2020年も左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンに熱い視線が集中しています。最近では在宅ワークやテレワークの勤務スタイルが広く定着しつつあるともいわれていますが、ビデオ会議の音声を聞きやすくするコミュニケーションツールとしてもワイヤレスイヤホンは欠かせません。
数年前と比較して、もう左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンは珍しいアイテムではなくなりました。アマゾンなどのネット通販で探せば手軽に買って試せる安価な製品が数多く見つかります。気を付けるべきは安価で良質な製品を選ばないと、やたらむやみに低音ばかりが強調されていて通話音声が聴きづらかったり、音途切れが凄まじく使い物にならないイヤホンも多々あるということ。
今回は1万円から1.5万円前後の販売価格帯に集まってきた良質な完全ワイヤレスイヤホンを揃えて、それぞれの特徴をレポートしてみたいと思います。今年はこれからも続々と完全ワイヤレスイヤホンの新製品が発売されると思いますが、ここで紹介する5モデルはどれもいま買って損のない選択肢として断言できるものばかりです。
その1.ソニー初のお手ごろ価格モデル「WF-XB700」
ソニー
WF-XB700
実売価格1万5020円
ソニーが初めて1万5000円という手ごろな価格の完全ワイヤレスイヤホンを発売しました。迫力の重低音再生を特徴とするEXTRA BASSシリーズのイヤホンですが、実際のサウンドは解像度が高く、力強さとのバランスに偏りがありません。特に人の声にハリと艶を感じながら、歌ものの曲が楽しく聴けます。サウンドについては上位モデルである、ハイレゾ相当のワイヤレス再生が楽しめる「WF-H800」の鮮やかさとリアリティを見事に継承するエントリーモデルです。
ノイズキャンセリングや外音取り込みの機能は持たず、高音質化機能のDSEEも非搭載です。ソニー独自のモバイルアプリ「Headphones Connect」との連携機能もありません。でもだからこそスマホとのペアリングを済ませれば、ひたすら音楽リスニングだけに集中できる潔さが本機の醍醐味だと思います。ソニーの上位機種を持っているユーザーも、サブ機として本機を購入する価値があると思います。
イヤホン本体はIPX4相当の防滴対応。軽くてシリコンイヤーピースによるフィット感も安定しているので、体を動かしながら音楽を聴きたい時にも最適です。充電ケースもポータビリティ重視。ターコイズっぽいきれいなブルーのカラバリモデルがおすすめです。
その2.洗練された装着性のよさが魅力の「ATH-CKS5TW」
オーディオテクニカ
ATH-CKS5TW
実売価格1万6830円
オーディオテクニカも個性豊かな完全ワイヤレスイヤホンのラインナップを揃えています。本機はSOLID BASSシリーズの完全ワイヤレスイヤホン。タイトでインパクトのある重低音再生が特徴。硬度の異なる素材を組み合わせた2層構造の振動板を持つ10mm口径のドライバーはクリアな中高域再生にも長けています。ビートを効かせたダンスミュージックやジャパニーズポップスとの相性も良いです。
イヤホンがフル充電の状態から単体で約15時間の音楽再生を楽しめる驚異のスタミナ。本体は水しぶきにも耐性のあるIPX2相当の生活防滴対応。コンパクトで取り回しがよく、3色カラバリモデルのカーキはフェイスプレートの色合いがエレガントなピンクゴールドのようにも見えることから、女性の音楽ファンにも高く評価されているようです。
本機にはシリコン製の3Dループサポートが採用されていますが、筆者はオーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホンはどの機種も装着感がとても洗練されていると思います。耳から落ちてしまいそうな心許なさがなく、それでいてフィットがタイト過ぎずちょうど良いバランスが魅力です。
その3.コンパクトなサイズからは想像つかない高音質「TWS04K」
ag
TWS04K
実売価格1万5800円
日本のオーディオブランド、finalが音質を全面監修するag(エージー)の完全ワイヤレスイヤホン上位モデル。Bluetoothイヤホンで聴いているとは思えないほどに立体的で見晴らしの良いサウンドは圧巻です。音の輪郭がとてもシャープで、ジャズやロックのバンドスタイルの演奏を聴くと楽器の定位がリアルに感じられます。イヤホン本体のコンパクトなサイズからは想像も付かないほどサウンドはダイナミックで躍動感にあふれています。
機能面では音質に影響を及ぼさない防水フィルターをノズルの側に搭載できたことで、IPX7相当の防水性能を獲得しています。トップクラスに音のいいスポーツイヤホンとしてもおすすめができます。
連続音楽再生時間はSBC/AAC接続時に約9時間、aptX接続時は約6時間としてスタミナ性能にも優れています。それだけでなく、充電ケースはモバイルバッテリーとしてスマホの充電にも使えます。同梱されているfinalのイヤーピースは肌に優しく触れる心地よさが特筆ものです。
その4.最先端の機能がこの価格で実現「TE-D01d mk2」
AVIOT
TE-D01d mk2
実売価格12650円
AVIOTが2019年に発売したヒットモデルのTE-D01dが、ユーザーやファンの声を受けてマーク2として一段とブラッシュアップされました。いま完全ワイヤレスイヤホンに求められる最先端の機能を惜しみなく搭載したスタンダードモデルとして再び人気を集めています。
6mm口径のドライバーの振動板を2層構成としたことで、きめ細かくディティールの情報量に富んだサウンドを描きます。特にクールで切れ味鋭い高域はなかなかほかの完全ワイヤレスイヤホンでは味わえないでしょう。エレキのロックギター、ジャズバンドの金管楽器の煌めき感が際立っています。
イヤホン単体で約11時間の音楽再生が楽しめたり、モバイルバッテリーとして使える充電ケースもユニークですが、マーク2になってさらにQi対応のワイヤレス充電機能が付いたり、タッチセンサーリモコンで操作できる外音取り込み機能などがさらに充実したことも見逃せません。いまどきの完全ワイヤレスイヤホンの「最先端」を余すところなく味わいたい人にはこのモデルが最高のスタンダードになると思います。
その5.ANC機能搭載のハイコスパ機「FreeBuds 3i」
ファーウェイ
HUAWEI FreeBuds 3i
実売価格1万6280円
密閉型ハウジングとアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能により、高い遮音性能を実現したファーウェイの完全ワイヤレスイヤホン第2弾。ファーウェイ独自のユーザーインターフェースである「EMUI10」を搭載するスマホと最も相性が良く、オートペアリング機能や自動着脱検出など先進的な機能が使えるようになります。カラバリはホワイトとブラック(7月以降発売予定)を用意。
大型10mm口径のダイナミック型ドライバーにより、スムーズでクセのないサウンドを聴かせてくれるイヤホンです。特に人の声が自然に引き立つので、ボーカル中心の楽曲や映画にドラマなど動画コンテンツを楽しむ場面で実力を発揮するでしょう。
本体はIP54相当の防塵・防滴対応なのでスポーツシーンにも最適。Android OSに対応する「HUAWEI AI Life」アプリはファームウェア更新を利用する際にも必要になるので、どちらかといえばファーウェイのスマホ、またはAndroidスマホのユーザーにおすすめしたいイヤホンです。
以上が、いま買って間違いのない1万円台の完全ワイヤレスイヤホン5モデルとなります。数千円台のモデルからのステップアップとして、もしくはフラッグシップモデルを使っている方のサブ機としてもオススメですので、ぜひ店頭でチェックしてみて下さい。
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