ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし
2022-23「ミズノ」冬の陣③「ウエーブネオ ウインド」の巻
シューズ好きも、ランニング好きも、必読! 最新のランニングシューズを、開発担当者に聞いて、実際に履いて走ってレビューする本連載。日本が誇るミズノにフィーチャーする3回目は、ミズノの基幹シューズ「ウエーブライダー」のDNAを継ぐ「WAVE NEO WIND(ウエーブネオ ウインド)」である。
純白のボディに、ブルーの差し色。ファッションユースと見まごう、今どきのイケメンシューズの素顔や、いかに⁉ 今回も、企画担当の吉村憲彦さんにお話を伺った上で、実走レビューを行おう!
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ミズノ初の“CO₂オフセット”シューズ!
いつもは、機能を中心にシューズのインプレを行う本連載。しかし、今回の話題の中心は、その製造から流通に至る、全ての工程だ。ミズノが、本気で環境負荷低減に取り組んだ「ウエーブネオ ウインド」。どんなシューズなのだろう?
「ウエーブネオ ウインド(以下、ウインド)の原材料には、CO₂排出量を抑制するため、リサイクルポリエステルや植物由来など、環境に配慮した素材を使っています。印象的な白のアッパーはニット(編み物)ですが、環境負荷低減のため、染色工程で水を使用しておりません」(吉村さん)
さらに、シューズの流通や最終的な廃棄までのライフサイクルを視野に入れ、CO₂を吸収する木々の植林も行われたという。
「ウインドに使用されている、クッション性と反発性に優れたミッドソール(ヒールウエッジ)のフォーム材『ミズノエナジー』には、安定感の要となるプレートの『ミズノウエーブ』にも、植物由来の原材料を使用しています。水辺にも繁殖している藻類を回収し、原材料として使っています」(吉村さん)
ミズノ欧米攻略のための、新たな橋頭堡
ウインドの主なターゲットは、ミレニアム世代やZ世代。欧米を中心に、これらの世代はサステナビリティにも高い関心を持っているという。
「環境意識の高い欧米のミレニアム世代やZ世代に向けて、ミズノのメッセージをきちんと伝えることで、ブランドの認知度を上げることも視野に入れています。そのため欧米では、かなりの数のウインドを展開しています」(吉村さん)
ウインドのイケメンぶりは、ファッションではなく、まさに環境への配慮そのものだ。しかも、そんなイケメンを単なるイケメンで終わらせず、走り心地をしっかりと追求している点もミズノたるところ。開発のコンセプトは、“フルマラソンにも使用可能なパフォーマンスランニングシューズの機能をそのままに、環境への負荷を低減するシューズを生み出すこと”なのだ。
「ウインドは、42.195㎞のフルマラソンを3時間30分以内で走る、いわゆる“サブ3.5”のランナーが履くシューズと同等のスペックです。前回取り上げていただいた『ウエーブライダー26』が、サブ4ぐらいのスペックですので、たしかにウインドの方が速い位置づけですね」(吉村さん)
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