テレビ、YouTube、ラジオなど、あらゆるジャンルで惜しみなく笑いを提供しているお笑い芸人のさらば青春の光。2023年5~7月にかけて東京・大阪・名古屋など全国6都市を回った単独公演「すご六」で約2万人動員した。ありそうでありえないオリジナリティー溢れる設定で、観客を“さらば”の世界に引き込んでいく。その貴重な公演のDVDが2023年11月1日発売した。“さらば”の笑いをご家庭でもどうぞ!
【さらば青春の光さん撮り下ろし写真】
台本を覚えられないんです。その時、出た言葉でええやんって感じ
──今回、このDVDを売っていきたいと思っています! 何本目標にしますか?
森田 そもそも前回は何本売れたんですか? 2500本? じゃあ、目標3000本で(笑)。いや待てよ、劇場来た人全員買ってくれたら、2万本なんで、2万にしておきましょう!
東ブクロ 2500で充分でしょう。
森田 いやいや、前回は超えたいでしょ!
東ブクロ だってオレ、お笑いのDVDは借りたことあるけど、買ったことないですもん。何千人も買ってもらえるだけでありがたい。
森田 生で観てない人は観たいだろうけど、生で観た人もDVDで観たいって人もおるって。それにDVD集めている人もいますし。
東ブクロ まぁ、作家とネタを振り返った特典も付いてるしな。
森田 ということで目標は2万本で!
──それにしてもテレビ、動画、ゴルフ(笑)とお忙しいのに、なぜコントネタの単独ライブを続けていくんですか?
森田 真面目な話、僕らはネタがストロングポイントだと思っているんで、ネタはやり続けないと駄目だと思っています。
東ブクロ まぁ、やらなしゃあないですから(笑)。
森田 ブクロにコメント求めても照れのコメントしかでませんよ(笑)。
東ブクロ いやいや、ホンマにやりたくないんですよ、大変過ぎますから。
──そうですよね、一番最後の「タネ飛ばし」(※以後出てくるコント内容はDVDを要チェック)のネタは、東ブクロさん、めちゃくちゃセリフ多かったですよね。「コイツ、ゴルフばっかしてるから、セリフ増やしたろ」って増やしたんですか?
森田 ハハハハハ! それはないです。あくまでも笑いを取るための手段ですから。
東ブクロ 正直なところ、セリフは一言一句覚えてないんで、ホンマに。流れで覚えてるんで。一言一句間違えないでやれって言われたら、できないです(笑)。
森田 オレだってご機嫌伺いながらやってるんすよ。セリフ多すぎたら、削るようにしてますし。そもそも客演の仕事きたら「セリフの量多いわ!」って機嫌悪くなるのか心配です。
東ブクロ そもそも客演なんてやらないから! 僕、ここ数年で分かったんです、台本を覚えられないんです。その時、出た言葉でええやんって感じでやってる。
森田 かっけーこと言うな! 急に語りだした。
東ブクロ だから全公演見た人は、毎回、この部分のセリフ違うやんって思ってるかも。
森田 今回、「タネ飛ばし」のネタは、セリフ多いから大変だったとは思いますけど、他は楽だったと思いますよ。「野球人生」っていうネタは袖でカンペ読んでますからね(笑)。
東ブクロ (苦笑い)。
どうやったら面白くなるかいろいろ枝部分を考えて辿り着いた
──一方で森田さんは、肉食的なビーガンの人という設定の「パリヴィ」で、激しいセリフ回しでゼイゼイして、次の「野球人生」の監督の役でゼイゼイして、体力的に大変だったのでは?
森田 「パリヴィ」からの「野球人生」はめっちゃしんどかったです。野球の監督役なのに一番汗かいてるし。衣装さんも「コイツどんだけ汗かくねん」って。衣装チェンジの時に脱がせにくいし、着させにくかったですから。順番いじればよかったんですけど、いじれなかったんですよね。
──今、話が出た中でもいろんな設定のコントがありますが、今回、苦労された設定はありますか?
