動物に触れあうことで心を落ち着かせたり癒したりすることから、ドッグセラピーとして医療の現場でも活躍している犬たちですが、自宅で犬を飼っている方はそんな犬たちの不思議なすごい力のメリットを受けていることがわかりました。犬を飼っている人は心血管系の病気になっても、入院後に死亡するリスクが低くなっていることが分かったんです。
犬の飼い主は心筋梗塞・脳卒中後の死亡リスクが低い
犬は毎日の散歩が必要な動物のため、犬を飼っている人は身体的な運動量が上がるメリットがあることは昔から言われていました。そして今回わかったのが、犬の飼い主は心血管系の病気になっても死亡リスクが低かったという事実です。
スウェーデンのウプサラ大学の研究者たちは、スウェーデン国内の患者登録記録から40~85歳の方で心筋梗塞や脳卒中の人のデータを割り出し、さらに飼い犬の有無のデータとも連携して分析を行いました。その結果、心筋梗塞によって入院した人の死亡リスクについて見てみると、犬を飼っている人はそのリスクが低いことが分かったのです。特に一人暮らしで犬を飼っている人の場合は、心臓発作などを起こして死亡するリスクは33%、脳卒中では27%低くなることが判明したのです。
これまでの研究でも、犬を飼っていると身体的な活動量が増えることが分かっていました。今回の調査では、心臓発作や脳卒中などの病気になった人の生活に犬が大きなメリットをもたらすことを証明することとなったのです。
病気になると退院してからも自宅で引きこもりがちになったり、社会から孤立したりしてしまい、心身の健康に影響を与えることも考えられます。しかし犬を飼うことで運動量も上がり社会とのつながりも感じられる生活が維持され、それによって死亡リスクが軽減しているとみられるのでしょう。犬と一緒に暮らしていると、コレステロール値や血圧の改善にもつながるという別の報告もあり、人間は犬から素晴らしい恩恵を受けているようです。
今回の調査結果では、犬を飼っていることで人間の寿命が延びることが証明されたわけではありません。ただ犬の温かな身体を触っていると癒しを感じ、犬のピュアな瞳を見ると心が洗われていくような気持ちになるものです。犬を飼っている方や、これから飼おうと思っている方は、ぜひ犬との生活や絆を大切にしながら暮らしていってくださいね。