近年、高価格化が進むイヤホン市場において、ハイエンドに分類される製品では、10万円以上のものも珍しくなくなってきました。普及価格帯では実現できない贅沢な素材や、最新の技術を投入した超高級イヤホンは、試聴だけでもする価値はあります。普段はなかなか手が出せない一品を狙うなら、ボーナスシーズンがチャンス。今回は、気になる10万円オーバーの超高級インイヤーヘッドホン3モデルを、AV評論家の野村ケンジさんのインプレッション付きで紹介します。
リアルで広大な音場を描写する独自の「D2CA」技術を搭載
ゼンハイザー
IE 800
実売価格10万7740円
【形 式:ダイナミック型】
【再生周波数帯域:5Hz~46.5kHz(-10dB)】
【出力音圧レベル:125dB/mW】
【インピーダンス:16Ω】
7㎜径の「XWBドライバー」を搭載する、同社イヤホンのフラッグシップモデル。内部共鳴を相殺して高音質化する「D2CA」技術を採用し、リアルで広大な音場のサウンドを描写します。筐体には高剛性のセラミック素材を採用。
【SPEC】
最大入力:10mW
コード長:1.1m
プラグ:3.5㎜ステレオミニ(L型)
質量:約16g
付属品:イヤーピース5種、キャリングケース、クリーニングツール
【IMPRESSION】
解像度:5
低音:5
ボーカル:4.5
「ダイナミック型の良さを再認識させられました。キレの良い中高域と、量感とフォーカス感を両立した低域を併せ持ち、リズミカルな演奏を実現します。音質の好みはやや別れがち」(野村さん)
低域用のデュアルドライバーがボリューム感豊かな低域を鳴らす
シュア
SE846
実売価格11万7480円
【形 式:バランスド・アーマチュア型】
【再生周波数帯域:15Hz~20kHz】
【出力音圧レベル:114dB/mW】
【インピーダンス:9Ω】
高域、中域、低域(2基)の計4基ものBA(バランスド・アーマチュア)ドライバー※を搭載し、本格派サブウーファーのレスポンスで再生。取り外し可能なステンレスノズルや、交換式ノズルインサートにより、好みの音質に調整できるのが特徴です。
※補聴器などにも使われる方式。繊細な音の表現に優れる
【IMPRESSION】
解像度:5
低音:5
ボーカル:4
「全帯域において解像度が高く、上質なサウンドを楽しめます。特殊なバスレフ(※)構造による低域は、とてつもなく明瞭な音。また、スマートなボディのため、装着感が非常に良いです」(野村さん)
※:ドライバーの背面から出る音を前方に反転させる構造。主に低音の増強に用いられる
6基のドライバーが鳴らす音を最適なバランスに調整して出力
Westone
W60
実売価格12万2580円
【形 式:バランスド・アーマチュア型】
【再生周波数帯域:20Hz~20kHz】
【出力音圧レベル:117dB/mW】
【インピーダンス:25Ω】
6基のBAドライバーを搭載するモデル。各ドライバーの音がバラバラにならないよう、3ウェイパッシブクロスオーバーネットワークによって、最適なバランスで調整して出力します。MMCX対応でリケーブルも手軽に行えます。
【SPEC】
最大入力:非公開
コード長:1.32m
プラグ:3.5㎜ステレオミニ
質量:約12.7g
付属品:EPICリムーバブルケーブル(EPIC ケーブル/3 ボタンコントローラーケーブル)、モニターヴォルドケースⅡほか
【IMPRESSION】
解像度:4.5
低音:5
ボーカル:4.5
「キレが良くメリハリのあるサウンドをベースとしながら、伸び伸びとした奔放さも感じられる音。アメリカンロックとの相性はバッチリです。6ドライバーながら小型サイズなのも魅力」(野村さん)
【URL】
ゼンハイザー http://www.sennheiser.co.jp/
IE 800 http://www.sennheiser.co.jp/sen.user.Item/id/958.html
シュア http://www.shure.co.jp/ja
SE846 http://www.shure.co.jp/ja/products/earphones/se846
Westone(テックウインド) http://www.tekwind.co.jp/products/WST/category.php
W60 http://www.tekwind.co.jp/products/WST/entry_11548.php