元FacebookのMeta社は、ハイエンドVRヘッドセット「Project Cambria」を年内に発売する予定です。同社からは公式な続報はありませんが、「顔にかぶるノートPC」といった目標や、いくつかの詳細なリーク情報が伝えられています。
有料ニュースメディアThe Informationによると、Cambriaは社内では「顔のためのラップトップ(ノートPC)」または「顔のためのChromebook」と呼ばれているそうです。すなわちChromebookに近いスペックを持ち、AndroidをベースにしたMeta独自のVR向けOSを採用すると見られています。
さらにWebベースのツールやサービスのほか、一部のMeta Quest(旧Oculus Quest)アプリにも対応する見込みであり、Meta社としては未来の仕事用デバイスとして売り込むつもりだそうです。
搭載されるディスプレイは高解像度であり、ヘッドセットを着けたままテキストをはっきりと読むことができ、電子メールを送ったり、コードを書いたり(プログラミング)できるかもしれない。つまり、プロフェッショナルな用途に使える可能性があると述べられています。
またCambriaは外向きカメラを通じて周囲の景色を見ることができるとのこと。この機能は「フルカラーパススルー」と呼ばれ、複合現実感のある体験が可能になるそうです。現行のMeta Quest 2にも4つの外部カメラがあり、一応は外の景色を見られますが、低解像度の白黒にすぎません。
そしてMetaがCambriaを発表した際に約束した「視線トラッキングと顔の表情を認識する機能」も実現する模様です。ソーシャルVRサービス『Horizon Worlds』やビジネス会議用VR『Horizon Workrooms』等では、アバターにユーザーの表情や見ている場所が反映されると伝えられています。
本製品には大容量バッテリーが搭載されるため、Quest 2よりも重くなる見込み。ただし、バランスを保つためにバッテリーは後部に配置されているそうです。ちなみに現在のQuest 2向けにも、バランス改善も兼ねて後部に着けるサードパーティ製の外付けバッテリーパックが発売されています。
このCambriaは、9月頃に店頭に並び、価格は799ドル(約10万円)以上になるとのことです。はじめは昨年に発売する予定だったものの、新型コロナ禍によりサプライチェーンが混乱したため延期されたそうです。
さらにMetaは今後、メタバースの野望を推進すべく、数年以内に(Cambriaとは別の)3つのヘッドセット製品を投入する予定だとされています。まず2023年と2024年にQuestヘッドセットを発売し、翌2024年にはCambriaの後継機(社内コード名は「Funston」)をリリースする見通しとのことです。
ほかテックメディアThe Vergeは、Metaが2024年に同社初のメガネ型ARデバイスも発売するとの噂を報じていました。同社は9日にメタバースではなく現実の店舗をオープンする予定ですが、将来的に自社ハードウェア製品をズラリと並べるつもりかもしれません。
Source:The Information
via:Engadget