MetaはVRヘッドセット「Quest 2」のGPU処理能力が7%向上するアップデートを行ったことを発表しました。
アプリ開発者にとっては、このパワーアップにより「目標フレームレートを達成するために解像度を大幅に下げることなく、より高いピクセル密度を活用する能力が向上します」とのこと。要するに「解像度の品質を犠牲にせず、アプリのビジュアルがさらに良くなる」ことだと説明されています。
こうしたグラフィック能力の改善は、GPU周波数がこれまでの490MHzから525MHzに上がることで可能となるもの。特に開発者がコードを修正する必要はなく、Meta社の「動的クロッキングシステム」により、アプリが利用できることを検知すると自動的に周波数が上がる(処理能力がアップする)とのことです。
もっとも、しばらくは少し使い勝手が悪いかもしれません。なぜなら現状の「v47」ビルドでは、電源オフ/オンか電源ボタンを2回クリックしないと有効にならないため。しかし、今後の「v49」アップデートからは、ヘッドセットを起動すれば手動の操作は必要なくなるそうです。
GPUの周波数が上がれば、引き換えに消費電力が大きくなり、バッテリー持ちが悪くなることも心配されます。
しかしMeta広報によれば、バッテリー持ちへの「顕著な影響」は予想していないとのこと。あくまで「増える電力消費は小さく、追加のGPUコンピューティングが積極的に必要となる場合にのみ限られる」ため、と述べられています。
なぜQuest 2の発売から2年以上も経った今のタイミングで? とも思われますが、Metaは「消費者と開発者の利益を評価し理解するために、このロック解除/機能の実験に数か月を費やした」と答えています。これに先立ち、Quest 2はソフトウェア更新で音声コマンドを追加したり、画面リフレッシュレートを90Hzから120Hzに引き上げられたこともありました。
次世代の「Meta Quest 3」は2023年後半に発売が予告されており、あと1年以上も待つことになります。が、Quest 2も少しだけパワーアップしたことで、しばらく第一線で活躍し続けられそうです。