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2020/12/30 17:30

ワンランク上の動画投稿を! ジャンル別・2020年にGoodだった「Vlogガジェット」11選

2020年は自分の時間が増えて何か新しいことを始めたという方も多かったのではないでしょうか。そんななか、ひとつのブームとも言えるのがVlog(Video Blog)などの動画投稿です。僕の周囲でも新たに動画投稿をするようになったという方がたくさんいました。

 

はじめはスマホのカメラでサッと撮って出しをしてみても、面白くなってくると編集や撮影機材にもこだわりたくなってきますよね。ということで、2020年に実際に試したVlogアイテムのなかから、個人的に良いなと感じたモノを製品ジャンル別に振り返っていきたいと思います。

 

【その1~2】コンパクトデジカメ/ミラーレスカメラ編

まずはスマホカメラからのステップアップとして注目したいカメラから。

↑ソニーのコンパクトデジカメ「VLOGCAM ZV-1」。2020年6月発売で、記事執筆時点での実売価格は9万9900円

 

Vlogブームの先陣を切って登場したのがソニーのコンデジ「VLOGCAM ZV-1」です。とにかくオートフォーカスが高速で優秀。なかでも特筆すべきなのが「商品レビュー用設定」が搭載されたこと。従来のオートフォーカスはとにかく人物の顔を中心に認識していたのですが、「商品レビュー用設定」の状態でカメラの前に商品をかざすと顔より手前にある商品に瞬時にフォーカスが切り替わるんです。これは撮影も編集も非常に楽です。オートフォーカスでの撮影が中心になるのであれば、間違いなくオススメです。

↑パナソニックのミラーレス一眼カメラ「LUMIX G100」。2020年8月発売で、記事執筆時点での実売価格は標準ズームレンズを同梱したKキットが11万1100円、標準ズームレンズに加えてトライポッドグリップを同梱したVキットが11万6600円

 

僕が個人的に購入したのは、パナソニックの「LUMIX G100」。ZV-1と人気を二分する形になりましたが、こちらはミラーレス一眼カメラなのでレンズ交換ができます。僕が重視したのはマニュアル設定での撮影のしやすさ。オートフォーカスでの撮影は簡単ですが、ついつい映像が単調になりやすいのが難点です。自分の意図した映像をキッチリ撮影するには、マニュアル操作が大切になってきます。見せたい箇所にフォーカスを固定するというだけでなく、動画にリズムを与えるためにズームで画角を変えているんです。さらに本体内蔵マイクが優秀なのも重要なポイント。狙った音をしっかり収録できます。また録画中であることがわかりやすかったり、各種ファンクションボタンをカスタムできたりと、非常に使いやすくなりました。こういったところから、お手軽なVlogというよりも、キッチリとした商品レビューや作品づくりなどを目的とする方にオススメです。

 

【その3~5】電動ジンバル編

先ほど紹介したカメラはコンパクトでVlog向きなのは間違いないのですが、手ブレ補正が気になってしまいました。そこで導入したのが電動ジンバル「Zhiyun Crane M2」です。発売されたのは2019年の8月なのですが、これがZV-1やG100と相性抜群でした。

↑Zhiyun Crane M2(右)とLUMIX G100(左)。Zhiyun Crane M2の記事執筆時点での実売価格は3万3000円

 

移動しながらの撮影が段違いにスムーズになりますし、クレーンやドリーを使って撮影したような効果も表現できます。しかもモーター強度を三段階に調整できるので、小型カメラだけでなく、スマホやアクションカムなどでも使えてしまうのです。映像のアクセントとしてもいろんな使い道が考えられますね。ただ、一眼カメラ用途と比べると非常にコンパクトなシステムではあるのですが、ちょっとお手軽とは言い難いですよね。

 

同様の効果をもう少し手軽に得たいのであれば、スマホ用の電動ジンバルがオススメです。最近は本当にいろんなメーカーが参入してきて、価格もだいぶお求めやすくなってきました。

↑2020年8月発売のスマートフォン用電動ジンバル「DJI OM4」。記事執筆時点の実売価格は1万6500円

 

そのなかでも、2020年に一番話題になったのは「DJI OM4」ではないでしょうか。世代を重ねてきただけあってジンバル性能はとても優秀。スマホをマグネットでパッと装着できるというのが斬新でした。慣れの問題なのか、個人的にはこの機構が逆に使いづらく感じてしまいましたが……。

↑スマートフォン用電動ジンバル「Hohem iSteady X」。記事執筆時点での実売価格は7990円

 

個人的に使ってみて気に入ったのが「Hohem iSteady X」です。聞き慣れないメーカーかもしれませんが、思わぬ伏兵の登場といった印象でした。アームをコンパクトに折り畳める仕様は最近の主流となっていますが、小型軽量でアームもロックできて持ち運びが便利。ジンバル性能も他社製品と比べて遜色なく、とにかく安いのでコストパフォーマンスが抜群です。狙った被写体を自動追従するオブジェクトトラッキング機能や、映像を回転撮影するインセプションモードなども搭載。スマホでの動画撮影が別次元に進化しますよ。

 

【その6】小型ジンバルカメラ編

そして、2020年にちょっとしたブームとなったのが小型ジンバルカメラ。2018年末に登場した「DJI OSMO Pocket」は今でも根強い人気で、テレビなどでも頻繁に使用シーンを目にするようになりました。そのブームに乗って2020年に相次いで登場したのが「FIMI PALM」や「Feiyu Pocket」で、OSMO Pocketの弱点をカバーしつつリーズナブルになりました。

