チェーンソー出荷数量世界No.1のSTIHLが創業100周年で新バッテリー「ALLPRO」と電動チェーンソーを発表

ink_pen 2026/10/9
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チェーンソー出荷数量世界No.1のSTIHLが創業100周年で新バッテリー「ALLPRO」と電動チェーンソーを発表
鈴木博之
すずきひろゆき
鈴木博之

フリーランスエディター/ライター。これまでさまざまなジャンルの雑誌編集に携わり独立。現在はモビリティやガジェット、ライフスタイル分野を中心に雑誌・Web媒体で取材・執筆を行う。メーカー発表会や現地取材をもとに、プロダクトの背景や開発ストーリーを掘り下げた記事を得意とする。

チェーンソー出荷数量で世界No.1を誇るSTIHL(シュティール)が10月8日、プロ向けの新たなバッテリープラットフォーム「ALLPRO」と、同バッテリーに対応する新型の電動チェーンソー「MSA 260 C-O」を都内で発表しました。

会場では新製品の紹介に加え、元ラグビー日本代表の畠山健介さんによるチェーンソーのデモンストレーションも披露されました。

創業100周年を迎え、ブランド名を「シュティール」に

STIHLは1926年、ドイツ・シュトゥットガルトで創業。「自然の中で働く人々の仕事をより快適にする」という考えを100年間にわたって掲げてきました。

発表会では、STIHLのグローバル営業統括 上級副社長のウェンデリン・ガンター氏が、今後はアウトドアパワー製品において世界的なバッテリーブランドとなることを目指していくと説明し、創業以来の使命は変わらないと話しました。

日本法人の中山健太郎CEOは、100周年を機に、日本でこれまで「スチール」と表記してきたブランド名を、ドイツ語の発音に近い「シュティール」へ変更すると発表。今後も農業、林業、造園、建設、ホームガーデンなど、幅広い現場で製品を展開していくと説明しました。

↑会場では電動チェーンソー以外にも、ガソリンモデルやさまざまなモデルを展示

プロの現場を支える新バッテリー・ALLPRO

今回の発表で注目されたのが、プロフェッショナル市場向けの新バッテリープラットフォームとなるALLPROです。同社ではいままでも電動チェーンソーなどの電動ツールに搭載するバッテリーは販売していたものの、今回のALLPROは別次元のスペックを誇るもの。

プロの現場では、騒音や排気ガス、振動に加え、人手不足や作業効率、安全性など、さまざまな課題がありました。バッテリー製品はこうした課題への対応策として普及していますが、従来はパワーや充電時間、重量、耐久性などが課題となるケースもありました。

↑いままでの電動チェーンソーには課題もあった

ALLPROは、そうしたプロの現場での使用を想定した新しいプラットフォームで、大きな特徴のひとつが、高性能なタブレスセル技術を採用したところ。最大4kWの高出力を実現し、チェーンソーなど高いパワーを必要とする電動工具にも対応。さらに、最大3,000回の充放電サイクルを想定した長寿命設計も見どころです。

↑タブレスセルを採用することによりパワー不足をはじめさまざまな問題を解消

充電時間も短縮され、ダウンタイムの削減にもつながります。たとえば、バッテリーを使い切るまで約25分作業した場合でも、急速充電により約30分で満充電にできるため、2本のバッテリーを交互に使用すれば、充電待ちによる作業の中断を抑えられます。

屋外のプロ現場での使用を想定し、IPX5の防水性能を備えるほか、マイナス20度からプラス50度までの温度環境にも対応。過酷な環境でも使いやすいバッテリーを目指しています。

容量は異なるものの同サイズの「AP100P(税込33,000円)」「AP200P(税込44,000円)」「AP300P(税込60,500円)」の3モデルを用意し、作業内容に合わせて選択できます。同じプラットフォームを使えるため、用途に応じてバッテリーを使い分けられるのもメリットです。

さらに、今後は業務用清掃機器などを手掛けるドイツのケルヒャーの製品にもALLPROのバッテリー技術が採用される予定で、林業や造園などにとどまらない展開も期待されます。

↑ALLPROバッテリーは容量に応じて3種類用意。重量は異なるが外形サイズは同じ

新型の電動チェーンソー「MSA 260 C-O」も登場

↑コンパクトなボディながら、最新のALLPROバッテリーを搭載することによりパワフルさを実現

会場ではALLPROに対応する新型の電動チェーンソー・MSA 260 C-O(税込132,000円)も披露されました。若木の間伐や生育管理など、日常的にチェーンソーを使用するプロユーザーを想定したモデルで、パワーを確保しながら取り回しやすさにも配慮しています。

木くずや粉じんからフィルターを保護する機構を備え、メンテナンスのしやすさにも配慮。実際の作業で長時間使うことを考え、操作性や疲労軽減にも重点が置かれています。 STIHLの電動チェーンソーは、自社でバッテリーからチェーン(刃)まで開発しているのが特徴で、今回展示されていたバッテリーはルーマニア製でした。

畠山健介氏がチェーンソーを実演。「すごいパワフル」

↑STIHLのMSA 260 C-Oを報道陣の前でデモンストレーションした畠山健介氏

会場では、元ラグビー日本代表の畠山健介氏によるチェーンソーの実演も行われました。STIHLのバッテリーツールアンバサダーを務める畠山氏が実際に丸太を切断すると、そのパワーに「すごいパワフルさを感じました」とコメント。

畠山氏は宮城県気仙沼市出身で、2011年の東日本大震災では実家が津波で流される被害を経験しています。そのため、熊本地震や能登半島地震の被災地にも足を運び、被災地での家屋の片付けなどの支援にも携わっています。

災害現場では、被災者にとって光や温度、そして作業による「音」も大きなストレスになることがあるといいます。畠山氏は、エンジン式チェーンソーに比べて静かなバッテリー式チェーンソーが、こうした現場で役に立つ可能性にも言及しました。

創業から100年を迎えたSTIHL。ブランド名をシュティールへ改めるとともに、プロの現場を意識したバッテリー製品の強化を進めています。今回発表されたALLPROが、これからの同社のバッテリー戦略を象徴する存在になるかもしれません。

↑左から、中山健太郎氏、畠山健介氏、ウェンデリン・ガンター氏

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