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2021/12/18 11:00

錦鯉「“ほかのM1ファイナリストよりも俺たちは寿命が短いから、出番はできれば早いほうがいいけど(笑)」【M-1グランプリ2021特集】

2年連続、M-1決勝直前に錦鯉がGetNaviwebに登場! 49歳と42歳で大ブレイクした“遅咲き芸人”長谷川雅紀と渡辺 隆からなる錦鯉。そんな2人の半生をまとめた自叙伝『くすぶり中年の逆襲』が現在発売中。幼少期の思い出や、錦鯉を結成するまでのそれぞれの芸人時代のエピソード、さらには一躍脚光を浴びてからの心境の変化などを軽快な2人の掛け合いで綴った本作。そこで、間もなく決勝を迎える『M-1グランプリ2021』を控える2人に、本の話、ブレイクしてからのこの一年、そして今年のM-1にかける思いをたっぷりとうかがった!

(撮影:干川 修 取材/文:倉田モトキ)

 

錦鯉●にしきごい…長谷川雅紀(1971年7月30日生まれ。北海道出身/ボケ担当)と、渡辺 隆(1978年4月15日生まれ。東京都出身/ツッコミ担当)によって2012年に結成。2020・21年には『M-1グランプリ』で決勝進出をはたした。昨年からテレビ番組の出演数が急上昇し、ネクストブレイクのタレントとして注目を集めている。今年10月には初の単独ライブ『錦鯉独演会「こんにちわ」』を成功させた。

 

【錦鯉さん撮りおろしカット】

 

ボクらって、一番身近にいる芸人だと思ってます

 

──先月発売になった初の自叙伝『くすぶり中年の逆襲』ではお2人が掛け合いをしながら半生を振り返っていらっしゃいます。どのエピソードも面白く、一気に読んでしまいました。

 

長谷川 嬉しいですね。幼少期の話とかはまだまだ入り切らなかったエピソードがたくさんありますよ。なので、もし第2弾があれば、そこでもたくさん披露しようかなと思ってます。

 

──こうした本を出すのは、やはり夢の一つとしてあったのでしょうか?

 

長谷川 ボクは以前から、50歳の節目として自分の年表を作りたいなと思っていたんです。そのタイミングで「本を出しませんか?」と声をかけていただけたので、本当にありがたかったですね。

 

渡辺 やっぱり、こうして本を出してもらえるというのは嬉しいものですね。それに、コンビを結成して10年近くになりますが、お互い知らなかったエピソードもたくさんありましたし。

 

長谷川 隆もあまり自分の思いとか気持ちを直接ボクに話すタイプではないので、この本を出すことで、M-1に対する心の内なんかを知れてよかったです。お互い様ですが、こういう機会がないとそれぞれがどう思っているかなんて、本当に分かりませんから。そこも本を出せて嬉しかったことの一つです。

 

──本のボリュームを見ても、かなり長い時間をかけてお2人で語り合ったんだなということが分かります。

 

渡辺 そうですね。でも、普通にしゃべっていたら時間が経ってたという感じです。相手が雅紀さんですし、そんな肩肘張らずにやっていたので。編集者さんには失礼な話かもしれませんが(笑)。

 

長谷川 でも、面白いのが、誰かと一緒に昔の話をしていると、どんどんと自分の古い記憶が甦ってくるんですよね。なので、もっともっと思い出したいなという思いになりました。当時、よくお会いしていた人と話をすれば、よりいろんな記憶が甦りそうですし。

 

──この本を読んで、「俺の話が出てきてないぞ!」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

渡辺 あるでしょうね(笑)。

 

長谷川 そう感じている方がいたら、ちょっと怖いですね(笑)。

 

──また、この自叙伝を読み、錦鯉のこれまでを知った上で改めて昨年のM-1を見返したら、笑いながらも、いろんなお2人の苦労が頭をよぎって、ちょっとウルウルしてしまいました(笑)。

 

長谷川渡辺 ははははは!

