべきなのか?

 

 

 

外食は外食で面倒だし・・・

「外食すればいいじゃないの?」と、友達は言うが、外食っていうのは、美味しいし楽しいが、高くつく。
ちょっと素敵なレストランに行くと、チャージまでつく。
それに、これも大きな声では言えないが、スッピンというわけにもいかないので、一応は何か顔に塗り、ジャージを脱いで、ワンピースなんぞに着替え、ハイヒールなど履くと、もうそれだけで、あぁ、面倒くさい、作った方がましだと、なる。
家にいれば、風呂上がりのビールというパラダイスも満喫できる。
我ながら怠慢だが、これが私の現実だ。

 

 

サルボ恭子という方

サボることばかり考えていたせいか、『オーブンまかせでのっけて焼けばすぐごはん』(学研プラス・刊)の著者・サルボ恭子さんの名を私は最初「サボル」と、思い違いしてしまった。
オーブンまかせでごはんができるなんて、最高。元々、私はサボれるオーブン料理が好きだ。
よ~~し、私も明日からサボル暁子になるぞ!と思ったのだ。
が、しかし。
サルボ恭子は、サボってなどいない。
料理研究家の叔母に師事した後、フランスへ渡り、パリの有名ホテル「ホテル・クリヨン」で働いた経験を持つという。
それだけではない。
フランスの家庭料理も習得し、帰国後は、料理研究家のアシスタントをしながら研鑽を積み、独立してからは、料理研究家として活躍中だという。
サボるどころか、努力の人生ではないか。
ご主人はフランス人というから、彼女はマダム・サルボなのだろう。

 

 

来客だってこわくない

「こりゃあ、私みたいなサボることばっかり考えている者には無理か」と、いったんはあきらめたのだが、本を読んでみると、簡単で、美味しくできるレシピが満載だ。
早速、私もいくつか作ってみたが、信じられないくらい美味しい。
これなら、お客様がきても、こわくない。
来客があると、台所に入りっぱなしになって、会話に参加できないこともあるが、この本のレシピをメインにすれば大丈夫。
ワイングラス片手に、サラダやらオードブルを楽しんでいるうちに、放っておいても、オーブンが勝手に料理を作ってくれる。
いや、オーブンがなくても大丈夫。
オーブントースターでも、ちゃんとおいしい料理ができる。
必要なものは、食材と、オーブン用のグラタン皿だけだ。

 

 

ほんの一例を紹介しましょう

トライした料理はすべて大成功だったけれど、ここでは一番、簡単で、美味しかったものを紹介したい。
『オーブンまかせでのっけて焼けばすぐごはん』では、サブのおかずとして紹介されているが、十分、メインになりうるおいしさだった。その名も「スライスじゃがいものグラタン」。
白ワインやビールにもぴったり。

 

人数は3~4人前となっているが、2人で食べきれる美味しさだ。
レシピは以下の通り。

 

*まず、ジャガイモ(4個)の皮をむき、薄切りにする。スライサーを使ってもいい。
*水にさらしたジャガイモの水気をふきとったら、にんにくとともに耐熱容器にいれ、塩小さじ3分の2と黒こしょうをふり、生クリームをそそぐ。
*チーズをたっぷりのせて、オーブンに入れ、15分から18分、焼き上がったら、ふうふうしながらいただく。

 

 

試す価値があるレシピの数々

簡単で美味しいものというのは、言うのは簡単だが、やってみるとなかなか難しい。
しかし、サボらずに精進したサルボ恭子が編み出したレシピに従えば、サボっていても、おいしい料理を作ることができる。
毎日のことだから、なるべく簡単に、けれども、素晴らしく美味しいものを食べたい。そんなわがままな願いをかなえてくれるレシピの数々、是非、試していただきたい。

 

(文・三浦暁子)

 
【文献紹介】

オーブンまかせでのっけて焼けばすぐごはん
著者:サルボ恭子
出版社:学研プラス

オーブン料理というと難しそうに感じるが、実は中に入れてしまえば火加減を気にする必要もなく、手間いらずでとても簡単。材料を並べて焼くだけですぐに1品が完成する。日々のおかずからごちそうまで、オーブンまかせのレシピ集。

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