盛り上がりを見せるワイヤレスイヤホン市場には、海外・国内を問わず人気ブランドが続々と参入。音質を磨き上げたモデルも数多く登場しています。今回は2万円前後の価格で購入できる「美音ワイヤレスイヤホン」3アイテムを、プロが試聴しました。
音質に定評のある人気モデルがワイヤレス化して続々登場
「現在イヤホンの世界では、ベースとなる定番有線モデルのワイヤレス化が顕著です」とオーディオライターの山本 敦さんは語ります。「CX 7.00BTは、ゼンハイザーのスタンダード機。手ごろな価格で上質な音を楽しめるCXシリーズ初のワイヤレス機で、ファンの間で話題です。オーディオテクニカのATH-CKR75BTはハイレゾ対応のCKR70がベースで、キレのある音が魅力です」
「ベースの有線モデルがないラディウスのHP-BTL01も面白いですね。ハイレゾ相当の情報量を転送できるLDACに対応しており、Bluetooth音質を追求した意欲作です」
一切のケーブルを排した「完全ワイヤレス」が人気ですが、これに対して「左右一体型」のメリットはスタミナだと山本さんは言います。「完全ワイヤレスの連続再生は3時間程度なのに対し、左右一体型は10時間を超えるものもざら。長時間の移動でも安心して使えます」
ゼンハイザーらしい歯切れの良い音を堪能
ゼンハイザー
CX 7.00BT
実売価格1万9980円
●NFC対応●再生周波数帯域:17Hz~21kHz●連続再生:10時間●質量:48g
同社のスタンダードモデルの名機といわれるCXシリーズ初のワイヤレスモデルです。高音質コーデックのaptXに対応するなど、音質へのこだわりは見事。快適な装着性を追求し、エルゴノミクスデザインのネックバンド型を採用しています。人間工学に基づいた設計のネックバンドは、硬質ながらフィット感は抜群。イヤホン部分の装着感も上々で、快適に使えます。
プロのジャッジ:86点
「シャープで歯切れの良い音。低音の量感は控えめながら、引き締まったスピード感が持ち味です。抜群の透明感がJ-POPのボーカルやジャズピアノと合います」
新開発ドライバーによりキレのあるサウンドを実現
オーディオテクニカ
ATH-CKR75BT
実売価格1万6070円
●NFC非対応●再生周波数帯域:5Hz~40kHz●連続再生:最大約7時間●質量:17.8g
高音質を追求したSound Realityシリーズ初のワイヤレスイヤホン。アルミ製のハウジングに新開発の11.8mm口径ドライバーを搭載し、キレのあるクリアなサウンドを実現しました。カラーはブリリアントレッド(写真)など4色で展開。ネックバンドは採用せず、衣服に取り付けて固定できるクリップをケーブル部に搭載し、ストレスなく音楽を楽しめます。
プロのジャッジ:83点
「明るくきらびやかな中高域で、音場はワイド。クラシックピアノやしっとりとしたジャズの女性ボーカルは、グラマラスなハイトーンの余韻に心地良く包まれます」
Bluetoothでもハイレゾ相当の高精細サウンドを楽しめる
ラディウス
HP-BTL01
実売価格2万1570円
●NFC非対応●再生周波数帯域:20Hz~40kHz●連続再生:最大約7時間●質量:40g
ハイレゾ相当の高品位なワイヤレス再生を実現するBluetoothオーディオ規格「LDAC」に、それを開発したソニー以外のブランドで初めて対応したワイヤレスモデル。付属のケーブルを接続すれば、ハイレゾ対応の高音質モデルとなります。ネックバンドはしっかりとしたつくりですが、比較的軽量で薄型設計のためさほどストレスを感じません。
↑電源ボタンやボリューム調節、充電用端子はネックバンド左に。しっかりと押せるので操作ミスが少ないです
プロのジャッジ:83点
「音のつながりが良く、ロックやジャズのビッグバンドを聴くと、思わず身体を揺らしたくなるグルーブ感です。ウォークマンやエクスペリアなどLDAC対応のプレーヤーでぜひ」
【解説してくれた人】
AVライター
山本 敦さん
ワイヤレスオーディオの最新事情に精通。「名機」と呼ばれるモデルのワイヤレス化ブーム到来に期待しています
協力:楽天市場