 

渡辺 そんな効果があるんですね。

 

長谷川 でも、決してボクらだけが特別なんじゃなく、知らないだけで、みんなにそれぞれ人生のドラマがあると思うんですよ。

 

渡辺 そうだね。決勝だけじゃなく、予選で敗れた芸人たちにもそれぞれの思いがあるだろうし。

 

長谷川 その中で我々は遅咲きだから、余計にドラマチックに見てもらえてるのかなという気はします。

 

──とはいえ、この本を読むと、苦労話からくる感動だけじゃなく、年齢を重ねているからこその深みのある言葉が詰まっているように感じました。

 

長谷川 それはあるかもしれないです。やはり、お笑いを始めた時と今とでは、考え方も180度違いますし。昔は、“芸人はこうでなきゃならない”みたいなこだわりがありました。でも、そういういろんなものがどんどん剥がれて落ちていったんです。かっこつけたってしょうがないし、威張っててもしょうがないと思えるようになって。

 

渡辺 それはやっぱり年齢を重ねてきたからっていうのはあるね。

──また、語られている言葉には、背伸びをしているところがなければ、おごりもなく、だからといって卑下しているところもない。お2人が常に読者と同じような目線にいるところにも親近感がわきました。

 

長谷川 本当ですか!? それはよかったです。ボクらも自分たちのことを一番身近な芸人だと思っていますから(笑)。だって、一年前まで普通にアルバイトに行ってたんですよ。本当に身近にいる芸人です。

 

渡辺 それに、成功した人やブレイクした芸人の本って、普通は“俺はこうやってきた!”みたいな成功談が書いてあるじゃないですか。でも、僕たちの本はほとんどが、“こうするな!”っていう内容ですから(笑)。

 

長谷川 そう。“いつまでも俺たちみたいにダラダラしてちゃダメだよ”とか、“売れるなら、若い頃のほうがいいよ”とか。かなり反面教師になると思います(笑)。

 

──でも、偏見かもしれませんが、大多数の人間がついダラダラしてしまう側だと思います。だからこそ、この本が沁みるんじゃないかと。

 

長谷川 なるほど〜。世の中、“明日やろう”ばかりなのかな。それだとボクらと一緒ですね。これは声を大にして言うようなことじゃないですけど、ボクらは今まで、人の何倍も笑いについて考えたり、汗をかきながらネタを考えていたかと言ったら全然そんなことはなくて。とても胸を張って言える人生じゃありませんでしたから。

 

渡辺 本当に胸張って言えることじゃないな(笑)。

 

長谷川 続けていれば、こうして注目されることもある。人生って面白いなって思います。

 

次の目標はテレビのレギュラー番組!

 

──ちょうど一年前にもお2人にはGet Navi webにご登場いただきました。その際に、「もっと若い人たちから支持されたい」とお話しされていましたが、ファン層に変化はありましたか?

 

渡辺 あんまり変わんない気がしますけどどうなんでしょう(笑)。

 

長谷川 嬉しいことにテレビの出演は増えまして、『おはスタ』やEテレとか出演したいですね。

 

渡辺 そのあたりから声は掛かからないだろ(笑)。

 

──でも、ドラマの『バイプレイヤーズ』が流行ったように、“可愛いおじさん”という見られ方もされていると思いますよ。

 

長谷川 そういうふうに見られてるのかなぁ…。全然意識はしてないですけど。

 

渡辺 仮に若い女性からそう見られていたとしても、一過性のものだと思いますよ。きっとどこかで気づくと思います。“やっぱ、ただのオジさんだったな”って(笑)。まあ、そっちのほうが我々としてはやりやすいんですけど(笑)。

 

──(笑)。また、その時のインタビューで『徹子の部屋』に出るのが目標だともおっしゃっていました。

 

長谷川 残念ながら、そこはまだですね。でも、もう一つの夢だった『タモリ倶楽部』には出させていただきました。

 

渡辺 嬉しかったね、『タモリ倶楽部』は。

 

長谷川 テレビ以外でも、今年に入ってからウェブCMを2本、地上波のCMを1本と、CMに出る夢が叶いましたし。

 

──こうして夢がいくつか叶った今、新たな目標などはあるのでしょうか?

