文房具
2023/12/19 23:00

カドまで塗れる“液体のり”と癒される“スティックのり”!? テープのりとは別次元で快適さ極まるのり2選

筆者は以前から「のりと言えばテープのり」と主張してはばからない、強固な“テープのり推進派”である。とはいえ、液体のりやスティックのりをないがしろにしているつもりはない。それぞれ便利なのは否定できないし、なにより、数は少ないとは言えキチンと新製品が出続けているジャンルなのだ。

 

ということで、2023年になって発売された最新の液体のりとスティックのりを紹介しようと思う。それぞれ、自らの特性をより活かすためのバージョンアップだったり、「そこを突いてきたか……」という意外性があったりと、見逃せない進化をしていたのだ。

 

カドにピタッと合う爽快な「液体のり」

まず紹介するのは、液体のり。一般的に液体のりのメリットといえば、接着力の強さが挙げられる。乾燥して実用強度が出るまでに時間がかかるが、逆に一度乾いてしまえば、紙同士であればほぼ剥がれることはない。その接着強度をより引き出すためには、貼り合わせ面積をより広く取る必要がある。ところが、従来の丸いスポンジ塗り口だと、紙のカドまできれいに塗ることが難しかったりするのだ。

 

その塗り口を、丸から四角にすることでカド塗りをしやすくしたのが、コクヨの「GLOO 液体のり」である。そもそも「GLOO」は2019年から発売された新しい接着用品ブランドであり、同様に断面が四角くて塗りやすいスティックのりなどがラインアップされていた。基本的に四角い紙につかうものなのだから、のりも四角いほうが正解に決まってる。そこへ新たに液体のりにも四角い塗り口が追加された、という流れなのだ。

コクヨ
GLOO(グルー) 液体のり
シワなくキレイ
しっかり貼る
各200円(税別)

 

キャップを開けると出てくる四角いスポンジ塗り口は、キャップ面積の1/4ぐらいのコンパクトなもの。一見すると、思ったより小さいな? という印象だ。これで広い面積を塗っていくのは手間がかかりそうだが、帳簿に貼るレシートなどにチョチョッと塗るぐらいの作業にはジャストフィットしそう。なにより、やはりカド合わせてビシッと塗れるのは、シンプルに気持ちよい。

↑GLOO最大の特徴が、この四角い塗り口

 

こういった貼りモノはだいたいカドから剥がれてくるから、どこよりもカドをきっちり貼っておく必要がある。つまりその点で、四角い塗り口の液体のりは、必然性が高いというわけ。

↑外にはみ出すことなく、紙のカドぎりぎりまで攻められるのが使いやすい

 

キャップも“四角”にこだわる!

ちなみに、コクヨは2021年に子ども用の「カクノリ」で四角い塗り口の液体のりを初製品化していたのだが、キャップは円筒形であった。なぜなら、四角いと隙間ができやすく、密閉しづらいのだという。内部のドライアップを防ぐためには、円筒形にせざるを得なかったというわけだ。対して、GLOO 液体のりは、キャップも四角柱型となっている。これは、厚みのある四角柱キャップの内側を円筒形にして、さらに円形の内キャップをつけるという工夫により実現したものだ。

↑2年前に子ども用として発売された「カクノリ」(左)と並べると、キャップ周りが大幅にスッキリしているのが分かる

 

↑キャップ外側は四角いが、中は丸く抜かれている。黄色い部分が二重の内キャップにもなっており、これなら隙間もできにくく乾燥しにくい

 

ラインナップは「しっかり貼る」と「シワなくキレイ」の2タイプ。のり自体の性能は何かスペシャルな要素があるわけではなく、液体のりとして普通にちゃんとしてるなー、という感じ。つまり、この製品に関しては、四角い塗り口の使いやすさがとにかく便利! というのがポイントというわけだ。

↑「シワなくキレイ」タイプは、レシートなどシワになりやすい紙もピシッと貼れて気持ち良い

 

最新の香り付き「スティックのり」は超ナチュラル・フレーバー

続いて紹介するのはスティックのり。とはいえ、正直なところ、スティックのりは「接着力が弱い」「乾燥が早いとは言え速乾ではない」など、性能面で、液体のり・テープのりに対してやや弱めの立ち位置にある。この物理的な能力差を覆すのは、相当に難しい。というか、たぶん現時点では無理だと思う。

 

そこで改めて「スティックのりを使いたくなる要素ってなんだろう?」と考えた上で、のりそのものの能力ではなく、気分的なサムシングで勝負をかけてきたのが、プラス「香りプリット」である。キャップを開けた時点で、香りがふわりと漂い出す。そして、紙に塗っているとまたふわり。香りを楽しみながら、いい気分で作業ができるというアイテムだ。

プラス
Pritt 香りプリット
各140円(税別)
3種展開(左から、ユリ、バラ、オレンジピール)

 

特に「バラ」は強すぎない心地よいチューニングになっており、あの甘ったるい香りが苦手という人(男性に多いかも?)でもついウットリするクオリティだ。ちなみに、筆者は柑橘系の香りが好きなので、「オレンジピール」がお気に入り。スッキリとした香りによって、作業で疲れた脳や気分をリフレッシュしてくれる。

↑キャップを取るとふんわりと漂うナチュラルな香り。これなら作業中にもリラックスできそうだ

 

香りスティックのり自体は古くからある製品だが、やはり最新の製品は香料の品質が進化しているのか、 “いかにもな香料くささ” が薄く、その香りもかなりナチュラルな印象だった。「香りのり、ってこんなに進化してるのか」と改めて驚かされたほどである。

↑塗ったあとは紙にもしばらくほのかに香りが残る感じ。もちろん乾く頃には消えるので、TPOを気にせず使いやすい

 

もちろん、のりとしての性能は従来と変わらないのだけど……手元からいい香りが立ち上ってくることで、いつもよりもちょっと気分良く作業ができるのは間違いない。特に、昼過ぎでぼんやりするような時間帯などは、香りによるリフレッシュが効率アップにつながるかもしれないし。「香りが付いただけじゃん」なんて思わずに、ぜひ一度試してみてほしい。