1型以上の大きなセンサーを搭載した高級コンパクトカメラの多くは、携帯性と高画質をバランスよく両立させています。同時に、レンズ交換式にはない独自のギミックや個性が際立ったモデルも多数存在。ここでは、話題の3製品を取り上げ、その革新性を1~5の5段階(5が最高)で評価します。
※記事内の価格は2017年12月末時点の編集部調べによるものです
【エントリー①】
APS-Cセンサー&3倍ズームを小型ボディに凝縮して搭載
キヤノン
PowerShot G1 X MarkIII
実売価格12万7460円
APS-Cサイズの大型センサーと光学3倍ズームを装備しながら、従来の1型センサー機と大差ないコンパクトボディを実現した注目の一台。EOSシリーズから継承した高速AFや高性能な画像処理エンジン、明快な操作性なども魅力です。
【SPEC】
●センサーサイズ:APS-Cセンサー ●有効画素数:約2420万画素 ●レンズ:24~72mm相当F2.8-5.6 ●モニター:3.0型、約104万ドット ●大きさ・重さ:W115×H77.9×D51.4mm・約399g
【CHECK01】独自機能:5
小型ボディにAPS-Cセンサーを採用しつつ、単焦点ではなく光学ズームを搭載できたことは非常に画期的。
【CHECK02】使い勝手:4
上下左右に回転するバリアングル液晶によって、自由な構図で撮影可能。タッチ操作にも対応しています。
【CHECK03】操作性:4
前面グリップ部にダイヤル、レンズ部にリング、背面にホイールを搭載。各種の設定を直感的に変更できます。
【CHECK04】EVF性能:4
約236万ドットの有機ELを装備する。EVF使用時に液晶をタッチして、測距点を自在に動かすことも可能。
【エントリー②】
電子式と光学式を切り替えて使える唯一無二のファインダー
富士フイルム
X100F
実売価格12万8840円
初代X100から数えて4代目となる単焦点レンズ搭載機。高品位なデザインと各種ダイヤルによるアナログ操作や、独自の「ハイブリッドファインダー」を継承しつつ、センサーの高画素化やAF強化などを図り、完成度を高めました。
【SPEC】
●センサーサイズ:APS-Cセンサー ●有効画素数:約2430万画素 ●レンズ:35mm相当F2 ●モニター:3.0型、約104万ドット ●大きさ・重さ:W126.5×H74.8×D52.4mm・約469g
【CHECK01】独自機能:3
35mm相当の明るい単焦点レンズを継承。今回のテーマである革新性という点で評価は控えめですが、高性能で魅力的なレンズです。
【CHECK02】使い勝手:5
ジョイスティック型フォーカスレバーを背面に新設。心地よく操作でき、測距点を素早く快適に動かせます。
【CHECK03】操作性:4
直感的なダイヤル操作を継承。絞り値やシャッター速度、露出補正などをダイレクトに設定できます。
【CHECK04】EVF性能:4
特徴的な「ハイブリッドビューファインダー」を搭載。電子式と光学式を自動または手動で切り替えて使用できます。
【エントリー③】
小さなボディに明るいズームと高精細なEVFを搭載
ソニー
DSC-RX100M5
実売価格11万7930円
シリーズ5代目となる1型センサー搭載の高級コンパクト。胸ポケットにも収まる小型軽量ボディを維持しながら、先代機よりAFと連写が大きく進化しています。レンズにはツァイスブランドの光学2.9倍ズームを搭載。
【SPEC】
●センサーサイズ:1型センサー ●有効画素数:約2010万画素 ●レンズ:24~70mm相当:F1.8-2.8 ●モニター:3.0型、約123万ドット ●大きさ・重さ:W101.6×H58.1×D41.0mm・約299g
【CHECK01】独自機能:4
AF/AE追従で約24コマ/秒の高速連写に対応。動画並のスピードであり、狙った瞬間を逃さず撮影しやすくなっています。
【CHECK02】使い勝手:4
シリーズで初めてファストハイブリッドAFを採用。薄暗いシーンや動きのある被写体にも素早く合焦します。
【CHECK03】操作性:4
気軽に持ち運べる小型ボディはシリーズ共通の魅力。ただ手が大きな人には、やや窮屈で操りにくい印象も。
【CHECK04】EVF性能:5
収納式有機ELファインダーを継承。表示は小さめですが、スリムな1型センサー機でEVF内蔵はお見事。
文・作例/永山昌克 撮影/高原マサキ(TK.c)