↑3軸ジンバルを搭載した小型カメラ「DJI Pocket 2」。2020年10月発売で、記事執筆時点での実売価格は標準版が4万9500円、Creatorコンボが6万4900円

 

しかしDJIにだってそんなユーザーの声はちゃんと届いています! 満を持して登場したのが「DJI Pocket 2」。ライバルたちのさらに上を行く性能アップや、多彩なアクセサリー類で使い勝手が格段に向上しました。価格帯としては少し高めではあるものの、使ってみると画質の違いは一目瞭然。一番の不満点であった画角の狭さが解消されたことに加え、オートフォーカスも優秀になり、ピンボケ映像が間違いなく激減するでしょう。小型ジンバルカメラを初めて購入するという方であれば、アクセサリー類がセットになっている「Creatorコンボ」がオススメです。

 

【その7~8】アクションカメラ編

忘れてならないのがアクションカメラのジャンル。やっぱりアクションカメラでも自撮りしたいという需要は多く、2019年には前面にも液晶画面の付いた「DJI OSMO Action」が登場し、人気を博しました。

↑レンズ(モジュール)交換が可能な独自機構を採用したアクションカメラ「Insta360 ONE R」。記事執筆時点での実売価格は4K版(4K広角モジュールが付属)が3万9600円、ツイン版(360度モジュール+4K広角モジュールが付属)が5万4000円、1インチ版(1インチ広角モジュールが付属)が6万1900円

 

そこへいきなり登場したのが、360度カメラで大きなシェアを持っているInsta360シリーズの「Insta360 ONE R」です。最大の特徴はアクションカメラでありながら、モジュールでレンズ交換ができるということ。4K撮影が可能な標準的なレンズモジュール以外に、より高画質な1インチセンサーモジュール、さらに表裏2つの魚眼レンズで360度撮影ができるモジュールもラインナップ。カメラ本体となるコアにはタッチ液晶モニターがあり、カメラモジュールをひっくり返すことで自撮りにも対応できます。ただ、モジュール交換式という発想は新しかったのですが、この付け替え作業にちょっと手間がかかるのが難点でした。

↑2020年9月発売のアクションカメラ「GoPro HERO9 Black」。記事執筆時点での量販店での実売価格はHERO9単体で6万3800円だが、GoPro.comでは期間限定でよりお得に購入できるセールを開催中

 

そしてついに真打ち登場! 待望の前面液晶を搭載した「GoPro HERO9 Black」が2020年9月に発売となりました。これでライブビューで画角を確認しながら確実に自撮りができ、Vlog用途にもかなり使いやすくなりました。しかも静止画/動画ともに解像度アップ。画質の良さは頭一つ抜きん出ている印象です。さらに新たに搭載された「リニア+水平維持」モードが非常に強力で、カメラが多少斜めになってしまっても記録映像は常に水平を維持してくれます。ジンバル要らずのスムーズな映像をカメラ単体で撮影できるんです。これだけでも驚きなのに、アクセサリー「Max レンズモジュラー」を使用すると360度どんな角度でも常に水平を維持してくれるんです。

 

アクションカメラを何か1台買うとなればGoPro HERO 9が間違いないのですが、やっぱりちょっと高価なので気軽には購入できないかもしれません。そんな方は低価格ながら前面液晶も搭載している「AKASO Brave 7LE」も悪くない選択でしょう。

 

【その9~11】360度カメラ編

最後にご紹介するのが360度撮影などができるVRカメラのジャンル。ここにもVlog用途を意識した製品が登場しています。

↑2019年12月発売の360度カメラ「KANDAO Qoocam 8K」。記事執筆時点での実売価格は5万2000円

 

2019年末に登場した「KANDAO Qoocam 8K」は、コンシューマー機としては初となる8K全天周カメラ。2.4インチのタッチスクリーンが搭載され、ライブビュー撮影や各種設定変更が可能。360度撮影だけでなくVlog用途も意識した構成となっており、2つの魚眼レンズを切り替えて撮影したり、外部マイクなどを装着できるようになっています。

↑2020年11月発売の360度カメラ「Insta360 ONE X2」。記事執筆時点での実売価格は5万5000円

 

そしてライバルInsta360シリーズから「Insta360 ONE X2」が登場! 解像度は旧機種と同じ5.7Kのままですが、Qoocam 8Kよりも軽量コンパクトで10m防水。より一層使えるシーンが増えました。両機種とも手ブレ補正が非常に優秀なので、歩きながらの撮影でも安定して使用できます。使ってみた印象は、Qoocam 8KはVlogにも使える360度カメラ、Insta360 ONE X2は360度アクションカメラといった感じです。

↑2020年10月に発売された、スリムなペン型360度カメラ「IQUI」。記事執筆時点での実売価格は3万2780円

 

もっと手軽に360度映像を楽しみたいのであればVECNOSの「IQUI」も面白いでしょう。簡単な操作で面白い映像が作り出せるのですが、これはVlogというよりもSNSのショート動画向けという感じですね。

 

以上、2020年に試したVlogに使えそうなガジェットをご紹介しました。もっと「これがオススメ!」と絞って紹介することも考えたのですが、Vlogといっても用途は人それぞれなのでジャンル別にまとめてみました。これからVlogをはじめてみようという方の参考になれば嬉しいです。