AV
2019/5/24 19:30

「安かろう悪かろう」は過去の話――躍進する中国系ブランドのAV製品をプロが解説

PCやスマホだけでなく、テレビや生活家電にいたるまで、中国メーカーの躍進が止まりません。かつて、中国製品は「安かろう悪かろう」の代名詞的存在でしたが、現在は「安くて良い」を地で行くのです。今回は、そんな注目すべき中国メーカーの製品を、専門家が徹底的に解説します。

 

【わたしがチェックしました】

AVライター/鳥居一豊さん

オーディオ&ビジュアル関連を幅広くカバーするライター。自宅には6.2.4chのホームシアターを備えています。

 

中国ブランドは「作りが甘い」は過去の話

かつて中国メーカー製のオーディオ&ビジュアル機器といえば、機能やスペックは充実しているものの、画質や音質といった「作り」が粗いという印象がありました。しかし、それはもう過去の話。たゆまぬ研究開発により技術力が向上し、テレビをはじめとする中国製AV機器は世界でプレゼンスを高めています。

 

中国製テレビの代表格は、ハイセンスでしょう。2017年に東芝のテレビ事業を買収し、映像エンジンの共同開発を推進。これにより、画質・音質ともに大きな進化を遂げています。また、昨年12月に日本でスタートした新4K放送に合わせて、同チューナー搭載テレビをいち早く発売。機能や使い勝手の面でも日本製テレビと肩を並べており、コスパは抜群に高いといえます。

 

ほかには、モバイルバッテリーなどでおなじみのAnker(アンカー)が、AV機器に注力している点も見逃せません。元々評価の高いスピーカーに加えて、モバイルプロジェクターやワイヤレスイヤホンなど、意欲作を続々リリース。こちらもリーズナブルな価格で人気上昇中です。

 

世界的にシェアを広げている「Hisense」

ハイセンスは中国で最大規模の総合家電メーカーで、テレビは世界第4位のシェアを誇ります。2018年FIFAワールドカップでは、初の公式スポンサーとなりました。東芝 レグザとの共同開発により、テレビのクオリティが著しく向上しています。

 

【その1】

4Kチューナーを内蔵する有機ELハイエンドモデル

ハイセンス

55E8000

実売価格24万6240円

新4K放送チューナーを内蔵した55V型有機ELテレビ。東芝との共同開発による映像エンジン「レグザエンジンNEO Plus」を搭載します。地デジから4K放送、ネット動画まで様々なコンテンツを、高精細かつ鮮やかな画質で楽しめます。

【SPEC】●画面サイズラインナップ:55V型●チューナー:BS/CS 4K×1、地デジ/BS/110度CS×3●接続端子:HDMI×4、USB×2、LAN×1ほか●サイズ/質量:W1226×H754×D272mm/22.7kg

 

↑自発光の有機ELのメリットを生かしたスリムなデザイン。軽量で設置性が高いのが魅力です

 

【注目ポイント】ストレスなく使える独自の操作メニュー

「独自の操作メニュー『VIDAA』は見やすく、動作もサクサク。幅広いVODサービスに対応し、ストレスなく視聴できます」(鳥居さん)

↑サービスを大きなアイコンでシンプルに表示。利用したいサービスへ直感的にアクセスできます

【その2】

4Kチューナー&レグザエンジン搭載で7万円切りを実現!

ハイセンス

43A6800

実売価格6万991円

「レグザエンジンNEO」を搭載する、4Kチューナー内蔵の43V型液晶テレビ。独自の動画補間技術「SMR」で、素速い動きもくっきりと描画します。低遅延でプレイできるゲームモードを備えるなど、エントリー機ながら機能も充実。

 

【SPEC】●画面サイズラインナップ:50V、43V型●チューナー:BS/CS 4K×1、地デジ/BS/110度CS×3●接続端子:HDMI×3、USB×2、LAN×1ほか●サイズ/質量:W961×H606×D214mm/11.7kg

↑内蔵スピーカーは「DOLBY AUDIO」規格に対応。立体的で臨場感豊かな音を堪能できます

 

【注目ポイント】地デジ放送の映像もくっきりとした画質に

「レグザとの共同開発で磨いた画質は、6万円台とは思えません。地デジ放送も低ノイズのくっきりとした映像に仕上げます」(鳥居さん)

