牛肉や鶏肉などの肉類、魚介類などを避けて、野菜や芋、豆などを中心とした食生活を送るベジタリアンの人口が世界で増えています。すべての食事をベジタリアンで徹底していなくても、よりヘルシーなものを求める動きが世界で起きており、そんな背景を受けて多くのファストフード店で肉不使用のメニューが開発されています。ケンタッキーフライドチキンの「ビヨンドフライドチキン」から、マクドナルドのベジタリアンメニューまで、海外ファストフード店で登場している代替肉を使ったメニューをご紹介しましょう。
米KFCの「ビヨンド・フライドチキン」
アメリカでは「KFC」の愛称で親しまれる、ケンタッキーフライドチキン。店名のとおりフライドチキンが看板メニューですが、2019年8月、代替肉100%のナゲットの試験導入が始まりました。メニュー名は「ビヨンドフライドチキン」。「フライドチキンを超えた」という意味で、植物性たんぱく質で作られています。ビヨンドフライドチキンの価格は1個1.99ドルで、従来のナゲットとほとんど同じ価格帯。発売初日には完売したことが、KFCのツイッターで投稿されています。同様の植物性たんぱく質で作られた骨無しウィングも6本6ドル、12本12ドルで、アトランタでの店舗で試験的に販売中。この店舗での反応次第で、このビヨンドフライドチキンが全米や世界のケンタッキーフライドチキンのメニューに登場することになるのかもしれません。
All of the Colonel’s @BeyondMeat Kentucky Fried Chicken has Kentucky Fried sold out. Yes, it is truly a Kentucky Fried Miracle. https://t.co/xvWRooeTjS pic.twitter.com/60g2YyaU9E
— KFC (@kfc) 2019年8月27日
米バーキンの「インポッシブルホッパー」
バーガーキングも2019年8月8日より、牛肉を使ったパテではなく、植物性のパテをはさんだ「インポッシブルホッパー」を全米で展開しています。こんがりと焼かれて見た目にもジューシーな雰囲気のパテは、牛肉で作られたパテそのもの。スライストマト、オニオン、レタス、ピクルスなどを重ねバンズではさみ、従来のハンバーガーと同じように食べられます。全米での販売に先駆けてニューヨークにオープンした「インポッシブルレストラン」では、多くのニューヨーカーがインポッシブルホッパーを美味しそうに頬張る姿が見られました。インポッシブルホッパーの価格は5.59ドルで、全米のバーガーキング店舗で、2019年9月5日までの期間限定販売です。
欧州マックの「ビーガンメニュー」
マクドナルドではビーガンメニュー導入の動きがさらに早くから見られ、2017年12月にフィンランドとスウェーデンで肉不使用バーガーの「マックビーガン」が販売されています。さらに19年1月には野菜ベースのラップサンドイッチをメインとしたハッピーミールをイギリスで販売開始。同年3月にはノルウェーのマクドナルドで、鶏肉不使用でニンジンやジャガイモ、コーンなどの野菜を原料にパン粉をまぶしてクリスピーに揚げたナゲットを販売しています。いずれもビーガンやベジタリアンへの意識が高いといわれるヨーロッパを中心とした展開になりますが、この波はいずれアメリカやアジアへのやってくるのかもしれません。
健康とは正反対と受け取られがちなファストフード店ですが、ここ数年でベジタリアンやビーガンへの注目度は急上昇。ヘルシーなメニューへの需要拡大で、これらの健康志向のメニューが日本にあるファストフード店でも注文できる日が近い将来やってくるかもしれません。