2022年で創刊40周年を迎えた、押しも押されぬモノ誌の決定版「モノ・マガジン」と、創刊23年目を迎えたピチピチの“新卒世代”「ゲットナビ」とのコラボ連載。今回は、話題の軽EV・日産のサクラに試乗してきました!
過去のコラボ記事はこちら!
二つの目で見ればピントが合う! ゲットナビ×モノ・マガジンの「ヒット」スコープ
– Target 6.日産「サクラ」–
いま、日産が元気なんです
日産自動車は、2021年度決算で3年ぶりに営業利益が黒字化(2473億円)。22年度も話題の新車を続々とリリースしており、いま元気のある自動車メーカーです。行っちゃえNISSANってことで、神奈川県横浜市にある日産自動車本社へ。筆者は初めて同社を訪問したのですが、巨大ショールームというか、もはや日産ミュージアム。夏休み真っただ中だったため、家族連れで訪れている人たちが多く見られました。
と、思わずテンションが上がってしまいましたが、今回の取材対象はコチラ! 軽EVのSAKURA(サクラ)です。6月に販売がスタートし、8月7日時点で受注台数は累計2万5000台と好調な滑り出しとなっています。
EV市場でも「技術の日産」は健在!
日産好調の“原動力”のひとつとして、EV(電気自動車)が挙げられるでしょう。同社は元々電気モーター技術に優れているメーカーで、2010年に初の量産型ピュアEVとなるリーフを発売すると、今年に入ってアリア、サクラを立て続けにリリース。国産EV市場をけん引しています。また、ガソリンを燃料にして電気モーターを駆動させる独自のパワートレイン「e-POWER」も好評。世界的にCO2排出削減が推進される現在のクルマ市場においても、「技術の日産」は健在なのです。
試乗させてもらう前に、まずはサクラの“ガワ”をチェック。車体は同社の軽ハイトワゴンデイズをベースにしており、コンパクトながらもボリュームを感じられます。また、四季をイメージした2トーンの4色を含む全15色をラインナップし、選ぶ楽しみがあるのもうれしいところ。動力は20kWhのバッテリーで、最高出力47kW、最大トルク195Nmと余裕の走りを実現。航続距離は最大180km(WLTCモード)と安心感があります。価格は233万3100円~294万300円で、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金を活用した場合の実質購入価格は約178万円となります*1(すべて税込)。
筆者のEV初体験。怖いほど滑らかで静かでした
実は筆者、EV初体験。なんか……緊張する! おっかなびっくりアクセルを踏んでスタートします。予想はしていましたが、ガソリン車と比べてとにかく静か。そして、予想以上に軽い! 思ったよりもスーッと伸びていくので、最初はちょっと怖かったです。
発進・加減速・停車をアクセルペダルだけで行える日産の独自システム「e-Pedal Step」も初体験。これがめちゃめちゃ楽チンで、特にストップ&ゴーの多い市街地での走行と相性バツグンでした。アクセル/ブレーキの踏み間違えによる事故も起こりにくくなるはずですし、これは本当にイイですね。
試乗のハイライトは、おむすびを落としたらいつまでも転がっていきそうな急勾配の上り坂。アクセルを思い切り踏んでもまったく苦しそうな感じを見せず、スイスイと登れます。軽とは思えないほど余裕たっぷりの走りを楽しめました。
続いてハイウェイへ。ここでは、高速道路単一車線での運転支援技術「プロパイロット」を体験します。ハンドル右のボタンを押すと、プロパイロットモードに突入。ハンドルから手を離すことはできませんが、車線や前車の位置をリアルタイムで検知しながら、ハンドル操作を支援してくれます。これも楽チンな機能です。
試乗のフィナーレを飾るのは、「プロパイロット パーキング」。これは、駐車時にステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動で制御するシステムで、軽自動車としては初めての搭載となりました。駐車場に入ってからボタンを押すと、カメラで空きスペースを検知。駐車位置が決まったら、画面に表示された「駐車開始」をタップし、ボタンを押し続けるだけで、自動で駐車してくれるという、まさに未来の機能なんです。
空きスペースの検知は地面の白線などを参照しているとのことで、疑り深いオジサンとしてはこの精度をどこまで信用して良いのかというのが少し引っ掛かっておりますが、何にせよスゴい技術であることは間違いないですね。
まずはカーシェアリングでお試しできちゃう
当初は、EVは正直まだ買う時期じゃないかな、と思っていました。基本性能も使い勝手も、もう少し成熟したらようやく選択肢に入ってくる。そんなイメージだったんですが、実際に乗ってみたら全然そんなことなかったです。バッテリー性能や充電環境の整備についてはのびしろが大きいと思いますが、このサクラに関していえば、乗用車としてのクオリティは抜群。実質200万円以下で買えるなら、普通に欲しいです。
とはいえ、さすがに衝動買いできるほど金銭的な余裕も家庭内で地位もない……という私のような人に朗報! 日産が手掛ける、EV、e-POWERの車両を中心としたカーシェアリングサービス「e-シェアモビ」で、早くもサクラが導入されたとのこと。サクラを利用できるステーションはまだ限られていますが、奇跡的に筆者の近所で導入されていたので、今度行ってみることにします!
*1補助金には申請期限があります。申請額が予算額に達した場合は受付終了となりますのでご注意ください。
*2 バッテリー温度約25℃、バッテリー残量警告灯が点灯した時点から満充電までの目安時間となります。
*3 バッテリー温度が約25℃、バッテリー残量警告灯が点灯した時点から、充電量80%までのおおよその時間。特に急速充電の場合、夏季・冬季には充電時間が長くなる場合があります。
モノ・マガジン前田編集長のレポートはこちら→https://www.monomagazine.com/52196/
写真/青木健格(WPP)