2026年から「ゼネラル」として再出発するエアコン大手の旧富士通ゼネラル、パロマグループ入りで何が変わる?

ink_pen 2026/1/26
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2026年から「ゼネラル」として再出発するエアコン大手の旧富士通ゼネラル、パロマグループ入りで何が変わる?
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2025年8月にパロマ・リームホールディングスの完全子会社となり、2026年1月1日付けで社名を変更したエアコン大手メーカーの「ゼネラル」(旧・富士通ゼネラル)は1月15日に都内で記者会見を開催し、今後の事業展望などを説明しました。

ゼネラルを買収したパロマ・リームは、ガス器具会社のパロマが1988年にアメリカ第1位の給湯機器メーカーであるリーム社を買収し、2023年にホールディングス制に移行。その後は事業会社のパロマとリームを100%子会社として抱えていましたが、そこに今回、同じく100%子会社としてゼネラルが加わることとなりました。

↑パロマ・リームグループ新体制

空調・給湯器分野でガス式と電気式の両方を保有

パロマ・リームではこれまで、空調機器に関してはリームがアメリカでダクト式エアコンを製造・販売してきました。ダクト式とは、セントラル空調とも呼ばれ、1台の冷暖房装置からダクトやパイプで各部屋に冷暖房が供給される方式で、アメリカで主流の空調となっています。

一方、給湯に関しては、パロマがガス瞬間式を中心に、ガスタンク式、タンク式電気温水器を展開しており、アメリカではリームがヒートポンプ式も販売中。

しかし、世界の潮流を見たとき、エアコンは日本のような各部屋に設置する壁掛け式(セパレート式)が主流になりつつあり、給湯器もヒートポンプ式の市場が拡大しています。

パロマ・リームの小林弘明社長はゼネラルを買収した目的について次のように説明します。「世界の潮流が日本式とも言える壁掛け式に移行している中、われわれとしても、技術の根幹を持つ日本メーカーから学ぶ必要があると考えていました。ヒートポンプ式給湯器も、自社で製造しているものの、技術的にはまだまだ足りていないと感じていたのです。この2つの技術を持つゼネラルは、これ以上にないパートナーであり、われわれの先生でもあります。ゼネラルにはこの2つの分野において、グローバル市場でわれわれのグループを牽引する役目を担って欲しいと思っています」。

↑パロマ・リームの小林弘明社長

こうして、ガスと電気の2方式で空調と給湯をそろえる、世界的にもめずらしいメーカーが誕生。同グループは今後、各国のエネルギー政策やインフラ事情に応じて、最適な方式を提案していくとしています。

↑ゼネラルが加わることでパロマ・リームグループは空調・給湯器分野でガス・電気2方式をそろえるまれな存在になる

さらに、ゼネラルの買収は製品ラインアップの拡充や販売網の融合、サプライチェーンの効率化に加え、保守・修繕サービス体制の共同運営という観点からも大きなメリットがあるとしています。

「日本の場合、パロマはガス給湯器の取り付けや修理で冬が忙しく、ゼネラルはエアコンの取り付け・修理で夏が忙しい。裏返して言えば、パロマは夏に余裕があり、ゼネラルは冬に余裕がある。両社が一緒になることで平準化が可能になり、サービス品質の向上が図れます」(小林社長)

夏が猛暑になると決まってエアコンの需要が急増し、取り付け工事に2~3週間の待ちが発生し、修理にも長期間待たされるケースが続出します。真冬に大寒波が襲来した際も、給湯器に同様の事象が発生。命に関わる猛暑・寒波の際、取り付け工事や修理に迅速に対応できるのは、競合に対して大きなアドバンテージになります。

↑ゼネラルの参画は製品開発、販売網、サプライチェーン、保守サービスで大きなメリットになる

モジュラーデザインにより世界市場で売上拡大

今後の製品づくりに関して、ゼネラルの増田幸司社長は次のように語りました。「今後、モジュラーデザインによる部品の標準化、共通化を推進していきます。日本発の製品づくりを基本としながら、世界各国で異なるニーズに迅速に対応し、コスト競争力のある製品をスピーディーに市場に届けることが可能になるのです」。

↑ゼネラルの増田幸司社長
↑海外市場を拡大するためモジュラーデザインによる生産の標準化を進める

また、ゼネラルが持つ電気空調技術とパロマ・リームが持つガス給湯技術を融合することで、世界に一つしかないユニークな製品が今後生み出せるのではないかと、増田社長は続けます。

「少し遠い未来の話かもしれませんが、ゼネラルのエアコンがお子様のテストを5点プラスさせる、親御さんを8歳長生きさせる、そんな特徴があったらどうでしょう。こんな話をすると皆に笑われるのですが、単に空気を温める、冷やすだけでなく、人間自身の機能を上げる、効率性を高める、人の暮らしに貢献できるモノづくりを実現すべく、既に研究を始めているところです」

さらに、自治体と連携して社会課題の解決にも取り組んでいきたいと話します。「猛暑の中、エアコンをかけずに室内で熱中症にかかる高齢者が問題視されています。そこで自治体と連携し、熱中症アラートが発報されたら、ネットワークを通じて遠隔でエアコンをオンにできないか、といったお話も始めているところです」。

↑ゼネラルは空調を通して、「ライフ・コンディショナー」として人々の健康や安全を守っていくとする

ゼネラルでは、2025年春に首掛け式の「ウェアラブルエアコン」(直販価格6万円)の第4世代モデルを発売しています。建設や物流、イベント運営など法人向けに販売しているもので、冷却だけでなく温熱機能も併せ持つのが特徴。

↑BtoB向けに販売しているウェアラブルエアコン

今後は新体制のもとで、既成概念にとらわれずに製品開発を行い、シナジー効果も合わせて、10年後をめどにグループ全体で売上高3兆円を目指していくとしています。

↑2025年度のグループ売上高は約1.4兆円を見込む。10年後をめどに3兆円を目指す
↑2026年出荷分からエアコンのロゴはゼネラルに変更。ブランドは「nocria(ノクリア)」のまま
↑室外の社名ロゴも変更

ゼネラル

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