森田 設定出すところまでは、そこまで大変じゃなかったんですけど、いざ作ってみると、大変だったのは、先ほどから話に出ている「タネ飛ばし」ですね。“青春”中毒のおじさんが10億円の賞金がかかったさくらんぼの種飛ばし大会を開催するってネタなんですけど、最初の段階では「青春」ってキーワードはなかったんです。どうやったら面白くなるかいろいろ枝部分を考えて辿り着いたんです。
東ブクロ 僕は作る段階で苦労していたなんて全く知りませんでした。台本もらって初めて設定を知る感じなんで。
森田 一回、ブクロがアドリブで下ネタをぶわーって言いだしたんですよ。「そこまで下じゃないんだよ。このおじさんは“青春”に興奮を覚えるんやから」って注意したことあった。
東ブクロ その辺の擦り合わせできてないから、僕がアドリブで下ネタばっか言ってた(笑)。
森田 そう、こいつ、すぐ下ネタいくから!
東ブクロ そりゃ、下ネタ行くわ。ただ一番苦労したネタではある。
森田 めちゃくちゃ苦労しましたね。
──肉食系なのにビーガン男子という設定の「パリヴィ」はかなり突飛な設定でしたね。
森田 公演時にはビーガンなのにクラブにいるイケイケ男子になっていますが、もともとは違う設定だったんです。当初はゴミ屋敷にいるビーガンの人という設定でした。ゴミ屋敷に住んでるくらいだらしないのに、食べ物に関しては繊細みたいな。ただお客さんに見せる時に分かりづらいかなと思って。それでもう少し分かりやすくしたくて、クラブの設定に変えました。
東ブクロ 「パリヴィ」は、最初、台本もらった時は、言葉のやりとりで見せるコントかと思いました。あそこまで舞台装置使って、音楽にのせてやるネタになるとは。最初の台本段階から一番、印象が変わったネタですね。今回、初めて音楽を流した中でネタをやる難しさもあったので、ある意味、新鮮ではありましたよ。
森田 このコントの中で僕がラップする場面があるんですけど、あれは実は勝手に足したんです、ハハハハハ。まぁ、まぁ、ウケたからその後の公演でもやってくことにしました。
やしろさんの演出のおかげでお客さんに満足感を与えることができる
──思いのほかウケなかったネタは?
東ブクロ 「それでもボクはやってない」では、ウケるのはウケるんです。設定はAV女優が電車に乗っていたので痴漢モノの撮影していると思って、触りにいった大学生が駅員に捕まって……という内容なんですけど……。
森田 この「痴漢」ネタは、『カチコチTV』(FANZA TV)やっていたからできたネタですよ。AV女優さんと収録の合間でしゃべっている時に、有名女優さんが今日、電車で来たという話になって。「え! 電車乗るんですか」って(笑)。「AVと思われて痴漢とかされないんですか?」って(笑)。そこから発想したネタなんです。
東ブクロ ネタばらして笑いがボーンってくるところもあれば、徐々に笑いがくるところもあって。その土地その土地で笑いがバラバラでした。
──今回の「それでもボクはやってない」、電動マッサージを開発した企業の人がAV現場にクレームを言いに来る「AV」(2015年)、やたらと芝居にこだわるAV男優のネタ「男優」(2015年)は、AV三部作と勝手に呼んでいるんですけど。
森田 おー、ありがとうございます! ただもう、AV関連のネタがなくなってきてるんだよなー!
