デジタル
2022/4/12 15:00

元FacebookのMeta、メタバース「Horizon Worlds」内でクリエイターが仮想アイテムを販売できるシステムをテスト開始

元FacebookのMeta社は、自社のQuest VRヘッドセット用のメタバース・プラットフォームである「Horizon Worlds」(以下「Horizon」)にて、クリエイターが収益を上げられるテストを始めたと発表しました。

 

最も注目すべきは、「ごく一部」のHorizonクリエイターが自作したワールド(HorizonではVR空間内に、ほかの人が楽しめる世界を作れる)内で、仮想アイテムやエフェクトを販売できるようになることです。Horizonのプロダクト・マーケティング・ディレクターによると、クリエイターは、自分のワールド内でのVIPセクションへの招待から、宝石や特別なバスケットボールなどの仮想アイテムまで、あらゆるものを販売できるそうです。

 

また米国の参加者に限り、最近Metaがクリエイター向けに設立した1000万ドルの基金から資金を得られるとのことです

 

こうした「インワールド購入(クリエイター自作のアイテムなどを有料で売買)」は、すでにRobloxRec Roomなどほかの3Dソーシャル・プラットフォームも行っていることです。Robloxはこれにより巨大な市場を築き上げ、Rec Roomはクリエイターのマネタイズを尊重することで急成長を遂げています。最近のSNSなどはクリエイター主導(有力なクリエイターは稼ぎやすいプラットフォームに移り、それにフォロワーも追随しやすい)ため、ごく自然な展開と言えるでしょう。

 

Metaはクリエイターが販売した分から分け前をもらいますが、計算は少し複雑です。まず売上からプラットフォーム手数料を差し引き、残った分からさらに25%がMetaの取り分となります。Quest Storeの場合は手数料が30%のため、残り70%のうち25%が引かれて、クリエイターは販売価格の約半分強を受け取るという計算です。

 

またMetaはクリエイターがVR世界内ワールドを作ることを奨励するため「目標指向のボーナスプログラム」を展開する予定と述べています。このボーナスには手数料がかからず、全額が受け取れる見通しだそうです。

 

Horizonがどれほどの規模かといえば、テックメディアThe Vergeが月間ユーザー数が開始から数か月で30万人に達したと報じた一方で、Meta社は1万個のワールドが作られたと発表していました

 

今年後半にはスマートフォン向けHorizonがリリースされ、ゲーム機への搭載についても「初期の検討段階にある」とのことです。Metaのようなハイテクの巨人が社運をかけるには30万人でも少ない感がありますが、才能あふれるクリエイターが続々と参加することで加速度的に発展していき、20年近く前の『セカンドライフ』を凌ぐ繁栄を見せるのかもしれません。

 

Source:The Verege,Mark Zuckerberg on Monetization in Horizon Worlds!(YouTube)