↑「レグザエンジンNEO」を内蔵。映像の高画質化を司るだけでなく、様々な機能の高速処理に寄与しています

 

【このメーカーも注目!】JBLスピーカーを内蔵し迫力のサウンドを実現

TCL

55C600U

実売価格7万5373円

世界第3位のシェアを誇る同社の最新モデルで、4K HDRに対応し、広色域かつ高輝度の映像を実現する55V型液晶テレビ。JBL製スピーカーを内蔵したサウンドバーを備えます。4Kチューナーは非搭載です。

 

オーディオ分野で快進撃を続ける「Anker」

Ankerは、元Googleの技術者のスティーブ・ヤンが2011年に創業し、ノートPC用バッテリーの製造・販売からスタート。モバイル機器のアクセサリーを中心に展開しますが、近年はスピーカーやイヤホンなどAV機器の開発にも精力的です。

 

【その1】

片手サイズで手軽に使えるAndroid搭載プロジェクター

Anker

Nebula Capsule Pro

実売価格4万6800円

OSにAndroid 7.1を搭載するモバイルプロジェクター。DLP方式を採用し、350mℓ缶サイズのコンパクト設計ながら、150ANSIルーメンの明るく見やすい映像を実現します。動画は約4時間、音楽なら約30時間の連続再生が可能です。

【SPEC】●表示素子:0.2インチDLP●解像度:854×480●輝度:150ANSIルーメン●投射距離:3.08m(100インチ)、1.15m(40インチ)●接続端子:HDMI1.4×1、microUSB×1●サイズ/質量:φ68×120mm/約470g

 

【注目ポイント】どこへでも持ち出して映画などを単体で楽しめる

「Android搭載のため、単体でも映画や音楽を楽しめます。360°全方位に音を出す内蔵スピーカーのサウンドも上々です」(鳥居さん)

↑単体で楽しめるうえ、小型かつバッテリー内蔵のため使い勝手が良好。暮らしのなかで役立ちます

 

【その2】

ハイレゾ再生に対応するスタイリッシュスピーカー

Anker

Soundcore Model Zero

実売価格1万9800円

ポッカリと穴が空いたようなユニークなデザイン。世界的に評価の高いスキャンスピーク製ドライバーを採用し、高精細なハイレゾ音源の再生にも対応します。バッテリーを内蔵し、IPX5の防水設計のため、屋外でも安心して使用可能です。

【SPEC】●Bluetooth:ver.5.0●実用最大出力:60W●バッテリー連続再生:約10時間●充電:約3時間●接続端子:アナログ音声入力×1(ステレオミニ)●サイズ/質量:W256×H240×D128mm/約2.0kg

 

【注目ポイント】4基のドライバーによるパワフルな音を堪能

「デンマークの高級メーカー・スキャンスピークのドライバーを4基内蔵。合計60Wの大出力で、パワフルな音を楽しめます」(鳥居さん)

↑ドライバーのレイアウトを最適化。鮮明で力強いサウンドは、オーディオファンも納得の品質です

 

ポータブルオーディオはツウ好みの実力派揃い!

ポータブルオーディオの世界でも、メイド・イン・チャイナは一目置かれる存在です。特に、サウンドもデザインも上質な高級モデルは、オーディオファンからの信頼が厚いブランドが揃っています。

 

【その1】定番IEMの音を磨き上げた500台限定コラボモデル

Unique Melody

MAVERICKⅡ Re:

実売価格17万6520円

BeatAudioとのコラボによる500台限定生産モデル。ダイナミック型×1、BA型×4というベース機のドライバー構成はそのままに、音質を磨き上げました。ケーブルは新開発の銀メッキ銅線を採用。

 

【その2】ジュエルカットが美しい5BAドライバー仕様

Astrotec

Delphius5

実売価格5万5000円

超高域×1、高域×1、中域×2、低域×1という5基のドライバーによる3Way構成。クリアで伸びのあるサウンドを実現します。アルミ削り出しの筐体は、美しいジュエルカットデザインが特徴です。

 

【その3】上質なDACで音質を高めたフラッグシッププレーヤー

FiiO

X7 MarkⅡ

実売価格9万3500円

同ブランドのフラッグシップとなるハイレゾプレーヤー。ESS社の高性能DAC「ES9028PRO」により、明瞭なサウンドと広大な音場感を実現しました。Androidをベースに最適化されたOSを備え、直感的な操作が行えます。