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2016/6/9 19:05

キーワードは“マッハ36”! キレのある音で勝負に出た日立マクセル10年ぶりのヘッドホン

ハイレゾポータブルが隆盛を極めるなか、ポータブルオーディオの製品開発に力を入れている日立マクセルから、ハイレゾ対応の密閉型ヘッドホン「MXH-MD5000」が6月10日に発売されます。実売価格は3万9800円前後(税抜)。

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同社としては、約10年ぶりに発売されるヘッドホンとして注目を浴びている本製品。キーワードは“マッハ36”としていますが、その秘密はどこに隠されているのでしょうか。

 

ヘッドホン初のベリリウムコート振動板を採用

MD5000は、45mm径のダイナミックドライバーを搭載した密閉型ヘッドホン。その特徴は、ヘッドホンの心臓部ともいえる振動板に、ヘッドホンとしては初めて(※)ベリリウムコートを採用していることです。
※:日立マクセル調べ

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ベリリウムは、アルミやチタンといった素材よりも硬く、マグネシウム並みの軽さを誇る金属で、高級オーディオブランドのスピーカーユニットなどに使われることがあります。

 

また、音の伝導性に優れ、その速度は音速(マッハ1=340m/s)の約36倍となることから、キーワードに“マッハ36”という表現が使われています。

 

この、音の伝導性に優れ、硬くて軽いというベリリウムの特性が音質にプラスの効果をもたらし、クリアで音の濁りが少なく、高い周波数の再現性や高レスポンス性などに結びついています。

 

また、ドライバーユニットには軽量CCAWボイスコイルや、5層の音響レジスターなどを採用。ハウジングは広がりのある音場を生み出す2層の「デュアルチャンバー構造」となっています。

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このほか、低反発素材の立体縫製イヤーパッドにより装着性も強化。気密性を高め、周囲の環境音の影響や音漏れを防いでいます。

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ケーブルは片耳着脱式で、ヘッドホン側のプラグは3.5mmのネジ式ステレオミニ。ポータブル用の1.2mケーブルと、ホームリスニング用の3mのケーブルが付属します。また、3.5mm4極のケーブルを用意すればバランス接続にも対応可能。ただし、プラグはネジ式で汎用ケーブルは使用できません。同社がバランス接続用ケーブルを発売するかは、現在のところ未定としています。

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ベリリウムがもたらす「キレキレ&フラット」な音

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製品発表会では、出席した取材陣1人1人にヘッドホンが用意され、手持ちのポータブルオーディオでじっくり試聴することができました。

 

さっそく持参したポータブルオーディオで音を聴いてみたところ、第一印象は「キレのあるフラット」という感じ。とにかく音のキレがよく、もたつきやボワつきなどはまったく感じられません。低域から高域まで特定の音域を目立たせるようなチューニングはされておらず、フラットでスッキリとした見通しの良さが際立ちます。

 

ライブ録音のボーカル曲では、歌い手の口元の動きまで見えるような生々しさも感じられ、キレがあるのに音がドライになりすぎず、声の艶も感じられる点が印象的でした。

 

続いて会場に用意されたデノンのプリメインアンプ「PMA-50」との組み合わせで試聴してみました。ハイレゾ音源のクラシック楽曲を再生したところ、バイオリンの華やかな高音や、チェロ・コントラバスの重厚なハーモニーが繊細に再現され、よりヘッドホンのポテンシャルの高さが感じられました。

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ポータブルでも十分に音量をとることは可能ですが、ヘッドホンアンプでじっくり聴くと、より一層その個性が楽しめます。

 

日立マクセルが10年ぶりに挑むヘッドホンにふさわしく、目指す音作りに明確なイメージが感じられ、完成度の高い仕上がりとなったMD5000。約4万円前後という価格も納得の音質です。

 

今週末の6月11日(土)には、秋葉原のe☆イヤホンで店頭試聴会(11時~18時)も開催されるとのことですので、興味のある方は、ぜひ足を運んでみて下さい。

 

【SPEC】
型式:密閉ダイナミック型
音圧感度 :96dB/mW
再生周波数帯域:20~40,000Hz
インピーダンス:32Ω
最大入力:1600mW
質量:約260g(コード除く)

 

【URL】
日立マクセル https://www.maxell.co.jp/
製品情報ページ http://www.maxell.jp/consumer/headphone/mxh-md5000/index.html