【有機EL(ゆうきいーえる)】とは、「有機エレクトロルミネッセンス」の略で、有機化合物に電圧をかけると光を放つ物理現象を応用した発光素子。主にテレビやスマホなどのディスプレイに活用されています。高いコントラスト比によって、深く沈みこんだ黒が再現できるほか、色の再現性に優れているのが特徴。省電力で超薄型化が可能なのもメリットです。
ソニーの再参入で再び注目を浴びる次世代ディスプレイ方式
有機ELは、1980年代にブラウン管に続く次世代ディスプレイ候補として検討されましたが、量産化が難しく、長らく製品化されることはありませんでした。2007年、ソニーが世界初の11型有機ELテレビ「XEL-1」を20万円で発売。その画質は高く評価されましたが、製造コストの高さや大型化の難しさなどから後続機が出ることはなく、2014年、国内で最後まで開発に取り組んでいたソニー、パナソニックが事業から撤退しました。
しかし、近年になって韓国のLGが大型有機ELパネルの量産に成功。国内メーカーでは東芝、パナソニックが同社からパネルを購入し、相次いで有機ELテレビの製造に参入しています。
そして2017年の5月8日には、一度は撤退したソニーが有機ELテレビに再参入するというニュースが報じられ、話題になりました。東芝はすでに3月に4K有機ELテレビ「レグザ X910」を発売し、パナソニックも4K有機ELテレビを6月に国内で初めて発売する予定(欧州ではすでに販売済み)。2017年は「有機ELテレビ元年」になるとの声が上がっています。
【一言まとめ】
有機ELは、高コントラスト比の美しい映像を再現できるディスプレイで、省電力、超薄型化が可能。国内メーカー3社の参入で市場が活性化しつつある。