ここでは読者人気の高い家電カテゴリを取り上げ、“いま購入時に押さえておきたいキーワード”とともに、最新モデルの魅力を明らかにしていく。今回は、完全ワイヤレスイヤホンを紹介!!
※こちらは「GetNavi」2021年9月号に掲載された記事を再編集したものです。
<完全ワイヤレスイヤホン>
Trend Keyword《音質カスタマイズ》
人気沸騰中の完全ワイヤレスイヤホンでいま注目されている機能が、音質のカスタマイズ。スマホの専用アプリを使ってイコライザーやサウンドエフェクトを設定し、好みの音質に調整できるというものだ。これに対応する最新4機種の実力をプロがチェックした!
私がチェックしました!
サイズによる音質の制約をアプリを使った機能で克服
周囲の騒音を除去するアクティブノイズキャンセリング機能や、逆に周囲の音を聞こえやすくする外音取り込み機能は、完全ワイヤレスイヤホンの上位機種ではもはや必須となりつつある。
最新トレンドとして挙げたいのが、専用のスマホアプリを使っての音質カスタマイズだ。帯域ごとに音の大きさを変えられる「イコライザー」で、例えば低音やボーカルだけを強調するといった調整ができるモデルが増えている。また、「ポップス」や「ニュース」など聴くジャンルに応じて設定されたサウンドエフェクトを選択できる機種もある。あらゆる使用シーンで、より自分の好みに応じた音質で聴けるようになっているのだ。
サイズの制約がある完全ワイヤレスイヤホンは、有線タイプやネックバンドタイプに比べて音質的に不利なのは事実。しかし最新モデルでは、高音質コーデックの採用やサウンドチューニングの向上により、数年前とは別格の良質サウンドが楽しめるようになっている。
【その1】業界最高クラスのNC性能を実現
ソニー
WF-1000XM4
実売価格3万3000円
従来機に比べ、NC性能が低音から高音まで全域で向上。イヤーピースの遮音性と装着感も高められた。同社の立体音響技術「360 Reality Audio」に対応し、音質をユーザーごとに最適化した空間表現が可能に。
SPEC●対応コーデック:SBC、AAC、LDAC●対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP●伝送帯域(A2DP):20Hz〜40kHz(LDAC)●充電時間:約1.5時間●Bluetoothバージョン:5.2
ドライバー:φ6mm密閉ダイナミック型
連続再生時間:約12時間(NCオフ時)
防水性能:IPX4相当
質量:約7.3g
【Impression】
ハイレゾ音源の魅力をしっかりと感じられる良サウンド
新開発のイヤーピースで遮音性と装着感が向上。アクティブノイズキャンセリングの効き具合は自然で違和感がない。帯域バランスは低音がやや強めだが、高域がしっかりまとめられているのでとても聴きやすく、長時間リスニングも聴き疲れのない良サウンド。LDAC対応で、ワイヤレスでもハイレゾ品質を楽しめるのもイイ。
[5点満点で評価]
解像度:5.0/5.0
低音の迫力:4.0/5.0
装着感:4.5/5.0
アプリの操作性:5.0/5.0
機能性:5.0/5.0
【その2】一流アーティストがサウンドチューニングを手がけた異色作
ANIMA
ANW01
実売価格1万6980円
サウンドプロデューサーのTAKU INOUE氏がサウンドチューニングを監修。視聴環境や音楽ジャンル、生活シーンに応じたチューニングパターンを選択できる。音質プロファイルはダウンロードで追加可能。
SPEC●対応コーデック:SBC、AAC、optX●対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP、SPP●充電時間:約1時間30分(イヤホン)●Bluetoothバージョン:5.1
ドライバー:φ6mmダイナミック型
連続再生時間:約6時間(aptX接続時)
防水性能:IPX7相当
質量:約4g
【Impression】
クラブミュージックが似合う心地良い重低音を響かせる
オートペアリング、Bluetooth 5.1の接続安定性、AAC/aptXコーデック対応による良音、MEMS型マイク搭載による聴き取りやすい通話音声、防水性能など、最新トレンドの多くを押さえた性能が光る。チューニング機能では、「NIGHT」は低音の響きが心地良い重低音、「MIDNIGHT」はキレの良い迫力の重低音が楽しめる。
[5点満点で評価]
解像度:3.5/5.0
低音の迫力:5.0/5.0
装着感:4.5/5.0
アプリの操作性:3.5/5.0
機能性:4.0/5.0