──そういえば、演出家、ラジオパーソナリティのマンボウやしろさんがすでに5回も単独ライブの演出されているんですね。
森田 単独ライブ「真っ二つ」(2018年)から演出をお願いしているんです。やしろさんにお願いするきっかけは、以前、バイク(川崎バイク)さんに誘われて、やしろさんが作・演出した舞台を新宿に観に行ったんですよ。その時の演出とか舞台装置がすごくよくて。多分人生で初めてプロジェクションマッピングみたいのをこの日、見たんちゃうかな。それでぜひやしろさんにお願いしたくて、やしろさんのラジオの本番中に「単独の演出やってくれませんか?」って直談判しました。もう、断れない状況で、ハハハハ! 今でもやしろさん、このこと恨んでいるみたいですよ。「あれは卑怯だ」って(笑)。
東ブクロ やしろさんの演出があるからこそ、ネタが笑いに変わってるってことありますよ。ある意味、ネタの雰囲気も想像とは違うものに変わったりしますし。幕間の映像も作ってくれているんですが、あれもすごくかっこいい。何よりも以前は、映像とかなかったんで幕間の時間がないから「早く着換えろ!」って感じで。それもなくなりましたし。単独公演としての格が何百倍にもなった。
森田 何百……。何千やと思います、僕は(笑)。
東ブクロ さすがに何千はないやろ!
森田 さすがにって…。やしろさんの演出のおかげでお客さんに「観たなー」っていう満足感を与えることができるんですよ。
東ブクロ ホント、一緒にやらせていただいて何の不満もないです。あ、1つだけ髪形は気になりますけど(笑)。
森田 あれも演出やろ、自己演出や(笑)。
ゴルフクラブのタイアップよろしくお願いします!
──幕間に流れた「メモリー」って曲もやしろさんが作ったんですか?
森田 あれは、音響チームが頑張ってくれました。「こんな曲にしてください」って音響チームに投げるんですよ。全部やってくれるのでホント、助かります。ただわりと音響チームが声出したいとか、歌いたいって人が多くて。ただ一番、社長が声出したがりです。大城音響事務所の大城さん(笑)。「野球人生」で出てくる野球部の声とか、一番前のめりでやってくれました。
──すみません、そろそろ時間が……、最後になりますが、モノを紹介するゲットナビということで、熱くなれるモノとかありますか?
森田 急やな~。僕はスニーカーですかね。結構、買っちゃいます。僕は定番のスニーカーが好きなんですよ。スーパースター、コンバースのオールスター、エアフォースワンとか。今日履いてるのも、コンバースのスエードなんです。高校生の時はエアフォースワンを履いていました。今、エアフォースワンを履いてたりすると、「エアフォースワンのオリジナルですよね」って分かる人には分かる。なんかタイアップあったらよろしくお願いします!
東ブクロ 僕はゴルフクラブですかね。アイアンは地クラブを使ってますし。
森田 じクラブ???
東クラブ 大手メーカーじゃなくて、各地域で生まれた小規模なメーカーがこだわりをもって作ってるクラブのことや。
森田 あー、地酒の「地」ね。地クラブね。
東ブクロ 僕は他の人と同じじゃない物珍しいものを使いたいというのがあって。1つひとつ丁寧に作ってるんやろなとは思います。正直、打っててそこまで分からないけど、職人さんのこだわりは感じられるので。
森田 コントも丁寧に1つひとつ作ってますけどねー(笑)。ハハハハハ。それは感じ取れないものですか?
東ブクロ 地コントではない!
森田 地コントやろ! 全部、自分たちで考えて丁寧に作ってるんやから。
東ブクロ 僕は今、アイアンもウェッジもEPONを使ってるんですが、スコアも上がりますし、気持ちも上がりますよ。EPONは新潟の燕三条の会社で鉄の技術がすごい企業です。
森田 コントもそれぐらいこだわってほしいんやけどな。まぁ、まずはゴルフクラブのタイアップよろしくお願いします!
東ブクロ お願いします(笑)。
さらば青春の光 単独LIVE『すご六』
3,740円(税込)
(CAST)
さらば青春の光(森田哲矢、東ブクロ)
(収録内容)
2023年5月~7月にかけて東京・大阪・名古屋・福岡・北海道・宮城の全6都市を周り、約2万人を動員したさらば青春の光の最新単独ライブの模様を紹介。
オープニングコント
イエスマン
それでもボクはやってない
ガンジスのしらべ
パリヴィ
野球人生
タネ飛ばし
※名称変更になる場合がございます。
販売元:ポニーキャニオン
発売元:TBSラジオ
(C)2023 TBS RADIO/THE MORIHIGASHI
撮影/映美 取材・文/浦澤 修