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ランニング
2022/12/23 11:30

ミズノ「ウエーブネオ ウインド」。今どきイケメンシューズの素顔!/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ライダーのDNAを持った韋駄天=ウインド

実は、このシューズのベースとなったのは、2021年度まで展開していた「ウエーブライダーネオ」だったという。今回紹介するウインドにも、「ウエーブライダー26」に搭載されたウエーブと同じスペックのものを搭載。まさにライダーの系譜を継ぐシューズなのだ(2022のコレクションからはライダーの名称が外されている)。

 

さらに、ウインドのミッドソールには、「ミズノエナジーライト」というエラストマーのフォーム材も採用されている。ミズノエナジーライトは、標準的なミズノエナジーよりも、軽量かつ反発性に優れており、レーシングシューズなどで使用されている。

 

「ウインドは、あくまでランニングシューズです。なので、カジュアルに対応させようとは考えていません。しかし、プロトタイプを見たとき真っ白で“めっちゃいい”って、私も思いました(笑)」(吉村さん)

 

パっと見のウインドは、“今風のイケメンだから、カジュアルでも受けるだろう”という程度の印象だった。しかし、話を聞いてみると、けっこうな韋駄天だ。“イケメンのナイスガイは、けっこうな瞬足”なんて、人間だったら嫉妬するところ。でも、ランニングシューズなら、ズルいほど◎だ!

 

いよいよ、ウエーブネオ ウインドを試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、ウインドの試走スタート! まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行った。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」。今風のイケメンがどこまで走れるのか、とくとご覧あれ!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

ニットのブーティ構造は、履くのが少し面倒。しかし、いったんシューレース(靴ひも)を締めてしまえば鬼に金棒。抜群のフィッティングが得られる!(もちろん、サイズや足型が自分の足に合っている前提だが……)。

 

かかとをシューズに合わせたら、はと目(シューレースを通す穴)ひとつひとつ丁寧に、平ひもが捻じれないように締めていこう。ウインドの特盛のミッドソールは、歩く際に、左右のシューズがこすれるほどだが、走り出せば心配無用だ。

 

立ち上がると、ソールから足に伝わってくるのは、筆者好みの程よい硬さ。2020年に発表された「ミズノエナジー」以前の頃の、往年のライダーの乗り心地を彷彿とさせる。今風のイケメンのくせに、昔気質のハングリーさもありそう。これは侮れない……。

↑アウトソールには軽量性とグリップに富んだG3ソールを全面に搭載。足裏も爽やかさが漂う!

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

ゆっくり走り出す。前回のライダー26と同日にインプレをしたが、着地はライダー26より硬め、前足部で地面をがっちり捉えている印象。もしかして、ウインドの前足部の面積は、ライダー26よりも広い? と思い、ウインドとライダー26を比べるが、全く一緒だ。しかも、安定性の要となるウエーブのスペックは、ライダー26もウインドも同じだという。

 

両者の際立つ違いは、ウインドのミッドソールに「ミズノエナジーライト」を採用している点だ。ミズノエナジーライトは、読んで字の如く、ミズノエナジーよりも軽く、しかも衝撃緩衝性と反発性に優れている。さらに、中足部からかかとにかけては、ミズノエナジーも採用。ミズノエナジーで着地衝撃をソフトに緩衝し、ミズノエナジーライトで大きな推進力に変えている。

 

ウインドは、全体的にはライダー26よりもソールが硬めだが、ミズノのランニングのコンセプトである“スムーズさの追求”を忠実に再現している。ある意味で、ライダー以上に、ライダーらしいシューズなのかもしれない。それを明らかにすべく、スピードを上げてみよう。

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

地面をがっちりつかむ感触は、どうやらアウトソールの素材も影響しているようだ。ウインドには、実業団選手レベルのシューズに採用されている「G3」という、軽量でグリップ性が高いパーツが使われている。試しに、石畳の坂道を登るが、驚くほど路面を捉える。そのまま駆け下り、下り直後のコーナーリングでも、スリップの不安がない!

 

ちなみに、ウインドを履いて、何も考えずに心地よく走ってみた際の速度は、1キロ5分45秒ほど。同日インプレをしているライダー26は、6分20秒。同じスペックのウエーブを搭載しているが、なるほどウインドは明らかに速い! 運動不足解消でスタートしたジョギングが、いつしかダイエット目的も加わって体脂肪が落ち、距離を走る楽しさを感じられるようになってきたら、ウインドはピッタリな一足になっているはずだ。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

環境に配慮した無染色のホワイト地に、ブルーの差し色。日本国内での流通が限られたシューズだけに、周囲の目線がチラチラ筆者の足元に集まる。ここは自宅からほど近い、とある10㎞のローカルレース会場。インプレ3日目の本日は、レースでの実戦で試すことに。おしゃれ感覚の今どきイケメンシューズと思いきや、一連のインプレで、実戦投入の腹が定まった。ウインド、期待できそうだ!

 

で、よく晴れた、少し暑いくらいのレース本番。あくまでインプレが目的なので、5分を少し切るペースで走ってみる。しかしながら、ペースダウンを意識しないと、“もっと走らせろ”と加速モードに、スグに入ってしまう。ウインド、なかなかの若武者ぶりだ。

 

ゴール前2㎞、さらに加速してキロ4分巡航。すぐ前を走っていた地元の国会議員をぶち抜くべく、最後はキロ3分を切ってみたが、全ての加速にウインドはきれいに反応してくれる。シーズン初めに無理は禁物なのだが、ウインド、やっぱり侮れない。

 

で、結論。ウインドは、気持ちが前向きになる“スカッと走”に最適だ。今風のイケメンのルックスも、前向きの気持ちを後押ししてくれる。42.195㎞のフルマラソンなら、初参戦や完走を目指すよりも、2回目や3回目の自己ベスト更新のチャレンジに合っている。

 

最後に蛇足ながら、ミズノさんにお願い! こうした環境配慮型のシューズに合った、今どきイケメン風、しかもレースへの実戦投入可能で、かつファッション性に優れたホワイト&ブルーのカラーコーデもバッチリのアパレルを作ってくださいませ。ベースレイヤーやライナーも工夫し、リサイクル+天然素材など機能性を大きく損なわない提案ができるかと。期待しています!

 

撮影/石原敦志

撮影協力/10 over 9「ランキューブ」(東京・神田錦町)

 

 

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