 

長谷川 今はレギュラー番組を持ちたいと思うようになりました。以前はそんなこと思ってなかったんですよ。“月に1回ぐらいはテレビに出たいな”って思っていた程度だったのに、そんな男がレギュラー番組を持ちたいと思うようになって。人間って欲深い生き物ですね(笑)。

 

渡辺 僕は目標とかないんです。頂いた目の前のお仕事をしっかりやる。それだけなんです。ただ、目標とは少し違いますが、テレビの仕事がものすごく楽しいので、なるべくたくさん出続けていけたらなという思いはあります。

 

長谷川 やっぱりテレビだよね。ボクら世代は特にね。

 

 

初のM-1は「楽しんでこい!」の言葉で気持ちがラクに

 

──さて、間もなく今年のM-1決勝が行われます。まずは予選突破と決勝進出、おめでとうございます!

 

長谷川渡辺 ありがとうございます!

 

──昨年は初出場でしたが、初めて経験した舞台はいかがでしたか?

 

渡辺 4位という結果でしたので、終わった時は悔しかったですね

 

長谷川 もちろん優勝を目指してましたけどね。残念だったのが、出順が9番目だったことで暫定席に座れなかったんです。だから、今年は5番目以内の出順を狙いたいですね。それに、あの状況下で順番を待つのって、かなり精神的にツライんです。

 

渡辺 でも、順番が早ければ早いで、“いつ抜かれるか分からない”っていう別のドキドキがあると思うよ?

 

長谷川 いやぁ、それでもボクは先に終わらせたほうがいいなぁ。

 

渡辺 まぁ、そうか。ほかのファイナリストよりも俺たちは寿命が短いから、できれば早いほうがいいか(笑)。

 

──また、昨年初めて決勝進出が決まった時、喜びと緊張ではどちらが大きかったのでしょう?

 

長谷川 同じくらいですね。決勝進出が決まってすぐは、いろんな芸人仲間や関係者から言葉を掛けてもらって、すごく嬉しかったんです。しかもその際、「これで人生が変わるかもしれないぞ」とか「大一番だから外せないぞ」っていう激励をくれた方々がいる中で、タカアンドトシのタカやハリウッドザコシショウは「楽しんでこいよ!」と言ってくれて。その言葉で気持ちがフワッとラクになって、いつものライブ感覚で臨めばいいんだって思えるようになったんです。

 

渡辺 でも、本番ではものすごく緊張してたよね?

 

長谷川 そうなの。実際に舞台に立ったら口の中がカラッカラになって(笑)。舌が口の内側にひっついちゃうし、さらに歯がないもんだから、口の中がサハラ砂漠みたいになってた。行ったことないんだけどね、サハラ砂漠。

 

渡辺 じゃあ、ただの砂漠でいいじゃねーかよ(笑)。なんで、サハラ限定なんだよ。

 

長谷川 そうか(笑)。でもホント、体は正直だなって思いました。心では“楽しんでいこう”って思ってたのに、まったくそんな感じにならなくて。ただ、「楽しんでこい」というのはいい言葉だなって思いましたね。

 

渡辺 だってさ、そもそも「頑張ってこい」って言われて、俺らがそのとおりに動けるわけないじゃない?

 

長谷川 そうだね。散々頑張ってこなかったわけだし。

 

渡辺 その言葉で頑張れるんなら、若い頃にもっと頑張ってるって(笑)。

 

長谷川 たしかに(笑)。だからボクは今、これから何かに頑張ろうとしている人には、「楽しんで!」というようにしていますね。

──ちなみに、今年の決勝でやるネタはもう決めているんですか?

 

渡辺 何本かは候補を決めてますね。

 

長谷川 今年は二回戦、三回戦、準々決勝、準決勝と全部ネタを変えてるんです。それを踏まえた上で最終的に決勝をどうするかはこれから話し合って決めようと思ってます。

 

──去年はパチンコのネタを披露されていましたが、ギリギリまで悩まれたのでしょうか?

 

渡辺 いえ、2本とも準決勝でやったネタでいこうっていう一択でした。そうしたら、芸人仲間から「なんで、あのネタにしたの?」みたいなことを言われて(笑)。もちろん、2人で考えた結果なので、まったく後悔はしてないんですけどね。

 

長谷川 ネットでも、「他にもいいネタあっただろ」って書かれていたみたいですけど、結果的にあれでよりボクらを知ってもらえたところもあるしね。

 

渡辺 そうそう。

 

長谷川 最初は、ネタの意味が分からなかったのかなって思ったんです。なので、「面白かったです」って言ってくださった方にいろいろ質問してみたんですね。特に女性に「普段、パチンコされるんですか?」とか。そうしたら、「やったことないです。でも面白かったです」って言ってくださる方が多くて。小学生の子どももあのネタの動きをマネしてくれてるという話も聞きますし。それを思うと、設定とか関係なしに、インパクトは残せたんだなって思いましたね。

 

──今年もインパクトのあるネタを期待しています!

