発売されるたびに人気を博している、サッポロビールとファミリーマートのコラボレーション商品「ビアサプライズシリーズ」が5周年を迎えました。それもあって、新作はそのサプライズ=驚きをいつもより感じられるはず。ということで、今回は「サッポロ ビアサプライズ至福の香り」を深掘りレポートしていきます。
アメリカ原産の個性派ホップを2種使用
ビールメーカーがコンビニとコラボレーションする限定ビールは数あれど、シリーズ化されてコンスタントに新作が発売されるのはかなり珍しいケース。それだけ「ビアサプライズシリーズ」は好評ということでしょう。
しかも今回で第8弾目。個人的にも「そんなに出てたんだ!」と思いました。サッポロビール×ファミリーマートの限定品は年初に発売された「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」もおいしかったので(https://getnavi.jp/cuisine/567730/)、期待をもって試飲に挑みます。
新作の「ビアサプライズシリーズ」で気になるポイントのひとつが、「至福の香り」という商品名です。過去をさかのぼると「至福の余韻」や「至福の苦味」など、味わいの特徴をあらわしているのですが、今回は香りにフォーカスしているということでしょう。
ホップで注目すべきは、「シトラホップ及びモザイクホップ一部使用」という表記です。どちらもクラフトビールで多用される、アメリカ原産の個性が強いホップ。「一部使用」とのことですが、存在感はどの程度味わえるのか。さっそく飲んでみます。
セッションIPAに似た“ツンデレ”な風味とボリューム感
グラスに注いでみると、一般的なビールの黄金色。濃くも淡くもないので、使用する麦芽や熟成法などは一般的な造り方なのかもしれません。まずはプシュッと開けてひと口飲んでみます。
缶開した瞬間に「こりゃ普通のビールと違うぞ!」と確信できる鮮烈な香りが漂ってきました。鼻を近づけると、なんともフルーティかつフレッシュでハーバリー。このハーバル感は、グラッシー(草原的な青々しさ)なニュアンスも。
口にすると、このビールの特異性がいっそうわかりました。「シトラ」に「モザイク」と、柑橘やトロピカルな芳香性のホップでアッパーなフレーバーを立てつつ、ビールの味自体はとっつきやすい立ち位置。コクが深すぎずアルコール度数も5%で、ゴクゴク飲めるすっきりとした顔ももっています。
香りはかなりアロマティックでホップの苦みもしっかりめですが、そこまでどっしりとしたビター感ではありません。初夏を迎える季節であることも意識したのでしょうか。重すぎず、爽快さも感じられる味わいです。クラフトビールで例えると「セッションIPA」に近いのかなと思いました。
「セッションIPA」というのは、米国で特に人気のIPA(インディア ペール エール)のアルコール度数が低いタイプ(例:IPAが6%前後のところ、セッションIPAは4.5前後)のこと。IPAらしい柑橘フレーバーや苦味はありながらも、いい意味でガツンとしていなくて酔いにくいビアスタイルです(ただし「サッポロ ビアサプライズ至福の香り」は上面発酵のエールではなく下面発酵のラガーかもしれませんが)。
なお、これだけ豊かな香り付けをしていると、それだけホップなどの原材料費もかかるはずですが、「サッポロ ビアサプライズ至福の香り」は350mlで219円と良心的なプライス。期間限定とのことで、ビール好きの人は早めにファミマでゲットしましょう。