ヘルスケア
2019/4/30 21:00

約97%の的中率! 「犬の嗅覚」がガンの発見に役立つことが判明

「犬の嗅覚は人間の1万倍も優れている」などと言われ、災害救助犬や麻薬探知犬など、嗅覚を活かして人間の暮らしを支えてくれる犬もたくさんいます。そんな犬の嗅覚に関して、ビックリするような研究結果が発表されました。それは、人間の血液の臭いからガンを発見するというもの。しかも的中率は97.5%と驚異的な数値でした。

 

ビーグル犬が肺ガン患者の血液を識別

アメリカの医療会社BioScentDxの研究者たちは、動物のしつけ訓練などに利用されるクリッカートレーニングというトレーニング法を受けた4匹のビーグルを使って実験を試みました。健康な人の血液と、悪性の肺ガン患者の血液の臭いをかがせて、それを識別できるように訓練を実施。その結果、1匹はトレーニングに積極的ではなかったのですが、残りの3匹については識別ができるようになったそう。その確率は、肺ガン患者の血液の場合は96.7%、健康な人の場合は97.5%という高さでした。

 

将来のガン早期発見に期待

この実験結果から犬の優れた嗅覚を活用する方法として2つが考えられると、この実験を行った研究員は話しています。1つは、ガンを発見するツールとしての利用。もう1つは、ガン患者の血液に含まれる、犬が嗅ぎとった化合物を見つけ出し、それを使ってガンのスクリーニング検査に役立てるという方法です。

 

日本人の2人に1人は生涯でガンになり、3人に1人はガンで亡くなっている現代。さまざまな治療法が進んでいますが、それでもガン対策として最も有効といわれるのは、早期発見です。だからこそ犬の嗅覚を利用して、人間の目や機械ではわからないような初期段階で、ガンの可能性について発見できるようになれば、人々の健康に大きな前進をもたらすことは間違いないでしょう。

 

この実験を行ったBioScentDxでは次に、乳ガン患者の呼気を訓練を受けた犬に嗅がせて、乳ガン患者について識別できるか実験を行う予定とのこと。いままでは見つけられなかったような病気も、将来はもっと早い段階でわかるようになりそうですね。