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カメラ
2018/5/8 18:00

これからカメラを趣味にしたい人へ――パナソニック「LUMIX GX7 Mark III」という“バランス重視”の選択

入門機から上級機まで幅広いラインアップを誇るパナソニックのミラーレス一眼。なかでも高機能と携帯性をバランスよく両立させた、“ツウ好み”の中級機が「LUMIX GX7 Mark III」です。本稿では前モデルとの比較を交えながら、その実写レビューをお伝えしましょう!

※本記事内の作例はベータ機で撮影しています

 

【今回紹介するカメラはコレ!】

パナソニック
LUMIX GX7 Mark III
実売価格9万4780円(ボディ)

パナソニック「LUMIX GX」シリーズは、レンジファインダーカメラを思わせるスリムな横長ボディを採用したミラーレス一眼です。初代「LUMIX GX7」は、ボディ内手ブレ補正やチルト可動式ファインダーといった高機能を凝縮したモデルとして2013年に発売。さらに2016年には、手ブレ補正の改良やセンサーのローパスレス化を図った2代目「LUMIX GX7 Mark II」が発売されました。

 

そして今回取り上げるのが、2018年3月に登場した3代目「LUMIX GX7 Mark III」です。機動力と速写性を重視した「ストリートフォト一眼」という基本コンセプトを受け継ぎながら、センサーの高画素化や撮影機能の強化を実現しています。

SPEC●撮像素子:有効2030万画素、4/3型MOS センサー ●常用感度:ISO200~25600 ●連写:約9コマ/秒(AF固定)、 約6コマ/秒(AF追従) ●モニター:3.0型、 約124万ドット、可動式(チルト式)、タッチ対応 ●ファインダー:約276万ドット ●大きさ・重さ:約124×72.1×46.8mm・450g

 

「速写性」に優れたスリムな横長ボディに可動式ファインダーが復活

まずは、GX7 Mark IIIの外観を前モデルGX7 Mark IIと比較しながら、その進化点をチェックしていきましょう。

 

GX7 Mark IIIの外形寸法は、幅124×高さ72.1×奥行46.8mm。前モデルよりわずかに大型化していますが、実際に手にしたときのサイズ感はほとんど同じ。バッテリーとカードを含めた重量は24g増して450gで、これは電子ビューファインダー搭載のミラーレスとしては比較的軽量です。

↑左が既存モデルGX7 Mark IIで、右が新モデルGX7 Mark III(以下も同じ)。グリップの形状が変化したほか、前面右下の「L」マークが省かれています

 

外見上の大きな違いは、GX7 Mark IIでは固定式だった電子ビューファインダーが、上に最大90度動くチルト可動式になったこと。初代モデルの仕様が復活したことになります。ファインダーをのぞきながらローアングルで撮るときに役立ちます。

↑GX7 Mark III(右)ではチルト可動式の電子ビューファインダーが復活。下を向いた姿勢で、目の前の風景を撮ることができます

 

↑GX7 Mark III(右)では、天面の右端に露出補正ダイヤルが追加され、直感的に露出を変更できるようになりました。それにともなって電源スイッチの位置が移動しています

 

液晶モニターについては、ドット数を104万画素から124万画素へと高精細化しています。液晶モニターのチルト可動は上に約80度、下に約45度に対応。タッチパネルによってAF測距点を素早く選択できる点はこれまでと同じです。

↑背面では、フォーカスモードレバー(フラッシュボタンの左)が追加された点が大きな変化です。それ以外のボタン類の基本レイアウトは継承。液晶は高画素化し、メニューUIは1画面あたりの情報量が増えるよう一新されました

 

↑細かな点ですが、側面の端子カバーも改良。GX7 Mark III(右)では、カバーを押しながらスライドさせることで、本体内部にカバーが格納されるユニークな仕掛けを新採用しています

 

操作面では特に、フォーカスモードの採用によってAFS(一度ピントを合わせるとフォーカスが固定される、静止した被写体向けのAFモード)とAFC(シャッターボタンを半押ししている間ピントを合わせ続ける、動く被写体向けのAFモード)をダイレクトに切り替え可能になったことと、露出補正ダイヤルによって明るさ調整をスムーズに行えるようになったことが便利に感じました。液晶が精細化し、メニューの1画面により多くの情報を表示可能になった点もうれしい改良です。

 

フィルムを思わせる、深みのあるモノクロ表現が全3種類

次に、撮影機能を見ていきましょう。機能面での注目は、発色傾向を調整できるフォトスタイル機能が進化し、新たに「L.モノクロームD」が追加されたこと。これはディテールを残しつつ、ハイライトとシャドウをいっそう強調したモノクロ表現です。従来からある通常の「モノクローム」や「L.モノクローム」と合わせ、3種類のモノクロを狙いに応じて使い分けることができます。

↑フォトスタイル「モノクローム」。一般的なモノクロ表現を得たいときはこれを選択します

 

↑フォトスタイル「L.モノクローム」。より豊かな階調表現を狙うときなどにおすすめです

 

↑フォトスタイル「L.モノクロームD」。コントラストを高めに描写したいときなどに役立ちます

 

さらに、これらのモノクロのフォトスタイルには、オプション設定として「粒状」が追加されました。画像にザラザラとした粒状感を与え、白黒フィルムのような質感を作り出す効果です。手っ取り早く、雰囲気あるモノクロ作品に仕上げたいときに役立つでしょう。

↑アナログライクなランダムノイズを加える「粒状」の設定画面。効果は「弱/中/強」の3段階から選べます

 

細かな使い勝手が向上! おなじみ4Kフォトにも新機能

LUMIXではお馴染みの4Kフォト機能については、「オートマーキング」と「軌跡合成」に新対応しました。オートマーキングとは、4Kフォトによって秒間30コマ連写で撮影している間、被写体の動きや人物の顔をカメラが自動検出し、画像選択時に自動的にその位置にマーキングを行う機能です。これにより、画像選択がスムーズに行なえます。

↑軌跡合成では、4Kフォトで撮影した連写画像を1枚に合成することで、被写体の動きを軌跡として表現することができます

 

そのほかには、新たにBluetooth 4.2(Bluetooth Low Energy)に対応し、スマホやタブレットと常時接続が可能になったことや、よく使う機能を登録できるマイメニューを搭載したことなども、使い勝手を高める進化といえます。

↑Bluetooth接続に新対応。リモート起動をオンにしておくと、カメラの電源がオフの状態でもスマホ側から起動して画像閲覧や転送などが素早く行えます

 

↑電源はリチウムイオン充電池「DMW-BLG10」。撮影可能枚数は、液晶モニター使用で約260枚(ファインダー使用で約250枚)。高画素化したため、前モデルよりやや少なくなったのは残念ですが、引き続きUSB充電対応である点は便利
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