ソニーは7月6日、手軽にシアター空間を作れるポータブルなスピーカーセット「HT-AX7」を発表。7月21日に発売します。市場推定価格は7万7000円(税込)前後です。
家の好きな場所でシアター空間を楽しむ、新コンセプトな製品
スマホやタブレットなどのモバイル端末とともに、家の好きな場所に持ち運んでシアター空間を楽しめる、ソニーとしては新しいコンセプトの製品。約306mm幅のフロントスピーカー1基と、薄型の円形リアスピーカー2基がセットになっていて、パーソナルなシアター空間を作りだしたり、部屋中を均一な音で満たしたりできます。
ホームシアターのように楽しむ場合は、視聴者から半径1~1.2mの範囲に、三角形になるようにスピーカーを設置。加えて、独自のエフェクト「SOUND FIELD」をオンにします。SOUND FIELDは、ソニーの360度立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」をHT-AX7向けにチューニングしたうえ、音をリアルタイムに分析して臨場感のある音にアップミックスする機能。このスピーカー3基と独自エフェクトにより、モバイル端末で映像を視聴する際、2chコンテンツを立体音響で楽しむことができます。
設置はたとえば、フロントスピーカーをテーブルに、リアスピーカーをソファの背もたれ上部に置くことを想定。それぞれのスピーカーで高さが若干違っても立体音響に影響はないそうです。また、画像のようにベッドのような安定しにくい場所においても問題ないとのこと。
部屋中を均一な音で満たす場合は、3基のスピーカーを、部屋を囲うように設置。またSOUND FIELDをオフにすることで、40平方メートル以内(約24畳)であれば部屋のどこにいても同じように聴こえるとしています。
デバイスとフロントスピーカーの接続はBluetoothで、スピーカー同士は2.4GHzを利用した独自技術で接続します。これにより、たとえばリアスピーカーがほかのデバイスと接続されることはありません。なお、HT-AX7を複数用意して接続ということはできず、基本的には3基のスピーカーセットと、モバイル端末での接続となります。
スピーカーはX-Balanced Speaker Unit搭載。音を広げる仕組みも
スピーカーユニットは、フロント/リアともに、音圧の向上や歪みを抑えてクリアな音質を実現したX-Balanced Speaker Unitを採用。フロントスピーカーはフルレンジスピーカーを2基、本体左右にパッシブラジエーターを2基搭載しています。また、リアスピーカーは、指向性の広さとクリアな高音を両立させたフルレンジスピーカーを搭載。従来の振動板に比べて浅型にしたことで、音を綺麗に広げているといいます。
本体はバッテリー駆動で、再生時間は約30時間。充電はフロントスピーカーのUSB Type-Cポートから。リアスピーカーはフロントスピーカー天面のくぼみに置くと充電されます。充電時間はフロントスピーカーが約4時間で、リアスピーカーは約4.5時間。なお、フロントスピーカーはType-C経由による急速充電に対応しており、約10分で約2.5時間再生できます。
このほか、2台の機器に同時に接続できるマルチポイント接続や、セットアップやリモコンとして使えるスマホアプリ「Home Entertainment Connect」に対応しています。
ホームシアターは基本大型テレビと接続するもの。ですが、最近では視聴環境が変化しており、テレビだけでなく、スマホやタブレットを使用して、好きな場所で視聴するのが当たり前となっています。そのなかで、“シアターを持ち運ぶ”ことで、映像や音楽を楽しめるようにしたのがHT-AX7。立体音響を手軽に楽しめることから、注目を集めそうです。