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2021/6/25 18:45

カスタマイズの自由度が高い! JBLのワイヤレスイヤホン「LIVE PRO+ TWS」レビュー

2021年も半分が過ぎたところで、オーディオブランド各社による左右独立型完全ワイヤレスイヤホン新製品の発表・発売が佳境を迎えています。今回はJBLのアクティブ・ノイズキャンセリングと外音取り込み機能を搭載する新製品「LIVE PRO+ TWS」をレポートします。

↑JBLの完全ワイヤレスイヤホン「LIVE PRO+ TWS」

 

LIVE PRO+ TWS(以下:LIVE PRO+)は“JBL史上最高のフィット感”をうたう、スティック型デザインのワイヤレスイヤホンです。注目すべきポイントは快適な装着感、11ミリの大口径ドライバーによるパワフルなサウンド、ノイズキャンセリング機能の効果など。モバイルアプリ「JBL My Headphones」との連携により実現する多彩な機能も見逃せません。

 

JBLオンラインショップと、JBL by HARMANの公式楽天市場店限定モデルとして6月25日に発売され、実売価格は1万7800円(税込)。カラーバリエーションはホワイト/ベージュ/ブラックの3色です。

 

スティック型デザインを活かした安定感抜群の装着性

LIVE PRO+はアップルのAirPodsシリーズに代表されるスティック型デザインとした完全ワイヤレスイヤホンです。左右スティックの先端には通話専用のビームフォーミングマイクを内蔵。ハウジングの厚みが約14ミリとスリムなので、装着した状態でイヤホンが耳から飛び出ているように見えない軽やかな着こなしスタイルも魅力的です。

 

筆者はスティック型デザインのイヤホンは耳もとでとても安定するので、特に体を動かすスポーツシーンではこれを好んで使います。LIVE PRO+は本体をIPX4相当の防滴仕様 としているので汗濡れにも強く、スポーツ向きのワイヤレスイヤホンであるともいえます。

↑右はアップルのAirPods Pro。サイズ感はよく似ています

 

パッケージにはサイズ・形状が異なる5種類のシリコンイヤーピースが付属します。フィット感を調節すると音の聞こえ方のバランスも変わるので、ベストなイヤーピースは慎重に選びたいものです。専用アプリに搭載する「最適なフィット感をチェックする」という機能により、選んだイヤーピースが自分の耳と適切にフィットしているものなのかが、わずか数秒間で測定できます。

↑正しいフィット感が得られるよう、アプリに調整機能が搭載されています

 

ANC・外音取り込みのバランス調整が便利

LIVE PRO+にはアクティブノイズキャンセリング(ANC)とアンビエント機能が搭載されています。それぞれの機能をフル活用するため、専用アプリ「JBL My Headphones」をスマホにインストールしましょう。アプリはiOS/Androidに両対応。今回筆者はGoogle Pixel 5にインストールしています。

 

アプリのホーム画面では左右イヤホンと充電ケースのバッテリー残量を確認できます。LIVE PRO+のスタミナ性能については、ANC機能をオンするとイヤホン単体で約6時間の連続音楽リスニングが楽しめます。ケースによる充電を繰り返せばトータルで約24時間のリスニングに対応します。

↑JBLのワイヤレスヘッドホン・イヤホン用「My JBL Headphones」アプリ。ノイズキャンセリングの切り換え、タッチセンサーリモコンの操作方法の設定などが可能です

 

ANCとアンビエント機能の切り替えはアプリのホーム画面から行うか、または左右イヤホンのタッチセンサーリモコンで行います。リモコンの操作方法はアプリから自由に割り当てることができます。筆者はANCとアンビエントの切り替えをよく使うので、左イヤホンのシングルタップに設定しました。

 

音楽を再生しない状態でANCとアンビエント機能の効果を確認してみたところ、ANCは効果はかなり強力であると感じました。賑やかなカフェでは人の話し声がスッと消えて、機械で豆を挽く音やエアコンのノイズもバランスよく減衰します。

 

ノイズキャンセリングの強度はアプリから「日常」「トラベル」「アクティブ」の3段階を選んでスイッチできます。トラベルに切り換えると消音効果が強くなります。地下鉄や飛行機に乗るときにはトラベルモードが最適だと思います。アクティブと日常モードの強弱はさほど変わらないと感じました。むしろ屋外で歩きながら音楽を聴くときなどにはアンビエント機能を使うべきでしょう。

