2024年1月1日からの電子帳簿保存法改正に伴って、多くの会計ソフトがレシートや領収書の電子保存に完全対応するようになった。こうなってくると、置いておくと地味に邪魔なレシートや領収書の類も電子化してクラウド会計ソフトに保存しておいたほうが後々ラクということに。会社単位でも、経費精算は領収書のスキャンデータで行うルールが普及するなど、ペーパレスの流れが進みつつあるようだ。
大量のレシートや領収書を電子化するならドキュメントスキャナが便利だが、スマホでパシャッと撮ったデータでも問題はない。溜め込まずこまめに処理するなら、むしろスマホの方が気軽なぐらいだ。それなら、もっと気軽かつ確実にレシートを電子化し片付けられる、便利なアイテムをひとつ導入してみてはどうだろうか?
低反射シート+静電吸着でレシートスキャンを効率化
文具と収納用品のセレクトショップDOCKET STORE「レシートスキャンボードPRO」は、レシートや領収書、その他書類をスマホでスキャンしやすくする補助具といったところ。現在は予約受付中で、製品自体は2024年2月上旬から出荷予定とのこと。タイミングによっては今年の確定申告に間に合うかもしれない。
DOCKET STORE
レシートスキャンボードPRO
6000円 ※先行販売価格5400円(ともに税別)
さて、このボードをどう使えばレシートのスマホスキャンがラクになるのかというと、板面にレシートをペタッと貼り付けるだけ、といたってシンプル。レシートスキャンボードPROは、単4形乾電池4本をセットすることで、板面に微弱な静電気を発生させる。この静電気がレシートをボードに吸着させて、固定してくれるのである。
そもそもレシート類をスマホで撮る際に「イラッ」とする要素のひとつが、照明によるテカリだ。ツルツルした感熱紙レシートを机に置いて真上から撮影すると、レシート自体が天井からの照明を反射して文字が読み取れなくなる、ということがよくある。電子帳簿としては文字が読めないとアウトだが、かといって作業のたびに照明が反射しない角度を探してスマホをウロウロと動かすのは面倒だったりする。
そこで、レシートスキャンボードPROの出番だ。照明を反射しづらい角度に立てたボードにペタッとレシートを貼ったら、あとはパシャッと撮るだけ。前述の通り、単にレシートを板面に当てるだけで貼り付けられるし、振動などでずれたり傾いたりすることもない。
実際にやってみたところ、ボードに貼る作業を含めても、机に平置きして撮るより断然にスムーズに感じた。また、板面には低反射シートが備わっているのも大きなポイント。一見すると単なるクリアホルダーのような見た目だが、このシートが上からの光を拡散させてテカりづらくすることで、レシートとボードの境界もくっきりと見やすくなるのだ。
レシートを撮り終わったら、低反射シート側面のタブをつまんでペラッとめくり上げる。するとレシートが一緒に浮き上がるので、そこから簡単に剥がせるという仕組みだ。静電吸着ボードは一度貼った紙が密着して剥がしづらいという難点があるが、これなら指でレシートの端をカリカリするようなことをせずとも、スルッと剥がせるのである。
皺だらけのレシートも、挟めば平らになってスムーズスキャン
筆者は極端な面倒くさがりということもあって、普段からレシートを溜め込みがち。半月ぐらいは余裕で財布にレシートをいれたまま放置してしまうので、場合によってはレシートがクチャクチャに折れ曲がってしまっていたりする。このしわだらけのレシートは、凹凸によってボードから浮いて貼り付けづらいし、撮影してもヨレて文字が読み取れなかったりするのだ。
もちろん自業自得だから仕方がないのだが、そういうネガティブをちょっとマシにできるのも、レシートスキャンボードPROを使う意味のひとつと言える。いつもならすぐにボードにペタッと貼ってしまうところだが、しわくちゃレシートに限っては、まず低反射シートをめくり上げてからボードに直接貼り付ける。
その上から低反射シートを被せると、シートで押さえられることできちんと吸着が働くのだ。さらにシワによるヨレも伸ばされて読み取りやすくなり、一石二鳥である。シワ自体が完全に伸びるわけではないので、画像にシワの線は写ってしまうが、文字・数字さえきちんと読み取れる状態なら、電子帳簿として問題にはならないらしいので十分だ。
使い方の応用編として、背後のスタンドを付け替えることで、ボードのタテ・ヨコを変更することもできる。ヨコ配置にすれば短めのレシートを並べて一気にパシャパシャと撮ることもできる。長いレシートならタテ配置が丁度良い感じだ。撮るものによって使い分けられると効率が一気にアップしそうだ。
一般的に、静電吸着ボードは表面に埃が付きやすく、また拭きづらいという難点がある。しかし、この製品は低反射シートで表面が覆われているので、ボード自体に埃が付着しないというのが特徴だ。これは地味だけどかなり大きなメリットに感じた。埃が付いていても、メガネ拭きなどマイクロクロスでサッと拭えばすぐ取れる。その際、いったん電池を抜くか、シートをボードから浮かしてから拭くと良いだろう。
日頃から机の端に立てて置けば、こまめにレシートを電子化できるし、普段は吸着式の書類スタンドとしても使うこともできる。また、受け取った名刺をひとまずここに貼っておいて、溜まった頃合いでスマホの名刺管理アプリからスキャンしてまとめて取り込む、といった使い方も便利だ。
レシート電子化専用ツールと捉えるとややコスト高に感じるかも知れないが、実はそれ以外にも日常的に役立つので、トータルで考えればわりとお安い印象すらあるぐらい。個人的には、かなり “買い” の良品だと感じたので、気になった方はぜひ試してみて欲しい。