今年は自宅で過ごす時間が長いという人が大勢います。家のなかでの楽しみは、やはり食事。家庭料理に飽きが来た時には、食べ比べ企画でアレンジし、食卓を盛り上げてみるのはいかがでしょう。
自粛生活のため、家族3人顔を突き合わせて暮らしている我が家も、マンネリ打破の一環として、食べ比べ企画を行うことがあります。たとえば、家にある3種類のツナ缶を少しずつお皿に盛り付け、どれが塩気が強い、どの油が美味しいなどと家族で感想を言い合うのです。子どもたちは食レポをしているみたいで楽しいようです。
飲み比べもやります。3つの炭酸水を飲み比べ、どの炭酸が強いか、どれがのどごし爽やかかなどと語るのです。今度やってみたいと思っているのは、水の飲み比べです。何種類かのミネラルウォーターを比べ、味の違いを舌が感じるかどうかを試してみたいのです。こうした飲み比べや食べ比べをすることで、自分の好みをしっかり把握できるようにもなったと思います。
やってみると楽しい食べ比べ
食べ比べをすると、食卓が華やかで楽しくなります。感染症対策のため、家族といえども大皿での取り分けは控え、我が家は各自のプレートに食べ比べのものを盛り付けていますが、同じものが数種類並んでいるだけで好奇心も食欲もそそられるし、どれから手をつけようかと楽しいひとときとなります。
子どもたちも食べ比べには真剣に挑みます。まるで食品会社の研究員であるかのように、ここのは甘みがあるねなどと話している姿は可愛いものです。次はリンゴの食べ比べをしようなどと提案してくることもあります。何かを比べ、その違いを考えるという行為は、子どもの探究心を育てることにもつながるはずです。
食べる楽しみが広がる食べ比べ
こうした食べ比べの応用アイデアが『とにかく盛り上がる夜ごはん』(小田真規子・著/文響社・刊)にもいくつも出ていてうれしくなりました。たとえばレトルトカレーをそのまま食べるのではなく、3種類のものを食べ比べたら、ちょっとしたビュッフェ気分になるかもしれません。本ではチーズや卵やアボガドなどのトッピングも並べて楽しげなテーブルになっていました。
また、ソーセージを何種類か並べて食べ比べているページもありましたが、これもソーセージ盛り合わせのように見えて壮観です。お肉が好きな人だったらたまらない光景です。いろいろな形のトマトやプチトマトを食べ比べたり、梅干しやバジルなど多彩な具を載せたカナッペのような冷奴を食べ比べたりと、我が家でもぜひやってみたいと思えるアイデアが並んでいました。
食べ比べをするメリットとは
本書では、食べ比べは「今日は何も作りたくない」という時に行うことを勧めています。準備をあまりしなくていいのでラクだからでしょう。そしてコツは、値段に幅を持たせるということ。すごく高い品と安い品との違いを考えてみるのも面白いかもしれません。我が家では安いパスタソースと高級スーパーのパスタソースを比べたこともあります。
「スーパーで視野を広げて、いつもは買わないものもかごに入れてみましょう」とも書かれていました。自宅生活が長く、外食を控えめにしている時期に、普段以上にスーパーにお世話になった人も多かったかと思います。スーパーで、今まで買ったことがない味を仕入れてみるだけで、日常はちょっとした冒険となるのです。
食べものは、ついついいつも同じメーカーの同じ品を選んでしまいがちですが、たまにはいつもと違う味にチャレンジしてみると、新しい美味しさを発見できます。いつも同じ料理ばかり、と子どもに文句を言われた時は「じゃあ今日は食べ比べしてみようか!」と切り出してみれば、いつもと違う体験ができることは、間違いありません。
【書籍紹介】
とにかく盛り上がる夜ごはん
著者:小田真規子
発行:文響社
夜ごはん、パーティーにするとめっちゃラク! 平日も休日も、夜ごはんが革命的に楽しくなる! 「献立」じゃない、新しい夜ごはんスタイルを提案します。