12月の4K・8K本放送開始に向け、4Kテレビは低価格帯モデルが充実してきました。そこで今回は、機能が充実した大手メーカーのエントリーモデルを3機種ピックアップ。プロが性能やリモコンの使い勝手などを検証し、本当にお買い得かを見極めます。
※テレビのサイズ/質量はスタンドを含む数値
【解説する人】
テクニカルライター 湯浅顕人さん
PC&AVのライター。様々な音楽コンテンツをよく視聴するため、4Kテレビの音質にもこだわっています。
大手メーカー製の入門機は高コスパ
4Kテレビは低価格帯モデルのラインナップが充実してきました。ここで取り上げたのは、大手メーカー製の入門機モデル。テクニカルライターの湯浅顕人さんによれば、これらのモデルは高い技術を搭載しているといいます。
「大手メーカーのエントリーモデルは上位機に使われる高画質技術を踏襲していることが多く、高コスパです。東芝のレグザ C310Xは、同社のミドルクラス・M510Xと性能がほぼ変わりません」
<採点項目チェック>
1.操作性
リモコンの使い勝手を中心にチェック。ボタンの配置やレスポンスのスピードを検証しました。
2.ネット機能
ネットコンテンツの充実度をチェック。検索のしやすさやアクセス時のラグも検証しました。
3.画質
地デジ放送の4Kアップコンバート性能に注目。ワイプ画面などでの微細な描写も評価しました。
4.音質
人の声の聴き取りやすさを中心に検証しました。重低音強化など音声モードの多彩さも評価。
【その1】新回路の搭載により鮮やかで自然な色を再現!
パナソニック
ビエラ TH-49FX600
実売価格16万4220円
多くの補正ポイントを持つ色忠実補正回路を搭載し、鮮やかかつ自然に再現。よく見るチャンネルやアプリなどを登録すると、「かんたんホーム」画面からすぐアクセスできます。●サイズ/質量:W1102×H699×D232㎜/約15㎏●4Kチューナー:非搭載●4K VOD対応数:7●地デジ/BS・110度CS:各2●HDMI入力端子:3
操作性:★×5
リモコン上部左によく使うボタンを配置
「アプリ一覧を表示する『マイアプリ』や、録画&VODコンテンツを一覧できる『アレコレ』など使用頻度の高いボタンを集約し、押しやすい設計。起動のレスポンスも早く、快適でした」
ネット機能:★×4.5
ウェブプラウザがプリインストールされてすぐページ閲覧可能
「VODやアプリは購入時から非常に豊富で、さらにマーケットでアプリを追加可能。初めからウェブブラウザが利用でき、ネットをつないですぐにページの閲覧ができるのも便利です」
画質::★×5
ワイプ内に映った小さな顔も柔らかくキレイに描写
「地デジの4Kアップコンバートは、自然な色合い。ワイプ内の人の顔では輪郭こそキリッとしていないものの、柔らかく表現されキレイでした。4Kネイティブ映像は、艶やかな鮮やかさです」
音質:★×5
内蔵スピーカーとは思えないほどの重厚な音質を実現
「スピーカーを外付けしているかと思うほどの美音で、小音量でも人の声がクリアに聴こえました。映画鑑賞では『低音強調』をオンにすれば、より迫力のあるサウンドが楽しめます」
【その2】明るさセンサーを内蔵し部屋の明るさに即マッチ!
シャープ
AQUOS LC-50US5
実売価格15万4630円
新開発エンジンを搭載したことで、従来モデルよりも精細感を高め、臨場感豊かな映像を再現。「明るさセンサー」によりバックライトを自動調整でき、見やすい映像を実現します。●サイズ/質量:W1126×H719×D271㎜/約22.0㎏●4Kチューナー:非搭載●4K VOD対応数:3●地デジ/BS・110度CS:各3●HDMI入力端子:4
操作性:★×5
テレビとネットの操作ボタンエリアを視覚的に区分
「リモコンの上半分は『テレビ操作ゾーン』で黒色に、下半分が『ネットコンテンツ操作ゾーン』で白く塗り分けられて見やすいです。音声操作の認識精度は抜群で、自然に話せばOK」
ネット機能:★×5
視聴履歴を基にオススメの番組やネットコンテンツを表示
「AIoT技術を生かしたクラウドサービス『COCORO VISION』が秀逸。テレビの前に座るだけで電源が入り、ユーザーの視聴履歴などを基にオススメの番組やネットコンテンツを表示します」
画質:★×4
肌の質感を滑らかに仕上げ色合いも自然
「地デジの4Kアップコンは髪の毛や肌の質感が滑らかで、色合いも自然。4Kネイティブに迫るほどの精細な映像を楽しめます。ワイプ内の人の小さい顔も、自然に表現されていました」
音質:★×4
定位感があり楽器や人の位置を確かに感じられる
「定位感があり、楽器の位置や話している人の移動を鮮明に感じられます。特に高音に優れ、映画内の金属音などは、大きな音は歪まず、小さな音は埋もれずにしっかりと聞こえました」
【その3】ノイズを効果的に除去して地デジ放送もクリアな画質に
東芝
レグザ 49C310X
実売価格10万円
「地デジビューティ」で地デジ放送の映像ノイズを効果的に除去し鮮明な映像に仕上げます。「みるコレ」機能を使えば「SFアニメ」などテーマを登録するだけで一年中自動で録画。●サイズ/質量:W1110×H695×D248㎜/12.0㎏●4Kチューナー:非搭載●4K VOD対応数:6●地デジ/BS・110度CS:各3●HDMI入力端子:4
操作性:★×5
録画・再生に使うボタンが集約されて使い勝手良好
「録画予約や録画番組の再生に必要な『番組表』『録画リスト』『十字ボタン+決定ボタン』といったボタンを集約しているため、快適に操作可能。数字ボタンは大きくて押しやすいです」
ネット機能:★×5
好きなタレントやジャンルの映像を手軽に探して見られる
「『みるコレ』ではタレントやジャンルで検索すると、テレビ番組とVOD全体から探し出します。加入していないVODのコンテンツからも検索可能。テレビCMも検索対象となるのは秀逸です」
画質:★×4
動きの速いシーンでも滑らかに描写し輪郭も際立つ
「残像が少なく、動きの速いシーンでも滑らか。地デジではわずかに輪郭がぼやけますが、ネイティブ4K動画なら問題ありません。色再現も忠実で、鮮やかかつ自然に濃淡を表現できます」
音質:★×4
「クリア音声」をオンにすれば人の音声がハッキリ!
「デフォルトでは音がややこもるものの、『クリア音声』をオンにすると、人の声が際立ちます。効果音やBGMとの相性も良く、ニュース番組のほかドラマや映画でも不自然さがありません」