 

長谷川 ありがとうございます。口の中がサハラ砂漠にならないように気をつけて頑張ります(笑)。

 

渡辺 放送を楽しみにしていてください。

 

 

<自叙伝を楽しむための人生曲線>

↑長谷川雅紀さん直筆。大きな波が続く。2020年M-1決勝の舞台裏話は必見
↑渡辺隆さん直筆。10代後半まではずっと平均的

 

<2022年、結成10周年をむかえる錦鯉の2人に10の質問!>

Q01. 影響を受けたお笑い番組は?

長谷川 萩本欽一さんの番組すべてですね、物心ついてテレビを見て、最初に面白いと思ったのが欽ちゃんのバラエティ番組だったんです。どのレギュラー番組でも高視聴率を叩き出していて、“視聴率100%男”と言われていた時代で。まさしく、ボクのお笑いの原点です。

渡辺 僕は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』かな。初めて見たのが中学校くらいで。ダウンタウンさんのお2人が舞台上で立ちトークをしていて、その笑いのセンスに、子どもながら“すごいな!”って驚愕したのを覚えてます。永遠に見てられましたし、“(30分の)放送、終わらないでくれ!”って思ってましたね。

 

Q02. 自分にとって原点といえる場所は?

長谷川 札幌にあるライブハウスの「ペニーレーン24」。お笑いを始めて、初めて立った舞台なんです。今年、25年ぶりぐらいに行きましたが、懐かしかったですね。

渡辺 どこだろう…。実家かな(笑)。というか、まだ親父と2人で住んでるんですけどね。

長谷川 でもそれは、間違いなく原点と言える場所だね(笑)。

渡辺 思い入れのある場所とかないんだよなぁ。初舞台がどこだったかも忘れちゃいましたし(笑)。

 

Q03.「錦鯉」を形成する上で欠かせない、源流とも言える作品・モノは?

長谷川 ボクはコロコロコミックです。小学生の頃、大好きでした。藤子不二雄さんが好きだったんですが、それ以上に特定の作品というよりコロコロコミック自体が大好きで。あの存在がたまらなく好きだったんです!

渡辺 もう、わかったよ! 何度も力説しなくてもいいから(笑)。

長谷川 (笑)。お客さんにもよく「やってることがコロコロコミックみたいだな」って言われますし。

渡辺 僕の源流は…雅紀さんじゃないかな。この人ありきで錦鯉のネタを作ってますから。

 

Q04.「これだけはやめられない!」ということは……?

長谷川 直さなきゃいけないことなんですが、テレビや電気を点けっぱなしで寝ちゃうんです。だからか、全然疲れが取れなくて。ムダに電気代もかかりますしね。まぁ、電気代はいいとしても、地球全体で考えると…。

渡辺 急にエコにいくなよ(笑)。

長谷川 でも、本当にそろそろ直したい。夜中にテレビの音で起きちゃたりするし。

渡辺 いや、気をつけていれば、すぐにでもやめられるだろ、それは(笑)。僕はお酒かな。といっても、やめる気もないんですが(笑)。

長谷川 最近も飲んでる?

渡辺 おかげさまで忙しくて、飲む暇もなくなってきたけどね。ただ、年齢を重ねて、どんどんお酒が抜けづらくなってきてる(笑)。

 

Q05. 本番前に必ずすることは?

長谷川渡辺 ないなぁ。

長谷川 よく験担ぎをするとか聞きますけど、うちらは本当にないんです。

──験担ぎで毎日決まったことをすると、それをし忘れたときに逆に動揺するからあえて持たないという話も聞きます。

渡辺 いや、そういうのでもないんです。単純に何も考えていないだけです(笑)。

 

Q06. 10歳の頃はどんな子どもでしたか?