【その3】テクニクスの音響技術による高音質サウンドが魅力
テクニクス
EAH-AZ70W
実売価格2万7000円
テクニクスの音響技術による高音質とハイレベルのノイズキャンセリングを両立。Bluetoothアンテナとタッチセンサーを共用することで小型化と安定した接続性を実現した。高性能マイクの採用で通話も快適。
SPEC●対応コーデック:SBC、AAC●充電時間:約4時間(イヤホン+充電ケース同時)、急速充電:15分(約70分再生/NCオン時)●Bluetoothバージョン:5.0
ドライバー:φ10mmダイナミック型
連続再生時間:約6.5時間(NCオン時)
防水性能:IPX4相当
質量:約7g
【Impression】
ワイヤレスと思えない自然で良質な音を楽しめる
Bluetooth接続とは思えない良質な音が楽しめる。人間らしさを感じる生き生きとしたボーカル、自然な音色のアコースティック楽器など、テクニクスならではの音楽性の高いリアリティ志向のサウンド。接続安定性も高く、見通しの良い市街地では30m離れても接続が切れなかった。NCは自然で、オン/オフ時の音質差が小さい。
[5点満点で評価]
解像度:4.5/5.0
低音の迫力:4.0/5.0
装着感:4.0/5.0
アプリの操作性:4.5/5.0
機能性:4.5/5.0
【その4】ピュアオーディオの手法を応用して高音質化
NUARL
N6 Pro2
実売価格1万6500円
振動板やボイスコイルにこだわった「NUARL DRIVER[N6]v5Xモジュール」を内蔵。内部配線には損失の少ない銀メッキ加工の7N OCCを採用するなど、ピュアオーディオに用いられる手法を用いて高音質を実現した。
SPEC●対応コーデック:AAC、SBC、aptX、aptX Adaptive●対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP●充電時間:1.5時間●Bluetoothバージョン:5.2
ドライバー:φ6mm
連続再生時間:約10時間(SBC/AAC)
防水性能:IPX4
質量:約7g
【Impression】
利便性や安全性はそのままに音質がより向上している
シリーズ前モデルで好評だった「左右共通の3ボタン」や「安全なバッテリー」などの基本性能はそのままに、さらに音質を追求。サウンドはエネルギッシュで勢いがありつつ、細部の描写をしっかりと拾い上げる質の良さも併せ持つ。アプリからイコライザーの切り替えができるなど、手軽に音質カスタマイズが可能となっている。
[5点満点で評価]
解像度:4.5/5.0
低音の迫力:4.5/5.0
装着感:4.0/5.0
アプリの操作性:4.5/5.0
機能性:4.0/5.0
【Other Choice】
コレも注目! U-1万円は“超コンパクト”がトレンド
1万円以下で手に入るエントリーモデルは、“超”小型軽量化がトレンド。イヤホン本体だけでなく、充電ケースもコンパクト化が進んでいるが、チップの改良によりスタミナは十分だ。
【Choice.1】シリーズ最小モデルはスマホアプリでイヤホンを探せて機能も充実!
GLIDiC
Sound-Air TW-4000
実売価格8030円
本体も充電ケースもコンパクトでかわいらしい。カスタムイヤホンメーカー監修の独自イヤホンで、快適なフィット感も実現した。外音取り込み機能を備え、イヤホンを着けたまま周囲の音を聞き取れる。
ドライバー:φ6mmダイナミック型
連続再生時間:約6時間
防水性能:IPX4
質量:約4g
【Choice.2】リラックスできる、聴き疲れしない自然な音質
ag
COTSUBU
実売価格6480円
シリーズ最小・最軽量モデル。オートペアリングや自動片耳モードなど、使いやすい機能を追求した。オーディオブランドfinalがチューニングしたサウンドは、聴き疲れしない自然な仕上がりだ。
ドライバー:φ6mmダイナミック型
連続再生時間:約5時間
防水性能:IPX4
質量:約3.5g
【Choice.3】上位モデルの高音質を受け継いで小型軽量化
NUARL
N6 mini
実売価格9770円
同ブランドの上位機種にも採用される「”NUARL DRIVER” [N6]v3」を搭載。全帯域にわたってキレとパワフルさを両立させたサウンドを再生する。Bluetoothは高音質コーデックのaptXにも対応。
ドライバー:φ6mmダイナミック型
連続再生時間:約8時間(SBC/AAC再生時)
防水性能:IPX7
質量:約4.5g
●アイコンの「質量」はすべてイヤホン片耳の数値