↑ノイズキャンセリング、アンビエント機能のパターンが選択できます

 

アンビエントサウンドには周囲の環境音を中心に取り込む「アンビエントアウェア」と、会話音声の取り込みに適した「トークスルー」の2種類がプリセットされています。どちらのモードも自然な外音取り込みのバランスを重視しているようで、マイクに由来するノイズが少なく、また音楽再生を始めると、音楽と環境音を違和感のないバランスにミックスしてくれました。

 

JBLらしい楽しく聴けるアクティブなサウンド

LIVE PRO+が対応するBluetoothオーディオのコーデックは、昨今では最も一般的なAACにSBCという構成です。Amazon Music HDからいくつかの楽曲を聴いてみました。ANCはオンで日常モードを選択しています。

↑LIVE PRO+ TWSのサウンドをAmazon Musicのコンテンツで試聴しました

 

Official髭男dismの「Pretender」では、温かみのあるボーカルの安定感が魅力的でした。ベースラインがしっかりと太く、声や楽器の音の輪郭が力強く描かれます。弾力感の豊かなリズムが体の芯を心地よく刺激します。ボーカリストのハイトーンがもっとクリアに突き抜けるイヤホンもありますが、本機の場合は中高域を柔らかくまとめあげて、音楽の心地よい一体感をより強く楽しませてくれるところに持ち味があります。JBLらしい音づくりだと思います。

 

続いて、ビル・エヴァンス・トリオのアルバム「Waltz for Debby」からタイトル曲の「Waltz for Debby/take1」を聴きました。美しく流れるピアノのメロディが徐々に熱気を帯びて、ウッドベースのタイトなリズムと心地よく溶け合います。同じJBLの兄弟機である「JBL CLUB PRO+ TWS」はドラムスのブラッシングなど、中高域の繊細な表情をクリアに引き立たせるタイプですが、こちらのLIVE PRO+の中高域はパンチが効いていて、楽しく聴けるアクティブなサウンドを楽しめるところに特徴があります。

 

LIVE PRO+のサウンドはANC、またはアンビエントサウンドの機能が「オンの状態」がベストなコンディションであるといえます。ANCとアンビエントサウンドの両方をオフにもできますが、中高域にわずかな雑味が乗る感じがしました。

 

専用アプリには音のバランスを10の帯域に分けて細かく調整できるイコライザーも備えています。ユーザーが好みのバランスに調整した設定値に名前を付けてプリセットとして残し、繰り返し使える便利な機能なので、これもまた活用しない手はありません。

↑専用アプリから任意のイコライザーを設定。保存して繰り返し使えます

 

徹底したカスタマイズが楽しめる

LIVE PRO+には、これまで数多くの完全ワイヤレスイヤホンを発売してきたJBLらしい、先進的な機能が数多く搭載されています。例えば初期ペアリング設定を済ませた後は、独自技術の「Sync」により、イヤホンをケースから取り出した瞬間にもうペアリングが完了するので、耳に装着した時点ですぐに音楽再生をスタートできます。筆者が試した限りでは、スマホとイヤホンのあいだ、左右のイヤホン間で通信が不安定になることもありませんでした。

 

タッチセンサーリモコンの感度は鋭すぎず、ちょうどよいバランスだと思います。感度のバランスは誤操作の発生にも直結する大事なポイント。リモコンについては、ANCとアンビエントサウンドのモードを切り換えたときに「現在の状態」がどちらなのか、音声で知らせてくれるガイドがあればなお便利だと思いました。

 

専用アプリのホーム画面にならぶ「スマートオーディオ&ビデオ」の中に、動画再生時の音声とのずれを解消する「ビデオモード」が搭載されています。YouTubeやその他の動画サービスを楽しむ際に、ビデオモードを選んでおけば口もとの動きに音声がピタリと合います。

↑ビデオ再生に最適な「スマートオーディオ&ビデオ」の中に搭載されている「ビデオモード」

 

LIVE PRO+はその多彩な機能を上手にカスタマイズしながら使いこなせば、AirPodsなどライバルのイヤホンを超える上質なポータブル音楽再生が楽しめる“お買い得”なワイヤレスイヤホンだと思います。

 

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