長谷川 ボクはマンガとゲームが大好きな子どもでしたね。今回の自叙伝にも載せましたけど、友達とマンガを描いたりもしていて。ゲームはゲームウォッチの世代なんです。そのあとにファミコンが出て、みんなで集まって遊んでました。

渡辺 野球をやってました。あと、ザ・ドリフターズをよく見ていました。『8時だョ!全員集合』や『ドリフ大爆笑』が大好きで。

長谷川 あの頃は、『全員集合』か『オレたちひょうきん族』かで分かれてたよね。

渡辺 そうそう。『ひょうきん族』は子どもの当時、ちょっと大人すぎて。ドリフは志村けんさんが本当に面白くてね。いかりや長介さんに本気で怒られていたりするの。それがだんだん怖くなくって、“志村、それ以上ボケないでくれ!”って思って見てたもん。“いかりやが怒るから、もうやめてくれ!”って(笑)。

長谷川 子どもだと、大人が本気で怒ってる姿は怖いよね。面白いんだけど。

 

Q07. 10万円分のプレゼントを贈るなら、誰に何を渡す?

長谷川 ボクは弟にパソコンを。なぜパソコンなのかは自叙伝を読んでいただければ分かると思います(笑)。

渡辺 …僕は親に現金かな。

長谷川 一番実用的だね(笑)。

渡辺 商品券とかよりは現金のほうがいいかなと思って。親子だと特に。

 

Q08. 相方の「ココがすごい!」と思うところは?

長谷川 自然体なところですね。今回のインタビューでも、「何もないんです」とか「考えていないです」って、すごく正直に答えるじゃないですか。それってなかなかできることではないと思うんですよね。結構、勇気のいることですし。

渡辺 雅紀さんのすごさは……よく、こんなバカで50歳まで生きてきたなっていうところかな(笑)。運なのかどうかは分かりませんが、本当にすごいことですよ。

長谷川 たしかに、運がいいというか、まわりに恵まれていたというのはあるかもしれない。というのも、今年、生まれて初めてテレビを買いました。上京してからはテレビも洗濯機も冷蔵庫も、なんなら服とかも全部もらいものばかりで。自慢じゃないけど、お店で買ったことがあるのはメガネと靴だけだったから。

渡辺 それ、自慢じゃねーよ(笑)。“自慢じゃないけど”っていうのは、本当は自慢したい時に使うんだよ。

長谷川 あ、そうなの? 使い方間違ってる?(笑) そんなボクが今年は家電屋さんでゲームとテレビとレコーダーを買いました。

渡辺 やっと自力で生きていけるようになったんだね。

長谷川 そう! 言っても、ボクももう50歳ですから!

渡辺 遅ーんだって(笑)。そういう自慢は20歳ぐらいのときに言うもんなんだよ(笑)。

 

Q09. では反対に、あえて相方に直してほしいところは?

長谷川 お酒の飲みすぎとかですね。体のことを労ってほしいですね。

渡辺 雅紀さんに直してほしいところはないです。好きなように生きてほしいです。だって、どこか一個を直そうもんなら、死んじゃう気がするんです。絶妙なバランスで成り立っていると思うので、ヘタに触れるのが怖いです(笑)。

 

Q010. 錦鯉の10年後はどうなっていると思いますか?

渡辺 雅紀さんは還暦だね。

長谷川 そうだね。願わくば、悠悠自適な生活を送っていられればって思いますね。もちろん、仕事をしながらだけど、のんびり生きていけたらなって。あとは、つみたてNISAに入ってると思います。最近、覚えたんですよ。

渡辺 大丈夫? それ本当につみたてNISA? よく似た言葉の勧誘とかに騙されてない?

長谷川 ちゃんと聞いたから、大丈夫!(笑)

渡辺 急にお金を持つと怪しい人が寄ってくるから気をつけてね。10年後かぁ。今思うのは、漫才を続けていられたらいいかなっていうぐらいですね。その時はどんなネタを作ってるんだろう。まだ雅紀さんの頭をツッコんでいるのかな(笑)。そのへんは楽しみですね。

 

錦鯉・著
「くすぶり中年の逆襲」

発売中

価格:1430円(税込)

発行元:新潮社